暖かい場所 

イルカの教師魂に火がついた瞬間だった。

寒い日にはコタツに入って過ごすんだって教えなくちゃ。

 

「カカシさん!家にくるなら、一緒に飯くいませんか?」

「えっいいんですか? 夕飯のお誘いなんて初めてですね嬉しいです」

「大げさですね。今までだって何度か一緒に飯食ったじゃないですか」

「だっていつも子供達が一緒だったし・・・」

「ああ、そういやそうでしたね。あっすいませんカカシさんちょっと買い物しますんで」

「どうぞオレここで待ってますから」

 

「おばちゃんそのかき揚げ二枚ちょうだい」

「毎度ありっ、イルカちゃん。おや外で待ってる人も一緒なのかい?」

「ああ今日はちょっと冷えそうだから天麩羅饂飩でもいいかなあ思って。」

「だったら野菜タップリいれて煮込み饂飩とかが良いと思うよ。量も増えるし食べ応えあるしさ。」

「ん〜そうだなあ、帰ったら冷蔵庫の中みて考えるよ」

「いいかい? 麺ばっかりじゃダメだよ野菜もちゃんと取るんだよ」

「判ってるよ〜おばちゃん俺の顔見るたびにそればっかりじゃん」

「アタシに言わせりゃあんたはまだまだ子供だよっ」

「もうやめてよね! 俺も二十四才のいい大人だっての!!」

 

おばちゃんの大声に送られて店を出るとカカシさんが笑っていた。

 

「豪快なおばちゃんですね〜」

「あははっ、お恥ずかしいところを見られちゃいましたね。

アカデミーに通っているガキの頃から俺の事知ってるんで頭が上がんないんですよ」

「でもいいですよね。ああやって気にかけてくれる人がいるってのは。」

「言えてます。たまにあの声聞こえないと何だか寂しいですからね」

 

カカシさんが俺の子供の頃の事を聞きたがったので、歩きながらアカデミーの頃の

(バカやってたことしかネタがなかったんだが)話なんぞして家について鍵を開けた。

 

「さ、どうぞカカシさん」

「お邪魔します。」

「俺先に飯の準備しますんでカカシさんコタツに入っていてください。」

「コタツ?」

「カカシさんが言ったでしょ、お布団被せたちゃぶ台って。

あれはねちゃぶ台じゃなくてコタツって言うんですよ。冬の間はこれを使うんです。」

「はあコタツですか、便利なものがあるんですね〜。」

「そうですよ、さあ座って待っていて下さいね」

「はい。ありがとうございます。」

 

麺を茹でるために湯を沸かしながら冷蔵庫の野菜室をあけてみると、

人参半分とちょっぴりしなびたキャベツとシメジが入っていた。

ネギも少し摘んでおき別の鍋に水と出し汁を入れて、ざく切りにした野菜を入れておく。

饂飩用のお湯も沸き饂飩をいれて茹で10分程すると野菜の入った鍋に饂飩を移した。

しばらく煮込むと、うまそうな匂いが立ち上ってくる。

丼に入れて、買ってきたかき揚げを乗せたら立派な?煮込み天麩羅饂飩の出来上がり。

しまった、せめて海老天買っておけばよかったんだ。でも給料前だったし。

上忍にこんなの食わせていいのかな、でも俺簡単な物しか作れねえんだもんよ。

 

 

「お待ちどおさま〜。カカシさんお腹すいてるでしょう? 饂飩ですがどうぞ。」

 

丼をトンットンッとコタツの上に運ぶとカカシさんは泣き笑いのような顔をした。

 

「あはっありがとうございます。イルカ先生」

「さあ、伸びないうちに早く食べちゃいましょうか」

「「いただきます。」」

 

カカシとイルカは一緒に箸をもち饂飩を食べ始めた。






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