1.糖質(炭水化物)
糖質は、消化管内で消化され、
グルコース(ブドウ糖:Glc)などの短糖類に分解され、小腸から吸収され(
注1)、門脈を経て
肝臓に入ります。
グルコースは、大部分が、
肝臓で
グリコーゲン合成酵素(
glycogen synthase、旧glycogen synthetase)により、
グリコーゲンとして貯えられ、残りは、血液中に放出されたり、
脂肪酸に変換(転換)されます(
注2)。
脂肪酸は、
グルコースがら作られる
グリセロール3-リン酸(α-グリセロリン酸)と結合して、トリグリセリド(中性脂肪)として貯えられます。糖質からエネルギーを得て、脂肪として貯えるのが、生命活動の基本です。
グルコースは、細胞質で
解糖(
注3)を受けて、ピルビン酸(焦性ブドウ糖)になり、さらに、
ミトコンドリアの
マトリックスでアセチル-CoAとなり、
TCA回路(tricarboxylic acid cycle、別名、
クエン酸回路、Krebs回路)に導入され、
NADH2+、
FADH2+、GTPが生成されます。
TCA回路は、
リンゴ酸(
注4)、
オキサロ酢酸、
クエン酸などから構成されています。
NADH2+や
FADH2+は、
呼吸鎖の
電子伝達系で酸化され、
プロトン(H+)濃度勾配が形成され、エネルギー(ATP)が生成されます(
注5)。
脂肪組織では、
脂肪酸は、
グルコースから作られる
グリセロール3-リン酸(α-グリセロリン酸)と、エステル結合されて、トリグリセリド(中性脂肪)として貯えられます。
糖新生と言って、
絶食時などには、筋肉由来の
アラニンなどの
アミノ酸や、筋肉や赤血球で産生される
乳酸(Lactate)や、ピルビン酸や、トリグリセリドが分解されて生じるグリセロール(グリセリン)から、
肝臓で
グルコースが作られ、血液中に供給されます(
糖新生の経路を参照して下さい)。
グルコース(ブドウ糖)の小腸からの吸収は、Na
+-ブドウ糖
共輸送体(SGLT1:sodium-dependent glucose transporter 1)により、Na
+の吸収と共役して行われるので、
Na+はグルコース(ブドウ糖)の小腸からの吸収に必要。
なお、
フルクトース(
果糖)も、
グルコースの代謝(解糖)に組み込まれます(
注6)。
フルクトースの吸収には、Na
+は、必要でなく、肝臓で、速やかに、インスリン非依存性に、代謝されます。
また、図には示しませんが、ホスホグルコン酸回路(ヘキソースリン酸側路、ペントースリン酸経路、Warburg-Dickens経路とも呼ばれる)では、グルコース-6-リン酸から、
NADPH2+(コレステロールや脂肪酸の合成に必須の補酵素)や、リボース(核酸の原料)が合成されます。
2.蛋白質
蛋白質は、
アミノ酸に分解され、小腸から体内に吸収されます。
蛋白質を過剰に摂取しても、体内では、過剰な
アミノ酸は分解されて、最終的に、
グルコース(
↑印で示した
糖新生)や、
脂肪酸(
←印で示した脂肪酸合成)に、変換されてしまいます。
体内で
アミノ酸(
グルタミンなど)が分解されたり、食餌の蛋白質が腸内細菌によって分解されると、アンモニア(NH
4+やNH
3)が生じます。アンモニアを、
尿素回路(オルニチンサイクル、ウレアサイクル)で処理して
尿素を作る際に、ATPが必要なので、
蛋白質を摂取しすぎると、肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます(
注7)。
運動時に、骨格筋では、
解糖により
グルコースからピルビン酸が生成されたり、筋蛋白質が分解されて
BCAAなどのアミノ酸が生成され、エネルギー源になります。生成されたピリビン酸は、細胞膜を通過出来ませんが、筋肉細胞内で、
BCAAから
アミノ基を転移され、
アラニンに変換されます。アラニンは、筋肉細胞から放出され、血液中を肝臓に移行されます。アラニンは、肝臓でピルビン酸に戻されて(
注8)、
糖新生で
グルコースに変換されます(
↑印で示しました)。
グルコースは、血液中に供給され、筋肉に取り込まれて、ピルビン酸に変換されます(
