冷え症
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体内での熱の産生が低下したり、皮膚の血行が不良だったりすると、「冷え」を自覚する。これが、冷え症(冷え性)であり、健康な人が、「冷え」を自覚しない温度(室温など)で、「冷え」を自覚するのが、特徴。
冷え症(冷え性)の状態では、血行(微小循環)が悪いので、いろいろな病気(万病)の原因となると言われている。
1.冷え症と食餌
漢方によれば、体を暖める食品(陽性食品)と、体を冷やす食品(陰性食品)とがある。
陽性食品には、肝臓や腎臓などで、熱の産生を増加させる作用がある成分が含まれ、陰性食品には、肝臓や腎臓などで、熱の産生を抑制させる作用がある成分が含まれていると、考えられる。
1).陽性食品:体を暖める食品
根菜類(ニンジン、ゴボウなど)、イモ類、煮たり炒めた葉物の野菜、カボチャ、ネギ、ニラ、フキ、ニンニク、ショウガ(生姜)、青シソ、ナツメ、アンズ、クルミ、シナモン、唐辛子、
ゴマ(注1)、納豆、味噌、肉類(特異力学作用)、海草、キノコの軸、リンゴ(注2)、栗、チーズ、ヨーグルト、
小魚(注3)、漬物、黒砂糖(注4)、自然塩、日本酒、など
2).陰性食品:体を冷やす食品
葉物の野菜(ただし、生野菜は体を冷やすが、食べ続けると抵抗力が出来て、却って冷えなくなる:注1):レタス、トマト、セロリ、セリ、
大根(生)、豆腐、果物(ミカン、カキ、バナナ、マンゴー、パパイヤ、スイカ、メロンなど)、キノコの笠、カレー、マヨネーズ、タラコ、イクラ等、
白米、白砂糖(注4)、ハチミツ(注4)、牛乳、バター、ビール、ぶどう酒、緑茶、烏龍茶、コーヒー、酢(注5)の物、など
3).中庸食品
玄米、大豆、ソバ(微寒:注6)、紅茶、など
なお、白砂糖の性質は「甘」で、大量に摂取すれば「脾」(胃腸機能)を傷めると言う。
砂糖は、摂り過ぎると、血液中に中性脂肪が増加して、血小板が凝集し易くなったり、赤血球の変形能が悪化して、於血の原因となると思われる(注7)。
2.熱の産生
人間の体内で、一番、熱を産生しているのは、骨格筋と、肝臓とされる:骨格筋は、全熱エネルギーの約6割を、肝臓は、約2割を産生する。その他、呼吸筋、心臓、腎臓も、熱を産生する臓器として、重要。
これら、体内で産生された熱は、血液(特に、静脈血)により、全身に、運搬されて、体温を保持する。
人間を始めとして、恒温動物である哺乳類(哺乳動物)は、気温が低下すると、体温を維持する為に、熱の産生を高める。
動物が、熱産生(thermogenesis)を高める方法には、筋肉のふるわせることによる熱産生(ふるえ熱産生)と、褐色脂肪細胞のミトコンドリアでの熱産生(非ふるえ熱産生)とが、存在する。ゲッシ動物での実験結果では、気温が低下する際の、体温を維持する為の熱産生では、非ふるえ熱産生が40%程度、また、ふるえ熱産が60%程度、寄与していると言う。
褐色脂肪細胞が破壊された動物は、気温が低下した際の体温維持機能が、低下する。また、褐色脂肪細胞が破壊された動物は、(熱産生によるカロリー消費が低下して、)体脂肪量や体重が増加する。
3.AVAと冷え症
手では、皮膚の表面近くの毛細血管を流れる血液は、手全体の血流量の、約2割に過ぎず、残りの8割の血流は、AVA(arteriovenous anastomosis:動静脈吻合)と呼ばれる、皮下の動脈と静脈を結ぶバイパス血管を通り、静脈へ流れる。
外界の気温が低く、寒い時には、心臓や脳などの深部の体温を維持する為、AVAを閉じて、速く血液を通過させる。
AVAは、閉じる時は、速いが、開き始めるには、時間を要する(40分程度)。その為、一度、手足が冷えると、温かい部屋に入っても、温まるまで時間を要する。
