脂質は、血栓ができやすい血液にする
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高脂血症になると、血管内で血小板凝集が亢進したり、血液凝固能が亢進します。
高脂血症は、赤血球変形能を低下させます。
1.脂質が血小板機能に及ぼす影響
a.高脂血症の患者さんは、血小板の凝集能が亢進しています。
これは、血小板の小凝集塊を検出できる、散乱光を用いて測定した結果です。
b.不飽和脂肪酸の中でも、n-6系のアラキドン酸には、血小板を強く凝集させる作用があります。
c.血小板は、不飽和脂肪酸のアラキドン酸から合成されるトロンボキサンA2(TXA2)により凝集し、血栓が作られます。
他方、魚に含まれるn-3系の不飽和脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)を摂取すると、アラキドン酸からのTXA2合成が低下します。
実際、血小板凝集能(吸光度で検査)は、魚食で低下します。
アラキドン酸を過剰に摂取すると、血小板内にアラキドン酸が蓄積し、TXA2の合成が亢進して、血小板が強く凝集しやすくなるおそれも考えられます。
d.糖分を取り過ぎたり、アルコールを飲みすぎると、レムナントが血液中に増加します。
レムナントは、赤血球の細胞膜を弱くし、ADPを放出させ、血小板を凝集すると言われます。
2.脂質が血液凝固に及ぼす影響
a.高トリグリセりド(triglyceride:TG、中性脂肪、トリグリセライドとも呼ばれる)血症では、血液凝固因子の第X因子活性が亢進しています。
3.脂質が繊維素溶解(線溶)に及ぼす影響
a.線溶系で、プラスミノゲンは、組織プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)によって活性化され、プラスミンになります。プラスミンは、血栓のフィブリン網を溶解します。
高トリグリセリド血症になると、t-PAを阻害するプラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1(PAI-1)が高値を示すことが多く、線溶系が抑制されて、フィブリン網が溶解されにくくなります。
b.リポ蛋白(a)(LP(a))は、LDLにアポ蛋白のアポ(a)が結合している。
LP(a)に含まれるアポ(a)は、線溶系でフィブリン網を溶解するプラスミノゲンと構造的相同性があります。
動脈硬化性疾患を有する人たちは、血液中のLP(a)が高値です。
LP(a)が、プラスミノゲンと競合的に働き、プラスミンの生成を抑制して、血栓形成を促進しているためと、考えられます。
4.脂質が赤血球変形能に及ぼす影響
a.動物性蛋白質を取り過ぎたりして、血漿中のLDLが増加すると、赤血球の膜が厚くなり、赤血球変形能が低下します。
b.黒酢は、赤血球の変形能を改善し(ペプチドが効果がある)、赤血球の体積を大きくし、酸素や二酸化炭素の運搬機能を高めると言われます。
c.食物繊維のペクチン(リンゴなどに含まれます)は、赤血球の変形能を高めると言われます。
5.その他
・血栓症の危険因子であるhuman paraoxonase(PON)は、過酸化脂質の代謝に関係する酵素です。
・糖尿病では、血小板内で、血小板凝集作用のあるTXA2の産生が増加しています。
以上のことより、血液中の脂質が多いと、血小板凝集が亢進したり、フィブリン網の溶解が抑制されて、血栓が作られやすい血液になるものと、思われます。
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