グルコース・アラニンサイクル)。
3.脂質
体内に吸収されたトリグリセリドは、
脂肪酸と
グリセロール(グリセリン)に分解されます。
脂肪酸は、
ミトコンドリア内で
β-酸化によってアセチル-CoAに分解され、
TCA回路で代謝されて、エネルギー源となります(
注9)。
アセチル-CoAがTCA回路で代謝され、
NADH2+が生成されるためには、
グルコースから作られる
オキサロ酢酸(オキザロ酢酸:oxaloacetate)が必要です:
脂肪は、糖の炎によって燃える(
注10)。
偶数個の炭素原子を有する
脂肪酸は、β-酸化でアセチル-CoAしか産生出来ず、糖新生には利用されないので、
脂肪酸はグルコースには、変換できません(
注11)。
脂肪酸は、グルコースやアミノ酸に変換されないので、過剰に体内に取り込まれても、TCA回路で代謝されないと、トリグリセリドや
コレステロールとして体内に蓄積されてしまいます。
コレステロールは、1日約0.3gが食餌から吸収され、約1.5〜2gが体内で合成されます。
生体内の
コレステロール合成は、ヒトでは、
肝臓が50%、小腸が15%、皮膚が35%を分担しているとされます。
コレステロールを多く含む食餌を摂取すると、
肝臓で合成される内因性
コレステロール量は減少しますが、完全に抑制されることはありません。胆汁酸は、小腸内での
コレステロールの合成を抑制します。
日本では、過去50年間で、カロリー摂取量は2100Kcal/日でほとんど変化していません。しかし、
カロリー摂取量に占める脂質の割合は、50年前が約6%だったのが、最近は、28%と、4倍に増えています。
米食をして来た日本人は、脂肪を貯め込む「倹約遺伝子」の働きが欧米人より活発だと言われています。
肥満や糖尿病を予防するためには、脂質の少ない食餌を摂ることが大切です。
カロリー制限をすると、
活性酸素の発生量が低下して、寿命が延びる。
長寿の秘訣は、
腹八分目に食べ、カロリーや脂質の摂取量を控え、
野菜などで
抗酸化物質を摂ることです。
注1:グルコースの小腸の細胞内への吸収は、Na
+と一緒の共輸送なので、食塩はグルコースの吸収を良くさせます。
注2:
肝臓で、
α-ケトグルタル酸(2-オキソグルタル酸とも呼ばれる)が、アンモニアと反応して、
グルタミン酸(Glu)が出来ますので、グルコースは
、アミノ酸にも、変換出来ます。
グルコース(
ブドウ糖)は、体内では、細胞のエネルギー源になる、肝臓や筋肉でグリコーゲンとして貯蔵される、中性脂肪として貯蔵される、アミノ酸に変換されるの、どれかの、運命を辿る。
注3:
解糖では、グルコースが、ピルビン酸に、分解されます。
グルコースの解糖の経路には、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)を経由して、
・グルコース→グルコース6-リン酸→フルクトース6-リン酸→フルクトース1,6-ビスリン酸→
ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)→グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)→1,3-ビスホスホグリセリン酸(1,3-BPG)→
と分解される経路と、DHAPを経由しないで、直接、グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)に分解される、
・グルコース→グルコース6-リン酸→フルクトース6-リン酸→フルクトース1,6-ビスリン酸→グリセルアルデヒド
3-リン酸(GAP)→1,3-ビスホスホグリセリン酸(1,3-BPG)→
と言う経路とがあります。
ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)は、グリセロール-3-リン酸に変換され、中性脂肪の生成に使用されます。
グリセロール-3-リン酸は、フルクトース(
果糖)からも、生成されます(
糖新生の経路の図に示しました):フルクトース→フルクトース-1-リン酸→グリセルアルデヒド→グリセロール→グリセロール-3-リン酸と、生成されます。フルクトースは、筋肉では、フルクトース-6-リン酸となって、解糖系にも、導入されます。
