ご褒美@
「イルカ先生〜〜〜」
「後少しですから待ってて下さい」
「え〜〜 もうたっくさん待ちましたよお」
「もう少しなんですから」
イルカ先生冷たい〜〜 クスンッ スンスン・・
部屋の隅の向かって泣き出したカカシだったが
イルカは全然気にしてなかった
酷いよっ 最近のイルカ先生ったらつれないんだ
以前ならここでオレの頭なでてさぁ
「カカシ先生 もうちょっとで終わりますからね」
ってニッコリ笑ってくれたのに
そして一緒にご飯食べてお喋りしてくれたのに
それから1時間・・・
「よし! これで終わりだな」
その言葉を耳にしたカカシがクルリと振り返った
「終わり? ほんとに終わったの? イルカ先生」
「ええ 終わりましたよ」
「じゃ じゃあオレに構ってよ」
「はっ?・・・・・」
「だってここ数日イルカ先生 ず〜〜っと待ってて下さい後でねって言うから」
ちゃんと待ってたんだよ だからご褒美ちょうだい
「ご褒美ですか?」
えっとお・・ ちょっとどうしよう
きちんとお座りして尻尾をブンブン振っているワンコの姿が重なってみえる
開けている右目がキラキラして構ってくれるのを待ちかまえているようだ
「お手」
あわわっ 俺何やってるんだよ〜〜 相手は恐れ多くも里の誇る上忍様だぞっ
無意識に右手を差し出していた俺は内心あせったが
今更手を引っ込めることもできなくてオタオタしていた
だがカカシ先生はとことこと近づいてきて パシッと右手をのせて一声
「ワン!」
「犬ですか? アナタは」
「うんイルカせんせがオレの飼い主なの だからちゃんとお世話して」
「お世話っていわれても」
いったい全体、何月何日何時何分に俺はこの人の飼い主になったんだ?
しがない中忍に上忍を飼う甲斐性があるわけないって
それ以前に相手は人間だろ? 犬やネコじゃないんだから
そう考えながら思い出すとこの上忍が家に入り浸るようになったのがわずか一ヶ月前の事
「子供達のことで相談したいことがあるんですよ」
「美味い酒が飲める店見つけたんですけど」
「一人じゃ淋しいんですよね〜 一緒に飯くいませんか?」
なんだかんだとアカデミーや受付で誘われて
初めこそ外で食事したり飲みながら話していたんだけど
カカシ先生がいつも払いを持つのでさすがに俺も心苦しくなってきてしまった
「上忍に恥じかかせないでよ」
そう言われては
「ありがとうございます ご馳走様になります。」
そう言うしかないじゃないか
だからっ仕方ないから つい言ってしまったんだ
「よければ今度は俺の部屋にいらっしゃいませんか?」
だってしかたないだろう? 外だと奢られっぱなしなんだから
俺の部屋でなら散財させることもないじゃないか
そしたらカカシ先生は吃驚した顔して(実際びっくりするだろう)次の瞬間
「えっイルカ先生の家にお邪魔してもいいんですか?」
「はあ まあ男料理で恐縮ですが俺が何か作りますし、酒は買って帰ればいいかと・・」
「行きます! 絶対行きます! いつ? 今日でもいいですか?」
「あっあの今日は何も準備してないんですよ それにまだ仕事が」
「じゃあオレが総菜でも買って先に行ってますから イルカ先生は後から来てね」
いうなり姿をけした上忍に戸惑いだけが大きくなっていく
後から来てねって言われても
俺の家の場所をしってるのか?とか部屋には鍵が掛けてあるんだけどとか
だけどそれは杞憂だったらしい仕事を終えて家に帰った俺は
「お帰りなさい! イルカ先生 お仕事お疲れ様っ」
カカシ先生の言葉に迎えられたのだった
忍びに鍵なんてあってなきがごとしって事だよな
ちなみにその日の夕食も酒も支払はカカシ先生の財布からでていたし
しかも袋をみたら評判の店のテイクアウト、俺ならためらっちゃうお値段だ
張り合うことはできないまでも俺が準備しようと思っていたのに
「え〜 初めてのお呼ばれだからお土産持参はあたりまえでしょ?
そんなに気にするなら次もイルカ先生の家に来てもいいですか」
その時にイルカ先生の手料理御馳走してヨ
「あ〜 むっむさ苦しい部屋ですけど カカシ先生がよろしければ」
なんて言っちゃた訳よ そしたらもう毎日のようにやってくる
来ない日は任務にでているようだった
「イルカ先生〜 こんばんは〜〜」
なんて間延びした声をかけながら入ってくる
何が楽しいのかしらないが、家にきて飯喰ってちょっと酒飲んでそして帰る
スキンシップが好きなようで背中に張り付いたりされるのにはまいったが
ナルトみたいにドンッと飛びつかれるよりはいいし
ニコニコ笑ってイルカ先生イルカ先生って懐くもんだから
無下にも出来ずになんとなく合い鍵まで渡してしまった
だって俺が遅くなるときはドアの前でまってるんだ
初めて来たときには勝手に鍵あけて入っていたのに何でだろうとは思ったが
「鍵あけて入って下さってかまいませんから」
と何度いっても外でまってるんだもんなあ
だけどなあ 懐かれて待っていてくれるのは内心嬉しかったりした。
つらつら思い出しながらお世話って何したらいいんだろうって考え込んでいると
カカシさんはさっさと俺の膝に頭をのせて腕を腰に回してきた
えっと〜 これって所謂「膝枕」ってやつですか?
「なでて」
「はい?」
「頭なでてちょうだい」
言われたととおりに髪に指をいれてゆっくりなでていくと
カカシ先生は目に見えて体の力を抜いていった
だが俺の腰を抱え込んだ腕はそのままだ
ふうん カカシ先生の髪って結構柔らかいや
あっちこっち跳ねまくってるからもっと固いのかと思っていたけど
こうしていると犬っていうよりネコのイメージだよなあ
おっきい図体してるけどなんだか可愛くみえてきちゃうし
「これでいいんですか?」
「うん 気持ちいー それに久し振りのイルカ先生の匂いだ〜」
「ちょっと・・ 何処に顔押し付けてるんですっ!!」
「ん〜〜 ここ」
膝に顔を押し付けてグリグリするもんだから
頭が・・ その拙い場所を擦って・・ ヤバいんですって
「うっわっ やめてくださいよっ」
「カカシ」
「?」
「カカシって呼んでください」
「カカシ先生?」
「先生はいりません カカシって呼んで」
「そのお 呼び捨てはちょっと」
「でも呼んで」
「じゃあ カカシさんではダメですか?」
「カカシさんね ん〜まあ良いよ」