う〜ん 何だろうな 

何か思い出せそうなんだが 何がひっかっているんだ?

 

 

「・・ルカ お〜いイルカ」

「ハイハイハイ 何だ」

「ハイは一回だろ イ・ル・カ・先・生!」

「ああ 悪かったな で 何だ?」

 

思い出せそうで思い出せないもどかしさ

夕べから感じているこの違和感はなんだろう

 

 

 

「お前のロッカーの前でちょっとした騒ぎになってるみたいだぜ」

「そうか? ちょっと仕掛けをしといたんだが

思ったより早かったな どれ どんなネズミがかかったか見てくるかな?

しばらく席外すから何かあったら机のうえに置いといてくれな」

「あっ ああ わかった」 

「おい イルカの仕掛けっていったいどんなんだ?」

「そりゃ〜 あいつって にっこり笑ってバッサリと容赦ないからな」

 

ロッカー室の前に人だかりができている

丁度いい 一気にカタがつきそうだな

 

「すみません 通していただけますか?」

 

おおっ 声を掛けると一斉に振り向いてザザッを道が開いたぜ

これって結構気分いいかも〜〜

中にはいると虚ろな目をして座り込んでいる人影が三つあった

ふうん 教師じゃなくて事務職の女性たちだな

 

「どうしました?」

 

かがみ込んで俺が声を掛けたとたん

 

「ヒイィィィ ごめっ ごめんなさい」

「イヤァ・・・・ッ」

 

ぼろぼろと泣き出し、悲鳴をあげたりと一気に騒がしくなってしまった

 

「大丈夫ですよ おちついて下さい」

 

目の前で印を組んで幻覚を解く

 

「あっ あああぁ」

「すみませんでしたね? 最近悪戯好きなネズミが増えて困っていたもので

退治するために少々術を仕掛けておいたんですよ

まさか一般の方々にかかってしまうとは思ってなかったもので

申し訳ない事をしました」

 

「さあ 立てますか? 医務室までお連れしましょうか?」

 

ドアの外にいる連中にも聞こえるように話しかける

 

「私の失態でした 本当にすみません

 少々業務に差し障りがでていますのでね

あちこちに仕掛けてありますし、

あまり関係ない場所には立ち入らない方が賢明かと思いますよ?」

 

ドアを開けると蜘蛛の子を散らすように人影が消え去った

よ〜し これでちょっかい出すヤツも減るだろうさ

 

 

 

職員室に戻ると同僚がおそるおそる聞いてきた

 

「あのな イルカ お前何やったんだ」

「何って? ネズミ退治だよ

勝手にロッカーに触ったり俺の机や教材関係に触れたりしたら

幻覚を見るように仕掛けたんだ」

 

目に入るものすべてが潜在的に嫌悪感を持っているものに見えるようにな

体を傷つけるようなヤツは使ってないから大丈夫じゃないか?

あ〜 雨ふってきたな〜

 

「まっいいか 今日は受付もねえし俺帰るわ」

「ああ わかった・・・」

 

出ていったイルカを見送って全員一致で思ったことは

癒し系の笑顔に騙されちゃいけない

うみのイルカは絶対に怒らせちゃならないってことだった

 

 

 

 

「梅雨とはいえ こう毎日振られちゃ洗濯物が乾かなくてまいるな〜」

だけどパラパラと傘に降りかかる雨音は結構好きだったりする。

夕飯何にするかな〜 なんてのんびり考えながら歩いていたら

フッと血の匂いがした

 

「イルカ先生 もう帰るんですか?」

「・・・はたけ上忍? ・・どこかお怪我なさってますか?」

「大したことないですよ かすり傷です」

 

なんだこの人は 頭からびっしょり濡れて・・

左腕に怪我してるのか、任務帰りのようだな

 

「手当はなさいましたか?」

「あ〜 まあ ちょっとはね」

「見せてください」

「え〜 いや〜ん イルカ先生のエッチ〜 何が見たいのかな〜」

 

こ・い・つ・は〜 こんな時に何、ふざけているんだ

 

「いい加減にしろ! このバカ上忍! さっさと傷みせろ」

 

ぐいっと左袖をまくり上げると

白い腕 流れる落ちる赤い血・・・

濡れて頬に張り付いた銀髪・・・・

 

えっ なんだ この妙な既視感

以前に同じことがあった あの時はたしか・・・・6年前?

 

 

「あのときの暗部!! あんたかっ?」





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意地っぱりの恋 4