冷え症の人は、一度閉じたAVAが、再び開くまで、時間を要する。
人間は、頚部で、外界の温度を感知するので、首をマフラーや、タオルなどで温かくすると、手足のAVAが開いて、手足の血流量が増加し、冷え症が改善される。
毛細血管の形成が不良でも、冷え性になる。入浴時に、温水と、冷水に、交互に、1分間程度、手足を浸す鍛錬は、毛細血管の形成を高め、冷え性改善効果がある。
その他、低血圧、貧血、筋肉不足(運動不足)、自律神経失調症も、冷え症の原因とされる。
冷え症になると、発痛物質、疲労物質(乳酸など)、老廃物質などが蓄積して、肩こり(肩凝り)、肌荒れ、肌のくすみ、毛髪の傷み、腰痛、
健康で長生きする為には、血液を綺麗に保ち(血小板の凝集能、血液凝固能、赤血球の変形能を正常に維持する)、血管(血管内皮細胞)を若く保ち、血行(毛細血管の微小循環)を良くすることが、大切。
その為には、油脂、肉(魚も含む)、砂糖を控え、野菜を多く摂る食生活が良いと思われる。
冷え症(冷え性)は、漢方(東洋医学)的には、「気」(熱の産生:)が低下し、「血」(赤血球の変形能、血小板の凝集能など)に異常を来たし、「水」(体液や血漿の循環)が停滞した状態と、考えられる(注8)。
注1:私が、過労で、体調を悪くして、冷え症になった時の体験では、冷え症の時は、室温が左程低くない夏場でも、手が冷たく感じられた。当時は、ドロドロ血液などと言う言葉は、未だなかったが、ケガをした時に作られる痂皮の色が、異様に赤黒かったので、血液も、於血になっていたものと思われる。
ゴマは、冷え症に、効果があったように感じている。ゴマを食べると、体内での熱の産生が、増加したように、思われる。
葉物の生野菜であるほうれん草は、食べた後に、却って、手の冷えを、強く自覚した。しかし、ほうれん草を、茹でて、御浸しにして、酢醤油をかけて、食べると、体に、活力が出て、冷え症も良くなったように、記憶している。
西野式健康法で勧めているように、冷水と、温水に、交互に手、足、脚などを入れて鍛錬することも試みたが、食餌療法が、一番、効果があったように、記憶している。
ゴマには、便秘解消効果もある。
注2:リンゴ(林檎)は、リンゴ酸や、食物線維のペクチンを含んでいる。ペクチンは、血液中の赤血球の変形能を、高めるという。ペクチンには、抗酸化物質であり、ペクチンを加熱処理をすると、約9倍抗酸化作用が、高まるという。
注3:魚に含まれる、不飽和脂肪酸のEPAやDHAは、ミトコンドリアのUCPに作用して、熱産生を高める。
注4:黒砂糖、白砂糖ハチミツは、可食部100g当りの栄養成分が、下記の表の如く、相違している。
黒砂糖には、ビタミンB1も含有されている。
白砂糖(のブドウ糖と果糖)は、解糖され、TCA回路で、NADH2+と言う還元力のある物質を生成するが、呼吸鎖で、二酸化炭素が生じるので、酸性食品。砂糖(白糖、白砂糖)を摂り過ぎると、(血液が、酸性になり、)白血球(好中球や単球やリンパ球)の機能が低下するとされる:砂糖(白糖)を、食べ過ぎると、結核などの感染症に罹り易くなる。砂糖を、食べ過ぎると、発痛物質である、PGE2や乳酸の生成が促進させられ、痛みが増強すると考えられる
黒砂糖は、カルシウムやカリウムも多く含む、アルカリ食品(尿アルカリ化食品)。
| 食品名 |
黒砂糖 |
白砂糖 |
ハチミツ |
| エネルギー |
354Kcal
(1,481KJ) |
384Kcal
(1,607KJ) |
294Kcal
(1,230KJ) |
| 糖質 |
89.7g |
99.2g |
79.7g |
| カルシウム(Ca) |
240mg |
1mg |
2mg |
| ナトリウム(Na) |
27mg |
1mg |