なお、グリセロール-3-リン酸は、α-グリセロリン酸とも呼ばれて来ましたが、解糖の経路のグリセルアルデヒド
3-リン酸(GAP)とは、異なります。
注4:
リンゴ酸(オキシコハク酸)は、ミトコンドリア内では、TCA回路に必要なオキサロ酢酸になり、TCA回路の回転を、良くすると、考えられます。
リンゴ酸は、林檎(リンゴ)や、ブドウの果汁に、含まれています。
林檎(リンゴ)は、約1.2%のリンゴ酸、クエン酸、酒石酸などの有機酸を含んでいます。リンゴは、食欲を促進させ、便秘の時にも、下痢の時にも、良いと言われています。
酵母のアルコール発酵で作られる、清酒などにも、リンゴ酸が、含まれています。
注5:
グルコース1分子当たり、肝臓、腎臓、心臓では、38ATP、それ以外の臓器では、36ATPが、生成されます。
解糖では、グルコース1分子当たり、好気的条件下では、ATP2分子、NADH2+2分子、ピルビン酸2分子が生成され、また、嫌気的条件下では、ATP2分子、乳酸2分子が生成される。
なお、脂肪酸のパルミチン酸1分子当たり、β-酸化により、アセチル-CoAが8分子生成され、約106分子のATPが生成されると言われます。
注6:
フルクトース(
果糖)は、グルコース(ブドウ糖)の代謝(解糖)に組み込まれますが、筋肉と肝臓では、異なった経路を辿ります(
糖新生の図に示しました)。
筋肉:フルクトース→フルクトース 6-リン酸→解糖
肝臓:フルクトース→フルクトース 1-リン酸→グリセルアルデヒド→グリセロール→
グリセロール 3-リン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)→グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)→解糖、
又は、
フルクトース→フルクトース 1-リン酸→グリセルアルデヒド→グリセルアルデヒド
3-リン酸(GAP)→解糖
なお、
点滴など、静脈注射で、フルクトース(果糖)が体内に入ると、肝臓で代謝障害が起こります(高乳酸血症が起こる)。フルクトースが体内に多くなると、フルクトース 1-リン酸が増加して、肝臓のリン酸(Pi)が枯渇して、ATP濃度が低下して、解糖と乳酸生成が促進し、血中乳酸濃度が、致命的なレベルにまで、達することがあると言われます。
肝臓(主):フルクトース→フルクトース 1-リン酸→グリセルアルデヒド→グリセロール→
グリセロール 3-リン酸→ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)→グリセルアルデヒド 3-リン酸(GAP)→解糖、
又は、
フルクトース→フルクトース 1-リン酸→グリセルアルデヒド→グリセルアルデヒド
3-リン酸(GAP)→解糖
筋肉(僅):フルクトース→フルクトース 6-リン酸→解糖
肝臓では、fructokinaseにより、フルクトース 1-リン酸に、筋肉では、hexokinaseにより、フルクトース
6-リン酸に代謝(リン酸化)されます。肝臓や腎臓や腸管に存在するfructokinaseの活性は、
インスリンに影響されないので、フルクトース(果糖)は、糖尿病患者でも、血中から正常の速度で、消失すると言われます。しかし、
フルクトース(果糖)を取り過ぎると、肝臓で中性脂肪に変換されますので、摂り過ぎは、良くありません。なお、程度は少ないですが、フルクトース(果糖)も、グルコース(ブドウ糖)同様に、インスリン分泌(放出)を促進します。フルクトース 1-リン酸は、aldolase Bの作用により、ジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)と、グリセルアルデヒドになり、DHAPは、直接、解糖系に入り、グリセルアルデヒドは、肝臓のtriokinaseにより、グリセルアルデヒド
