プロテインスコア
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和食では、米に含硫アミノ酸が多く含まれているので、米食と一緒に、大豆食品を摂取していれば、蛋白質(必須アミノ酸)は、欠乏しない。
しかし、洋食では、小麦に含硫アミノ酸が十分含まれていないので、パン食と一緒に、大豆食品を摂取しているだけでは、蛋白質(必須アミノ酸)が、欠乏するおそれがあり、肉食などで、動物性蛋白質を補う必要がある。
1.必須アミノ酸
蛋白質を構成する約20種類のアミノ酸の内、成人では、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン(含硫アミノ酸)、フェニルアラニン、スレオニン(トレオニン)、トリプトファン、バリンの8種類のアミノ酸は、体内で合成出来ないので、食事から摂取する必要があり、必須アミノ酸と呼ばれています(注1)。
なお、小児では、ヒスチジンを含めた9種類のアミノ酸が、必須アミノ酸です。
必須アミノ酸は、ひとつでも欠乏すると、成長に異常を来たします。乳児は、ヒスチジンも、必須アミノ酸です。
必須アミノ酸必要量は、下表のように、乳児の方が、成人より多いです。
ヒトの必須アミノ酸必要量mg/kg/日)
| アミノ酸 |
乳児 |
幼児
(2歳) |
学童(10
〜12歳) |
成人 |
| ヒスチジン |
28 |
? |
? |
(8〜12) |
| イソロイシン |
70 |
31 |
30 |
10 |
| ロイシン |
161 |
73 |
45 |
14 |
| リジン |
103 |
64 |
60 |
12 |
メチオニン
+シスチン |
58 |
27 |
27 |
13 |
フェニルアラニン
+チロシン |
125 |
69 |
27 |
14 |
| スレオニン |
87 |
37 |
35 |
7 |
| トリプトファン |
17 |
12.5 |
4 |
3.5 |
| バリン |
93 |
38 |
33 |
10 |
| 必須アミノ酸合計 |
714 |
352 |
261 |
84 |
2.プロテインスコア
ある食品(蛋白質としてアミノ酸を含んでいる)が、一つの、ある必須アミノ酸の必要量(所要量)をどれくらい含むかを、百分率でスコアを求めます。
例えば、ある食品が、1日250mg必要な必須アミノ酸のイソロイシンを、200mgしか含んでいなければ、スコアは、80です。正し、例え、500mg含んでいても、スコアは、最高、100までです。
そして、食品に含まれる、8種類の必須アミノ酸の内、最低のスコアが、プロテインスコアです。
プロテインスコアが100に近い食品程、必須アミノ酸が欠乏なく含まれていることになります。
動物性蛋白質のプロテインスコアは、高く、豚肉やアジや鶏卵は、100です(注2)。貝類でも、シジミ(しじみ貝)のプロテインスコアは、100です。ただし、牛乳のプロテインスコアは、91しかありません(これは、含硫アミノ酸が少ないためです:注3)。

他方、植物性蛋白質のプロテインスコアは、低く、大豆は69、精白米は62です。これは、大豆は、必須アミノ酸のリジンは多く含むのですが、含硫アミノ酸が少なく、精白米は、大豆に少ない含硫アミノ酸は多いのですが、リジンやスレオニンが少ないためです。
そこで、大豆(大豆食品)と精白米(御飯)を、一緒に食べると、両者の欠乏している必須アミノ酸を補うことが出来ます。
日本人が、江戸時代以前に、肉や魚を食わなくても、筋肉が頑丈な肉体を築けたのは、米を大豆と一緒に食べると、必須アミノ酸は欠乏しないからだったと考えられます。
なお、小麦粉(プロテインスコア44)は、米と違って、含硫アミノ酸が十分に含まれていないので、例えば、パンを大豆と一緒に食べていたのでは、必須アミノ酸が欠乏しやすいと考えられます。ですから、パン食の西欧食文化では、肉や卵を食べる必要があったと考えられます。
3.植物性蛋白質だけを摂取していて、長生き出来るか?
ベジタリアンの寿命が、長いとは言えないようです。
貝原益軒の「養生訓」には、肉だけでなく、魚を食べる人も、寿命が短くなるように、書かれてあります。しかし、これは、平均寿命が40歳に満たない時代の話しです。
チンパンジーは、普段は、草食ですが、集団で、他の種類の猿を襲って殺し、肉食をするそうです。
肉や卵など、プロテインスコアが高い、動物性蛋白質を摂取することは、免疫力を高め、感染症に打ち勝つのに、必要と考えられます。
江戸時代にも、徳川家康は、庶民には肉食を禁じながら、自らは、「薬食い」と称して、牛肉の味噌漬けを食べていたそうです。
ですから、植物性蛋白質だけを摂取するベジタリアンは、蛋白質が欠乏するおそれがあります。
戦後、日本で、青鼻を垂らす子供さんが少なくなったのは、動物性蛋白質の摂取量が増えて、白血球や補体などの免疫力が強くなり、慢性的な蓄膿症になりにくくなった為とも、考えられます。
4.脳は、体に必要なアミノ酸を、感知する
マウスの実験では、脳が、体内に欠乏しているアミノ酸を感知して、その欠乏しているアミノ酸を多く含むエサを、自
然と多く摂るそうです。
人間も、断食などをすると、自分に必要としている栄養素を含む食品が、自然と解るようになると言う人もいます。
注1:必須アミノ酸の内、イソロイシン、ロイシン、バリンの3種類のアミノ酸は、BCAAと総称されます。
注2:現代人には、鶏卵は、卵アレルギーの人でなければ、最も、安価な、蛋白摂取源だと思われます。
鶏卵でも、卵白は、アルカリ食品(尿アルカリ化食品)です。コレステロール値が気になる人は、卵黄は捨てて、卵白を摂取するのも良いでしょう。
注3:牛乳のプロテインスコアは、74とする報告もあります。いずれにせよ、牛乳だけでは、欠乏する必須アミノ酸があります。
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