「あちゃ〜〜 雨降ってきたよ
あ〜あ今夜中に里に着きたかったのについてねえな」
波の国での任務を済ませて帰る途中森の中で雨に降られてしまった。
まあ本当は下忍でもいい任務だったんだが
ここ最近街道に徒党を組んだ賊が出没しているとの事で
俺に回ってきたんだけどな
しかたない この先に小屋があったっけ
そこで雨がやむのをまつとするか
火影さまへと預かった書簡は濡らしたくないし
もともと任務日程は4日間だから明日までは余裕あるしな
道を外れて暫くするとなにかの結界に触れた感じがした
「・・・?」
辺りを伺うと雨に混じってかすかに血の匂いがする
だいぶ弱々しいかすかな気配
そうじゃなければ俺には気づくことも出来なかっただろう巧みな結界だ
ここは里にちかいから他の里の者とは思えないんだが
一応確認だけでもしておくか
敵だったら片づけておかないといけないだろう
気配を消してあたりを探ると・・・居た
雨を避けるようにうずくまっているのが見える
白い面?あれは・・・ 暗部じゃないか
傷を負った暗部にちかづくな これは忍びの不文律だ
うっかり近づいたら敵と間違えられて攻撃される確率が高い
だが・・・脇腹の辺りにどす黒い染みが見える
雨に濡れたためか地面に流れでてあたり一面に広がっている
早く手当をしないとやばそうな量だ・・・・
ええい くそ どうせ俺はお人好しだよ・・
わざと気配を顕わにして声を掛ける
「大丈夫ですか? 私は木の葉の中忍です」
「さっさと行きな オレに構うな!」
面を着けているせいか、くぐもってはいるが
まだ意識ははっきりしているようだ
「アナタは木の葉の忍びでしょう? だったら仲間じゃないですか」
「手負いの暗部に手をだすなって知らないのか?」
「しっています だけど私は目の前に怪我人がいるのに見捨ててはおけません」
「いいからっ捨ててけっ さっさと消えろ・・・」
なんだよコイツは・・・ 動くとことも出来ねえくせしてムカつく!
だったらこっちも好きにするまでだ
「わかりました ひとつだけ答えてくれたら私は行きますから」
「何が聞きたいんだ さっさといけよ」
「私が立ち去ったらアナタはご自分で里へ帰れますか?」
「大丈夫だ」
「そうですか? わかりました」
つかつかと近寄っていき 右腕をつかんで肩に担ぎ上げた
「なにっ! おろっせ・・・」
「うるさい! 俺の手を振りほどくことも出来ないくらい弱ってるくせに
アンタは捨てていけと言ったな? だったら俺が拾うまでだ
暴れると傷に障るぞ 大人しく担がれているんだな」
「アンタ後悔するよ・・・」
「黙ってろ、なるべく傷に当たらないように抱えてやるから」
動くこともできないくせして俺に殺気をぶつけてきやがる
これが暗部の殺気か 体がすくみ上がりそうだ
ちくしょう 負けるな俺
歩きだして暫くしたら いきなりズシッと重くなった
どうやら意識を失ったらしい
なんだって意識のない体はこんなに重てぇんだろ
これは早く小屋まで行って手当しなくちゃマズいな
「・・・・ん・・」
「おっ 気がついたか 腹の傷は塞いどいたよ
内臓は傷ついてなくてラッキーだったなだけど動くと開くぞ」
俺は医療忍じゃないから応急処置しかできねぇからさ
「馴れ馴れしいな・・ アンタ」
「俺がお前を拾ったんだ だったら俺の物だろ
俺自分の物は大事にする方だから」
「誰がアンタの物だって?」
「お前が 俺の」
「アンタいくつだ?」
「俺? 今年で19だよ 年がどうかしたか」
「オレより年下じゃないか その馴れ馴れしい話し方ヤメロ」
「やだね お前は自分を捨てようとしていたじゃないか
拾ったら最後まで面倒見なくちゃダメだしな
安心しろ 俺がちゃ〜んと世話してやるよ」
「ふんっ・・・・・」
おや 気に障ったかな だんまりになっちまったな
「アンダーは切って捨てたぞ
その面を外さないで脱がすことが出来なかったからな」
一応顔は見ないように気をつかったんだぜ〜 感謝しろよな
「アンタ 何してるんだ・・」
「分かんない? 今、体拭いてる途中だったんだ
お前って色白いな〜見た目細いくせしてしっかり筋肉ついてるし」
「さあ 終わりっと」
毛布で体を包みこんで 聞いてみる
「どうだ 手ぇ 動かせるか」
「・・・・」
「まだ ムリか」
しょうがねぇ タオルを洗っておき
手ぬぐいで目隠しをしてから 暗部に話しかけた
「おい! その面外すぞ あと顔だけなんだ拭いてねえの」
安心しろお前の顔は見えないよ
どうだ サッパリしただろ?
あとは寝てチャクラ回復させりゃ大丈夫だろ
「灯りは消すぞ? オレも手ぬぐい取りたいからな」
暗くても人影は判別できるし大丈夫だろう
「そうだ 化膿止め飲んでおけ ほら 口あけて」
「いらん・・ オレに薬は効かない」
そりゃ 薬に耐性がありゃあまり効かないだろうが
全然効き目無しってこともないはずだ
「良いから 飲めよ」
「いらんって言ってるだろう しつこいな」
「お前ね・・・ 怪我人は大人しく世話されてろよ」
「ンッ・・・ 何・・・」
「だってお前素直に飲まねぇから」
ちょっと強引だったかな 口移しで飲ませちまった
「早く寝ちまいな 傍に付いていてやるから」
やっぱり疲れ切った体は正直だったようで、暗部はすぐに眠りについたが
暫くするとガタガタふるえはじめた
ヤバイな熱が上がってきたのか?
暗部が傷を負っているということは近くに敵がいるかもしれない
火をおこすことは避けたい・・が
冷え切った体は暖めないと、どんどん体力を消耗していくだろう
とにかく暖めないと
ええいっ くそう これは人命救助だ
服を脱いで毛布の中に入りふるえる暗部を抱きしめると
びっくりするくらい冷え切った体があった
「おい 死ぬなよ せっかく拾ったんだ お前は生きなくちゃ駄目だぞ」
聞こえては居ないだろうが、そう言い聞かせながら
自分の熱を分け与えていった
目が覚めたとき小屋には俺だけが残り
顔どころか名前もしらない暗部は姿を消していた
俺のアンダーと一緒に
続く 4← →6
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意地っぱりの恋 5