7mg |
| カリウム(K) |
1,100mg |
2mg |
13mg |
| ビタミンB1 |
0.05mg |
0mg |
0.01mg |
| ビタミンB2 |
0.07mg |
0mg |
0.01mg |
注5:酢は、陰性食品(冷え性を悪化させる)だが、黒酢には、アミノ酸も含まれていて、血行が良くなる(冷え性が改善される)。
黒酢を飲用すると、赤血球の体積が増加し、赤血球の変形能が改善し、手足の血行が改善し、酸素や二酸化炭素の運搬機能が高まると言う。黒酢に含まれるクエン酸でなく、黒酢に含まれる、アミノ酸や、ペプチドが、赤血球変形能の改善効果を有する。
黒酢などの食酢に含まれるリンゴ酸は、ミトコンドリア内に輸送されると、オキサロ酢酸に変換され、TCA回路の代謝を促進させ、脂肪酸の分解を促進すると考えられる。しかし、食酢に含まれるクエン酸は、脂肪合成を促進させる。
食酢に含まれる、リンゴ酸、クエン酸、酢酸などの有機酸は、血液を弱アルカリ性に改善する。
しかし、食酢は、陰性食品なので、摂り過ぎは、冷え症の人には、良くないと考えられる。
注6:ソバにふくまれるルチンは、血管を強くして、血流を良くして、冷え症(冷え性)を改善するという。
注7:於血とは、東洋医学的には、「血」の流れが滞った状態だが、西洋医学的には、血液中の、血小板の凝集能、凝固能、赤血球の変形能の、いずれかが、悪化した状態を指すと思われる。
於血の「於」には本来、病だれがついている。於血の状態では、便秘気味、月経痛、痔核痛、しもやけが出来易い、舌や唇や歯茎など粘膜の色が悪い、と言った症状が見られる。
於血の4大原因は、食事(食餌:中性脂肪の多い動物性脂肪、過酸化脂質を含むインスタント食品、砂糖など)、ストレス(精神的ストレス)、冷え、運動不足と考えられる。血のめぐりを悪くする食餌(動物性脂肪、過酸化脂質を含む食餌)や、体を冷やす食餌は、於血の原因となる。高脂血症など、血漿に脂質異常があると、細胞膜のリン脂質:コレステロール比も異常を来たし、有棘赤血球(ゆうきょくせっけっきゅう:Acanthocyte)になり、血行(微小循環)が悪くなる。酸化ストレスが多いと、有棘赤血球が増加し、血行が悪くなると言う。糖尿病では、赤血球の表面の陰性苛電が減少して、連銭を形成し易くなる。過酸化脂質の多い食事を摂ると、食後20分で、赤血球が連銭を形成するという。精神的ストレスは、アドレナリンの分泌を増加させ、血小板凝集を促進させる。冷えは、血行(微小循環)を悪化させ、血小板の凝集や、血液凝固を促進させたりなどして、於血を悪化させると考えられる。心の持ち方も大切で、平安な気持ちで過ごせることが、大切と思われる。
於血は、血行(毛細血管の微小循環)を悪化させ、冷え症(冷え性)の原因となると考えられる。
排便後に圧痛があれば、於血があり、左側腹部の圧痛は肉食と関係が、右側腹部の圧痛は、果物や体を冷やすものと関係があるらしいと言っている漢方の先生もいる。
漢方薬で、於血を取る薬は、「駆於血剤」と呼ばれ、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキ・シギャクカ・ゴシュユ・ショウキョウトウ)、桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)、当帰勺薬散(トウキシャクヤクサン)、がある。
注8:漢方(東洋医学)で言う「気」は、生体で産生される熱、細胞の活性度などを、意味していると思われる。
しかし、気功などで発せられる「気」は、現代科学でも解明されていない未知のエネルギーと思われる。
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