食わず嫌い
「イルカ先生〜 ねえねえ オレの分は〜〜」
「あのっ 食べたかったんですか? カカシさん」
「もしかして・・ 無いんですか?」
「え〜と はい すみません」
困ったな〜 好きじゃないっていっていたから
家には残さなかったんだよな
「じゃあ 行って来ますから〜」
「はい お気をつけて無事のお帰りをお待ちしています」
「ああ もうそんな顔しないでよ 行きたくなくなっちゃうからねぇ
予定は1週間だけど、チャッチャッと終わらせて帰ってくるから」
言うなり唇を重ねてきやがった
いや別に寂しいって訳じゃないんだけど
アレ・・・俺一人でどうしろってんだ?
「ごめんね イルカ先生 アナタ一人に押しつける訳じゃないけど
オレもどっちかっていうとあまりスキじゃないんで」
「だから 処分しちゃってもいいから
帰ってくるまで浮気しちゃだめだからね〜〜」
何って事大声で言い放つんだよ このバカ男!!
さっさと行きやがれ
はあ・・・やっと行ったな・・・
でも集合時間には完全に遅刻だな ありゃあ
さあ これから一仕事だ
台所に山と積まれた物体・・・
しょーがない 一応捌いておこう
一切れ切り取って味見・・・ あまり甘くないな〜〜
次はっと これはイケル 甘くて美味いや これば別にとっとこう
より分けながら次々と片づけていってやっと終わり
さあコレをどうしようかな
「あらっ カカシあんた任務じゃなかったの?」
「もう終わったよ じゃあな〜〜」
「ふ〜ん ちょっと寄っていきなさいよ 良い物があるわよ」
「おい紅 何もカカシなんぞに分けてやらなくてもいいんじゃねえか?」
「・・・・?」
何だ このヒゲ男 オレに何か隠し事か?
「おまたせしました コーヒー入りましたよ あれぇ はたけ上忍もいらしたんですか?」
じゃあ 追加しましょうね
ゲンマがコーヒー入れてなにやらテーブルの上に並べている
「おいおい まさかコーヒータイムってやつか?
オレ遠慮するわ 早くイルカ先生の所にいきたし〜〜」
「いいの〜? これってイルカちゃんの手作りなんだけどねぇ
残念ねぇもう少しで無くなっちゃうけど
まあ アンタは家に行けばイルカ先生が食べさせてくれるんでしょうしね」
「何が手作りだって? どーしてお前等が食べてるんだ」
「どーしてって イルカがくれたんだがな」
「そうですよ 皆さんでどうぞって」
「もうね 美味しいんですよクラッカーに合うんです。まあ ひとつどうぞ」って
一枚受け取って口に入れてびっくり
コレって もしかしてアレか?
どうしたんだ すっごくサラサラで美味しいじゃないか
「もっとあるのか?」
「どう 美味しいでしょう? 残念だけど今日でお終いになりそうなのよね」
「オレ帰るから」
「おやおや 行っちゃいましたね」
「まっ イルカちゃんに会ってがっかりさせられるんだろうけどねぇ」
「オレはイルカに強請り倒すと思うぞ?」
「まあ 明日が楽しみね〜」
だってイルカはこう言ったのだ
「甘み押さえてありますから大丈夫だとは思うんですが
宜しければ皆さんでどうぞ 残りは子供達にも分けようと思ってるんですけど
えっ カカシさんですか これお嫌いみたいなんですよ」
つまり家には残っていないって事・・・・・
コーヒー飲みつつ菓子を摘みながら二人をネタに盛り上がる上忍控え室だった。
「イルカせんせ〜〜い」
振り向いてにっこり笑ってくれる人
「カカシさん もう帰られたんですか? お怪我は?」
「大丈夫ですよ〜 もうねぇイルカ先生に早く会いたくって4日で終わらせちゃいましたよ!」
「そうですか お帰りなさい 任務お疲れさまです。
俺も今日はもう上がりなんですよ 一緒に帰りませんか?
