にいなくちゃダメなんだ

「ねえイルカ先生 いいでしょ一緒に行きましょうよ〜」

「いいえ 結構です お一人でどうぞ」

「ひどいよ イルカ先生オレがこんなに頼んでるのに

イルカ先生の浮気もの! オレを捨てるんだ! もうオレに飽きたんだ!」

「いきなり何ですか 人聞きの悪い」

 

室内が、ざわめいたと思ったら次の瞬間一気に静まりかえってしまった

何を言いだすのか固唾をのんで見守っているっていうか聞き耳立てるよ。

 

人目もはばからずに騒ぎ立てる銀色・・・

あのな〜ここは受付 俺は仕事中なのに

回りの視線がいたいじゃないか

なんだ? 浮気ものって、妙な誤解されちゃ困るぞ俺は

 

「ちょっとは落ち着きなさい 貴方仮にも里の誇る上忍でしょうが」

「だって だって さっきもゲジマユと約束してたし

昨日はアンコと、その前はゲンマと一緒だったでしょ

オレは誘ってもずっと断られてるっていうのに〜〜

どうしてオレじゃダメなんですか〜 言ってくださいイルカ先生」

 

「・・・・カカシさん もうお忘れですか?

俺 一番最初に貴方を誘ったはずだったんですけどね」

 

「ア・・ アゥ あれは・・その 」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お願いしますよ うみのさん」

「う〜ん どうしようかな〜

 朝もゆっくり読んでるヒマないし 夜は全然必要ないからな

やっぱ いいわ アカデミーいきゃ読めるから」

「そんな事いわずに、一年間取ってくれるなら 三ヶ月はタダっ

 それに洗剤も1ダースつけますから」

「いや 一人暮らしだし そんなに洗剤もらっても使えねえよ」

「うみのさん 映画お好きですか?」

「んっ ああ まあ好きかな」

「映画のチケットつけますよ どうですか?

恋人誘っていかれては」

 

 

恋人? 瞬間頭に浮かんだのは銀色の影・・・

そういや最近映画って観てねえな

今まで二人で出かけたことって無かったけど

あのひとは映画なんて好きかな?

 

 

「・・・一年間だけでいいか?」

「ありがとうございます じゃ早速これにサインとハンコお願いします」

「ちょっとまっててくれ とってくるから」

 

来年の6月迄ということで新聞の年間契約をすませると

販売員は何度も礼をいって帰っていった

洗剤1ダースと映画のペアチケットを7枚置いて

 

なんでこんなに枚数置いていくんだ?とびっくりしたが

しっかり裏があったんだ

有効期間があと2週間 しかもレイトショー指定・・・?

 

忍びは裏の裏を読め・・・読み損ねたな俺

レイトショーじゃ子供達に譲るわけにもいかない

受付勤務のシフトを確認して空いている日に行くしかないが

あの人いくかな 一応誘ってみるかな

 

 

それから2日後・・・

 

「カカシさん 今晩お時間ありますか?

映画のチケットがあるんですけど 宜しかったら一緒に行きません?」

「映画ですか? オレも最近観てなかったからいいですよ」

「よかった それなら 映画館の前で待ち合わせしましょう」

「何時上映なんですか 9時? だったら8時半くらいでいいかな

じゃあ 今日の任務サクサクッと終わらせて来ますね」

「遅刻は無しですよ カカシさん 遅れたら俺先に入りますからね」

「ダ〜イジョ〜ブ! イルカ先生との初デート絶対遅れたりしな〜いよ」

 

初デート? ええっ そうか これってデートなのか?

うわうわ いきなりドキドキしてきたぞ俺・・・

 

 

なんと遅刻どころか 俺が行ったときにはもうカカシさんが立っていた

 

「すみません お待たせしましたか?」

「い〜え オレも来たばっかりですよ」

 

飲物とホットドック買ってシートに座るとアナウンスが流れる


「お客様の携帯・PHSの電源は切っておいて下さい」


まあ電源は切らずにバイブにしておけば大丈夫だろう

カカシさんも切替えたみたいだし

予告編が始まって暫くしたら、いきなりカカシさんが

 

「すみません イルカ先生 ちょっとロビーまで すぐ戻りますから」

 

携帯に何か連絡が入ったようだった

 

「わかりました 本編始まるまでには戻ってくださいね」

「わかってますって」

 

でも、それから映画が終わるまでカカシさんは戻ってこなかったんだ

急な任務でも入ったのかと俺は映画もうわの空で隣の席を気にしていたのに

探しに出てもすれ違ったらと思ったら席を立つこともできなかった。

なのに 映画が終わってロビーにでたら・・

 

「あっ イルカ先生 こっちこっち〜〜」

「カカシさん? 帰ったのかと思ってましたよ」

「え〜なんで?」

「席に戻ってこなかったから・・・・」

「あ〜 人前とおるの面倒だったんで入口近くの空いてる席で観てました」

 

はぁ 何言ってるんだこの人は・・・

一緒に来た俺がいるのに一人で観てたのか・・・

 

だんだん腹が立ってきた

 

「ねえねえ イルカ先生 お腹すきませんか?

帰りに何か食べていきましょうよ」

「カカシさん お一人で行ってくださいね 俺ここで失礼しますから」

「あれっ イルカ先生 何 怒ってるの」

 

そんな事も判らないのかこの男は・・・

一緒に観ようって 浮かれていたのは俺だけだったんだ・・・

ははっ 一気に疲れた気がするよ

 

次からは一緒に楽しんでくれる人を誘うことにして

翌日3枚のチケットは同僚に分けてやった

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご・ごめんさない イルカ先生」

「何あやまってるんですか? 俺が怒った理由も知らないくせに」

「ちがいます オレイルカ先生が隣にいてくれないと寂しくて

それで あのときイルカ先生にも同じ思いさせたんだって・・・」

 

「だからっ あの今度はオレが誘いますから 

お願い一緒に映画に行ってくださいイルカ先生!」 

 

それとも 本当にオレの事キライになった?

 

ああ もう どうしてこんな時だけストレートなんだこの人は 

 

「明日はダメですよ ガイ先生と約束しましたから

明々後日だったらいいです でも観るのは俺が選びますよ?」

「はいっ いいです イルカ先生が一緒に行ってくれるならなんでも」

 

俺も甘いかな〜 だけどこれくらいで許されるとは思うなよ

 

 

 

 

三日後 映画館で

 

「あの〜 イルカ先生 この映画って」 

「いいでしょう? 愛の為に戦う男の話らしいですよね」

「はい 知ってますけど・・・これってこの前・・」

「俺 前に来たとき 誰かさんのおかげで全然観た気がしなかったんですよ

今日はしっかり最後まで隣で観てくれますよね? カカシさん」

「あ〜 はい お付きあいさせていただきます」

「長編だから 時間かかるし終わったら食事にいきましょうか」

「はい 何でもお好きなものを奢らせていただきますから」

 

選んだ映画は カカシさんと最初に観に来た作品だった

最初からしきりなおし・・・ 今日は楽しんで観ることが出来るといいな

 

 

一緒じゃなければ 隣にいなくちゃ 楽しく無いんだから













終わり

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