3-リン酸(GAP)になり、解糖系に入ります。フルクトース(果糖)は、糖新生により、グルコース(ブドウ糖)に変換されます。肝臓と腸管を除去した動物実験の結果では、フルクトース(果糖)を注射しても、グルコース(ブドウ糖)を投与しないと、低血糖(の症状)で倒れました。この実験結果から、フルクトース(果糖)は、主に、肝臓で、糖新生により、グルコース(ブドウ糖)に変換されてから、利用されると言われます。
経口的に与えられたフルクトース(果糖)は、腸管(小腸)から吸収され、その大部分は、門脈を経て、肝臓に運ばれて、代謝されます。フルクトース(果糖)は、空腸上皮に存在する糖輸送担体(
GLUT5)により、促通拡散輸送され(濃度勾配に依存した単純拡散機序)、吸収されます。なお、グルコース(ブドウ糖)は、Na-糖共輸送担体(
SGLT1:sodium-dependent glucose transporter 1)により、Naと共に、能動輸送され、吸収されます。その為、フルクトース(果糖)の方が、グルコース(ブドウ糖)より、腸管からの吸収速度が、遅くなります:ネズミでは、グルコースの吸収速度を100とすると、ガラクトース110、フルクトース43、マンノース19、ペントース15、キシロース15、アラビノース9と言われます。
経口的に、又は、非経口的に体内に入ったフルクトース(果糖)は、グルコース(ブドウ糖)よりも、速く、代謝利用されます。
点滴など、静脈注射で、フルクトース(果糖)が体内に入ると、肝臓で代謝障害が起こります(高乳酸血症が起こる)。フルクトースが体内に多くなると、フルクトース 1-リン酸が増加して、肝臓のリン酸(Pi)が枯渇して、ATP濃度が低下して、解糖と乳酸生成が促進し、血中乳酸濃度が、致命的なレベルにまで、達することがあると言われます。糖尿病患者さんも、フルクトース(果糖)を摂取し過ぎると、肝臓で、フルクトース
1-リン酸を経て、ピルビン酸、乳酸に代謝され、乳酸アシドーシスを引き起こすとされます。
フルクトース(果糖)の血清正常値は、0.59〜1.15mg/dlと、血糖値(血清ブドウ糖値)より、軽値です。経口フルクトース負荷試験(早朝空腹時に、1g/体重Kgの果糖を、約250mlの水に溶解して、経口投与する)では、フルクトース(果糖)の血中最高値(負荷45分後ないし60分後)は、5.6±1.4mg/dlと言われます。経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)の血中最高値(負荷2時間後)が、140mg/dl程度なことを考えると、腸管からの吸収速度が遅いフルクトース(果糖)の方が、グルコース(ブドウ糖)よりも、肝臓での取り込みや代謝は、速いと考えられます。
in vitroでは、インスリンは、遊離肝細胞によるVLDL粒子の合成・分泌を、抑制します。培養肝細胞は、培養液中のグルコースか遊離脂肪酸から、トリグリセリドを合成します(果糖には、細胞毒性があり、培養液には添加されません)。
i
n vivoでは、インスリンは、肝細胞に於いて、脂肪酸(アシル-CoA)や、グルコース
6-リン酸の合成を促進させ、中性脂肪や、コレステロール生成を促進し、VLDLの合成・分泌を増加させます。
グルコース(ブドウ糖)を摂取した時には、分泌されたインスリンにより、肝臓の肝細胞では、脂肪酸やトリグリセリドやコレステロールが生産され、正常の組成のVLDLが合成・分泌されます。しかし、同時に、分泌されたインスリンにより、LPL活性が亢進する為、VLDL中のトリグリセリドが加水分解され、血中トリグリセリドは、上昇しません。
フルクトース(果糖)を摂取した時には、(トリグリセリドが過剰に生産され、)トリグリセリドを豊富に含む大型のVLDLが合成・分泌されます。しかし、同時に、インスリンによるLPL活性の促進があまり起こらないので、VLDL中のトリグリセリドが加水分解が進行しない為、血中トリグリセリドは、上昇します(高トリグリセリド血症になります)。
注7:
最近は、肝臓病や、腎臓病の食事療法では、低蛋白食が良いとされています。
例えば、ネフローゼ症候群の場合や、腎機能が低下している場合には、蛋白制限をした方が腎機能の悪化が少なくて済むと言うエビデンス(根拠)が出ているそうです。高蛋白食(蛋白負荷)は、蛋白代謝産物により、腎機能を悪化させるサイトカインが産生させたり、血管内皮細胞を障害する物質を産生させたり、腎臓の糸球体濾過量を増加させる(hyperfiltration)とされます。
