愛の言葉を囁いてB

その時カカシはアスマと紅のことをキッパリ・スッパリきれいに忘れて

頭の中ではイルカの痴態を思い出していたのだ。




「お〜い カカシ〜 聞こえるか〜?」



「あ〜もう ほっといていいわよ 妄想かましてる男なんて!!」

「俺たちはもう帰るからな お前まだ残るなら勝手にしろよ」

「あ ここの支払い アンタ持ちだからね ご馳走様〜」

 

「あ? ちょっとまてお前ら 何でオレ持ちなんだよ!」

 

「お前の惚気に付き合ってやっただろうが」

「あのね カカシ結局アンタ、イルカちゃんから好きって言葉が欲しいんでしょ」

「そりゃ」

「だったら好きって言って下さいって強請ればいいじゃないの」

「抱いてるときには言ってくれるよっ でも素面の時に聞きたいんだよ」

「ふんっ散々やりまくってるクセして 何純情ぶってるんだか・・・」

「紅〜 そりゃ言いすぎだ」

 

「そうはいってもさ 好きですっていってもあの人笑うだけで」

 

これでもオレ不安で堪らないんだよ本当に俺の事好きじゃなかったら? 

だってオレが上忍だからって付き合ってるかもしれないだろう?

 

「お前・・・ それイルカに言ったらぶん殴られるぞ」

「いーんじゃない? 一回殴られたら目も覚めるわよ」

「薄情者〜 オレに振られてこいって事?」

 

 

「あ〜もう! 違うわよ アドバイスよ」

 

ちゃんと伝えたらいいのよ

アンタが不安な事とか ちゃんとイルカちゃんの言葉を聞きたい事とか

イルカちゃん結構鈍いから、はっきり言わなきゃ伝わらないわよ

 

じゃあね〜 頑張ってね〜

 

「あっ おいおい 紅〜 アスマ〜」

 

 

 

「あ〜 飲んだ飲んだ 奢りだと思うと一層美味しく感じるわね〜」

「美味しいって 飲みすぎだよ あのな紅・・」

「ん〜 なあに」

「あのな 俺はお前に惚れてるぞ」

「知ってたわよ〜 そんな事〜」

「!? じゃあ さっき言ったことは何だ?」

「だってアンタ何も言ってくれないんだもん 私から言うのは癪じゃないの」

「そんなもんか?」

「そんなもんよ」

 

クスクスっ・・ 紅は笑いながらアスマの首に手を回して抱きつき耳元で囁いた

 

「アタシも好きよ ずっと前から・・・」

 

「んっ んん あっ ん」

「ふっ・・ 俺たちのファーストキスは酒の味だな」

「バカね 野暮な事言うんじゃないわよ」

「俺んちに来るか?」

「いいわね カカシに負けないくらい好きって言ってくれる?」

「あ〜俺は口下手なんだがな まあそれでよけりゃ」

 

カカシを焚きつけたつもりが自分たちに火がついてしまった二人だった

夜はこれから恋人としての時間はまだまだたっぷりあった。

 

 

「カカシの奴大丈夫かな?」

「大丈夫だって だってイルカちゃんカカシの事好きだわよ」

「なんでそういい切れるんだ?」

「あのね〜 あのイルカちゃんよ 判らない?」

 

しばらくイルカの顔を思い浮かべてみると確かにと納得するものがある

よく言えば純朴 悪くいえば野暮ったい、どこから見たってガッチリした男で

可愛いって形容詞とはちょっとちがうと思う

だが性格はおおらかで、穏やかで明るいあの笑顔がいいともっぱらの評判だ

カカシに関わらなければ可愛い嫁さんもらって穏やかな家庭をもちそうだった。

 

 

 

「そういうことか 成る程な」

「でしょ 気づいてないカカシがお馬鹿さんなのよ」




「イルカちゃんってノーマルよね そしてくの一達にも結構人気あるのよ

そのイルカちゃんがカカシと付き合っている事だけで判りそうなものなのに

しかもカカシの惚気きいてたら受けだっていうじゃないの

それなのに好きって言ってもらえないなんて泣き言あきれちゃうわ」



二人は体だけ成長して心は幼いままの男の事をずっと気にかけて来た。

これまでに大切なモノを失いすぎて臆病になってしまった男がやっと見つけた

大切な人 男を里にいや生に縛り付けてくれる鎖となってくれる事を願う。



「イルカならアイツを受け止めきれるんだろうな」

「ええ イルカちゃんならカカシの闇も恐れないでしょうからね」





腕を組み寄り添って歩く二人を包み込むように


柔らかな月明かりが辺りを照らし出していた。







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