一緒に暮らそう D
帰ってきた時すでに『かかし』の姿は無かった。
いつも通りに「ただいま〜」といってドアをあけたのに迎えてくれる姿がなく
隠れんぼでもしているのかと狭いアパート内を台所から風呂場・トイレ・ベランダまで探して
そして一度も『かかし』がつけた事のなかった首輪がなくなっていることに気づいた時
「主の元に帰っちゃったのかよ? 黙っていなくなるなんて酷いよ かかし……」
それからしばらくは落ち込みまくり、飯だって一人じゃあ喰う気もなくなるってもんだし
早く帰ったって一人だもんなあ もう十年以上もそういう暮らしをしていたはずなのに
たった一週間でこんなに寂しく感じるなんて俺って『かかし』に依存してたんだなぁ はあぁ
「はあ〜 やっと帰ってきたねぇ 全く火影様も人使いが荒いったらないねぇ
さっさと報告書だしてイルカの所にいこう、そんでもって甘やかしてもらうんだ」
でも怒って部屋に入れてくれないって可能性もあるな〜 黙って出てきちゃったから
火影の元に行こうとして受付所の前を通り過ぎようとしたときイルカの名前が耳に入ってきた
「イルカ 元気だせよ 今日はお前の誕生日だろう 仕事終わったら飲みにいこうぜ」
「誕生祝いに俺たちが奢ってやるから元気だせよ〜 」
「ありがとうな 俺っていい同僚もったってことか?」
「そうそう 俺の時にはお前が奢れよ?」
「なあイルカ俺の家、こんど仔犬が生まれるけど 一匹わけてやろうか?」
「いや いいよもしかしたら『かかし』が戻ってくるかもしれないから」
「だったらさ いい娘紹介してやろうか? 俺の女房の友達で可愛い子がいるんだ」
ちょっとちょっと アンタ達何お節介な事いいだすの?
冗談じゃないよ あんな寂しがりやさんに、女なんて紹介したら
人恋しさのあまりすぐ絆されちゃうかもしれないじゃない
そしたらオレの帰る場所がなくなっちゃうでしょうが・・・これは何とかしないとね〜
『俺の夢はね・・・・』
いいこと思い出した
「ふ〜ん 今日はイルカ先生の誕生日なんだって?」
丁度いいや 子供は無理だけど家も犬も叶えてあげられるじゃないの
そうしてオレはイルカを手に入れる事ができるし、そうと決まればあとは実行あるのみ
「では以上で報告は終わりますが退出して宜しいでしょうか? 火影様」
「ああご苦労だったな 今日はゆっくり休むといい」
「ありがとうございます火影様 実は三日ほどお休みを頂きたいのですが」
「何を企んでいる? カカシ」
「企むなどと人聞きの悪い事を 先日世話になった中忍に御礼をしたいと思いまして」
「……いいだろう あまり騒ぎは起こさぬようにな」
「御意 では御前失礼仕ります。」
「どうかなさいましたか綱手様?」
「ああシズネかい いやカカシにああも下手にでられると気味が悪いんだよ」
「あら? 綱手様この観葉植物についていたリボンはどうなさいました?」
「カカシが持って行ったよ いったい何に使うつもりかねぇ」
さてとイルカが受付にいる間に話しをまとめてしまおうかねぇと
素早く印を組んだカカシは白煙に包まれた。その後、もう一度白煙があがり準備は完了
「さあ 行くぞ!」
受付に向かって歩きだした。