夕食俺がつくりますから」
イルカ先生の言葉に甘えて 二人で買い物して帰った
「最近 生サンマがいいですよね 油も乗っていて美味しいですし
あ カカシさん 大根下ろしお願いしますね」
サンマをひっくり返して焼きながら みそ汁つくって
和え物つくってイルカ先生ってほんと手際がいいよな
俺ってせいぜい お茶碗だすくらしか役に立ってない気がするけど
「あ〜 美味しかったです ご馳走様でした」
「ビールでも飲みますか? 冷えたのがありますよ?」
「イルカ先生 オレはねビールよりアレがほしいです」
「はっ アレ?」
アレって何だ? も・・もしかして・・ アレって アレか?
そりゃ その四日ぶりだし 俺だって
「イルカ先生〜 真っ赤になって何考えているのかな〜」
ええっ えっ ちょっと 俺の勘違いだったのか
ヤバイっ 俺って恥ずかしい奴だったんだ・・・・
「紅達に あげたでしょう 帰って来たときにちょっと摘んだんです」
あっ アレの事か〜〜
そこで冒頭の会話になったわけだ
「イルカ先生〜 ねえねえ オレの分は〜〜」
「あのっ 食べたかったんですか? カカシさん」
「もしかして・・・ 無いんですか?」
「え〜と はい すみません」
目に見えて不機嫌になっていく銀色・・・
マズったかな? ちょっと機嫌とっといた方がいいかも
「ちょっと待っていてくれますか?」
冷蔵庫から冷凍してあった分を取り出して切り分けながら
一応は言い訳してみる
「だってカカシさん 好きじゃないっていったじゃないですか」
だけど捨てるなんてもったいなくて出来ないし
どうせだったら加工しちゃえばいいだろうと思ったんですよ
硝子皿に盛られた黄色い塊
「これどうぞ 一口大に切ってありますから」
「何ですか? これ」
「アイスパインですよ これはね凄く甘かったんで冷凍しておいたんです」
「うっ 冷たっ でもおいし〜〜」
すぐ軟らかくなるんでシャーベット状態で美味しいですよ?
甘みや酸味が少なかった分だけジャムにしたんですけどね
カカシさん パイン好きじゃないって言ってらしたから
皆さんにお裾分けっていうか あげちゃったんですよ
そう言われて思い出した
言った 確かに言ったよオレってば
「あまりスキじゃないんで」とか
「処分しちゃっていいから」とか
言わなきゃよかったって、今更いっても後の祭りだよなぁ
「ごめんね イルカ先生 オレこんなに美味しいパイン食べたの初めてです」
だから次からは他に奴にあげないでオレの分とっといてください
オレ食わず嫌いだったみたい
「次はちゃんとカカシさんの分もつくりますからね」
ちょっと機嫌直ったようだな〜 よかった〜
「ねえ イルカせんせい パインも美味しかったけど
オレね〜 一番の好物がまだなの 食べたいんだけどいいかな?」
「いいですけど 今から準備できるものですか?」
「やだな〜 さっきイルカ先生が考えたモノですよ ねっ いいでしょ?」
「えっ あっ・・・」(真っ赤)
「もう四日も食べて無いからオレ飢えてるの 早くお腹いっぱい食べさせて?」
「あっ 俺もその早くアナタを・・たいです・・・」
くぅ〜〜〜〜 カワイイ!! もうこれだけでイケちゃうね オレは
「イタダキマ〜ス イルカ先生♪」
「イッルカ先生! これでオレの分作ってくださいね〜」
台所には山と盛られたパイナップル・・・・
作るとはいったけど 何個あるんだろ このパイナップル
翌日里の果物屋からパインを買い占めたカカシがいて
カカシはイルカのパイナップルジャムを食べることができたのだった。