1.研究内容
1−1.発表者:高島義典会員
1−2.テーマ:特装車生産工場における環境マネジメントシステムの構築事例
1−3.発表要旨
@ 会員は K社入社以来、設計一筋で仕事をしてきている。通信教育の補助制度を利用して中小企業診断士の資格を取った。
A特装車とは、特別な機械を備え、それを自動車の原動機で駆動するようになっている。通称「はたらく自動車」と呼ばれている。生産の方法は、トラックメーカーが生産したキャブ付シャシの上に、ボディを製作し袈装する。
B 特装業界は 98年度に不況業種に指定され、雇用調整助成金の受領するなど厳しい状態が続いている。生産の特徴としては、受注生産、期末(9月・3月)集中生産・多品種少量生産といったことがあげられる。
C K社は 1955年の創業で、資本金 約117億円、売上高 約391億円、従業員数約980名の企業であり、特装車部門の他、環境機器部門、特機部門がある。
D 不況(特に建設業界)の影響をまともに受け97年から2年連続の赤字を計上した。工場閉鎖等のリストラ策を講じ、ようやく黒字化にこぎつけた。
E トヨタからの要請、グリーン調達への対応からISO14001取得に取り組むことになった。
F システム構築に当っての基本的な考え方は、
a.必要最低限の文書を作成
b.やれる範囲内での改善
c.自分たちの手で構築。
d.5S活動からの開始等である。
G システムの構築・運用・審査は、審査機関による事前調査(一昨年7月3日)、内部環境監査員の任命(昨年12月1日)、第1回内部環境監査の実施(1月)、審査機関による現地事前調査(1月26日)、第2回事前調査(3月2日)、文書審査(3月14,15日)、本審査(5月10,11日)登録(5月30日)と進んだ。
H 構築が予定通り進んだ理由としては、経営者(新任工場長)の強い意志、プロジェクトリーダーの適性、自分達でやれる範囲でのシステム構築(5Sという基本から改善活動をスタート ごみの分別収集など)、小集団活動の活用などがあげられる。
I 苦労した点としては、社内協力工場特に外国人労働者の教育であった。なお近隣住宅に対する防音壁工事、排水処理設備の改修他約2億2千万円かかった。改善にかかった工数は、約15,000 時間であった。
J 改善された点としては、他部署に対しても、気が付いたことを気軽に指摘し、それを素直に受止め改善する風土が芽生えつつあることや、組織を越えて共通の目標に向けて協力体制が確立できるようになったことがあげられる。
報告者:田中SL
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