何で殺さなかったんだと、突然なげかけられた言葉
「俺は、アンタのチャクラが戻って動けるようになったら
殺されるだろうなって覚悟してたんだ
そうされても仕方ない事しているって自覚はあった」
揺るぎない瞳で真っ直ぐ見つめるて来る人にオレは何て答えたらいいんだろう
初めはチャクラが回復して動けるようになったら
真っ先にこのお節介な人を殺してやるつもりだったんだ なのに
あの時・・抱き込まれた状態で目が覚めたとき正直いって信じられなかった
他人がいるのに熟睡してたってのか? このオレが
この人はオレにチャクラを分け与えたためか目覚めそうもなかった
とっさに回りの気配を探るが不穏な空気は感じない、うん大丈夫だな
チャクラも回復しているようだし体も動く、腹の傷も大丈夫そうだ
抱え込まれた腕の中から抜け出そうとした時に耳に入ってきた音
トクンッ トクンッ トクンッ・・
ああこの音のせいか、規則正しい鼓動の音 体中の緊張が解されていく感覚
いままで他人の熱なんて気持ち悪いだけだったのに
温かさがこんなに心地よいなんて知らなかったんだ
ふと目に飛び込んできた胸元 ちょっとだけ悪戯してやろう・・・
胸の飾りに口をよせてペロリと舐めてみる
起こさないようにそうっと そうっと
ペロペロ舐めて時々吸い上げていると 赤く尖ってきた
「ん・んんっ・・・」
ああ 感じてるんだ そういえばどんな顔してるんだろう
オレこの人の顔も知らなかったんだな
上に伸び上がって初めて顔を見た
髪は黒、後ろでひとつに括ったままだ、きつくないのかな
顔の真ん中を横切っている傷が目立つけど、目はどんな色なんだろう
手を伸ばして髪紐を解くとパサッと音を立てて広がった・・・
ふっくらした唇・・いきなり口移しで薬を飲まされた時のことが甦ってきた
熱くて柔らかで舌を使って薬を押し込んできたんだった
この人にその気はなかったにせよ、まるでディープキスだ
思い出したとたんに下半身に熱が集中するのがわかった
唇を重ね舌でゆっくりと舐め上げながら
胸の飾りに手をはわせると体がピクッと跳ねる
気づかれないように首筋をそうっと吸い上げて幾つも跡をつけていき
忍袴に手を掛けようとしたとき
「・・・ぶ ・・い・ やるか・・ら」
・・・・この人は 今なんて言った?
眠っているのに? それなのに
『大丈夫 そばについていてやるから』
オレはあの時欲情していた・・・
あのまま躰を重ねてひとつになりたかった
だが、そうしたらこの人は手に入らなくなる
永遠にオレのものにはならないだろうって事もわかってしまった。
今はだめだ、この人を抱いちゃいけない
毛布から出てみたら オレは腹に包帯を巻き付けただけの素っ裸だった
隣にある椅子に 洗った忍袴が掛かっている この人が洗ってくれたんだな
ちょっと湿っていたが、着れない事はないし
アンダーは・・・切って捨てたって言っていた・・かな?
毛布の横に落ちているアンダーを拾って着込み、面を被る
この人の匂いがする・・・ ねえこのアンダーオレにちょうだい髪紐も一緒に
必ず会いに行くから、その時はちゃんと名前を伝えるよ
そうしたらオレの名を呼んでほしいんだ
目覚めないままのこの人を残してオレは里へと帰還した。
6年前オレはこの人によって救われた
怪我の事だけではなく、一人の人間としてオレに向き合ってくれた人
だけどそれを伝えることはなんて難しいんだろう
殺さなかったのはすごく単純な理由
「ねえオレのこと好きになってよ、そしてオレの傍にずっといてよ」
ただ それだけの事なんだ。
続く 6← →8
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意地っぱりの恋 7