蛋白摂取量の目安としては、慢性腎不全の患者さんには、0.6〜0.7g/kg体重/日、末期腎不全の患者さんには、0.4〜0.5g/kg体重/日が勧奨されています。
高蛋白食は、血液中の尿素値を増加させます。
アスリートなどで、筋肉量を増やす為に、高蛋白食を食べていて、蛋白を過剰に取り過ぎると、尿素が、尿中に増加し、尿素の為に、浸透圧利尿が起きて、頻尿になるそうです。頻尿や、喉の渇きが出現した場合は、蛋白質を過剰に摂取しているおそれがあります。
注8:
アミノ酸の分解は、アミノ基転移反応と言って、アミノ酸のアミノ基を、α-ケトグルタル酸(2-オキソグルタル酸)などのアミノ基受容体に転移、α-ケト酸を生じます。
ALT(
アラニンアミノトランスフェラーゼ:alanine : 2-oxoglutarate aminotransferase)、旧名、
GPT(glutamate pyruvate transaminase)は、肝臓に相対的に多く存在し(絶対量は、
ASTの方が多い)、下記の反応を触媒します。
アラニン+
α-ケトグルタル酸⇔
ピルビン酸+
L-グルタミン酸
アラニンは、血漿中で最も濃度が高いアミノ酸で、肝臓では、ピルビン酸の供給源になり、
糖新生などに利用されます。
なお、
AST(
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ:asparate : 2-oxoglutarate aminotransferase)、旧名、
GOT(glutamate oxaloacetate transaminase)は、心筋、骨格筋にALTより多く存在し、下記の反応を触媒します。
アスパラギン酸+
α-ケトグルタル酸⇔
オキサロ酢酸+
L-グルタミン酸
AST(GOT)は、特に、
ミトコンドリア内で、リンゴ酸から変換されるオキサロ酢酸や、
グルタミン酸を、
α-ケトグルタル酸や
アスパラギン酸に変換するのに、重要な酵素です。
グルタミン酸は、
アミノ酸の分解で生じるアミノ基を、最終的に集める役割をしています。
グルタミン酸は、α-ケトグルタル酸となって、TCA回路に導入されます。
グルタミン酸は、
アンモニアを処理するのに大切です。
アスパラギン酸は、ミトコンドリア外にある
尿素回路で、シトルリンにアンモニアを転移させるのにも重要です。
注9:
脂肪酸は、骨格筋や心筋のエネルギー供給源で、
ミトコンドリアでβ-酸化され、二酸化炭素と水にまで分解されます。他方、
脂肪酸は、
肝臓では、β-酸化により、アセチル-CoAに分解された後、
ケトン体が合成され、ケトン体は、特に脳のエネルギー源になります。
なお、脂肪酸がβ-酸化され、生成されるアセチル-CoAは、
TCA回路で代謝され、
NADH2+などが生成されます。
NADH2+をエネルギー源にして、運動時には、ミトコンドリアの
呼吸鎖で、
ATPが生成され、また、
絶食時には、
リンゴ酸として、細胞質ゾルに輸送され、
糖新生が、行われます。
注10:脂肪酸がβ-酸化され、生成されるアセチル-CoAは、
オキサロ酢酸と結合しないと、
TCA回路で代謝されないので、
NADH2+も生成されず、
呼吸鎖でATPが生成されません。
オキサロ酢酸は、ミトコンドリア内外を、移動出来ません。しかし、リンゴ酸は、
リンゴ酸-アスパラギン酸シャトルにより、ミトコンドリア内外を、移動出来ます。「
脂肪は、糖の炎によって燃える」と書きましたが、リンゴ酸は、ミトコンドリア内で、オキサロ酢酸に変換され、TCA回路の回転を高め、脂肪酸のβ-酸化で生成されるアセチル-CoAを、迅速に処理し、脂肪の代謝を促進し、
TCA回路でのNADH
2+生成を高め、
呼吸鎖でのATP生成を高めると、考えられます。
注11:奇数個の炭素原子を有する
脂肪酸からは、β-酸化によってプロピオニル-CoAが作られ、
スクシニル-CoA(succinyl-CoA)を経て、オキサロ酢酸に代謝されて、糖新生が行われます。