1.研究内容
1−1.講演者:根本特殊化学株式会社代表取締役 根本郁芳 氏
1−2.テーマ:「世界に躍進する根本特殊化学の経営戦略」
1−3.講演要旨
(1)根本特殊化学(株)、1941年に夜光塗料販売で創業し、創業以来60年、
「セーフティ」、「セキュリティ」、「ヘルシー」の分野で技術開発型企業として発展を続けている。
(2)ネモトグループは、「企業活動を通して、人、社会、地球環境に貢献する」
「世界に通用する独自の技術と製品をもって、世界 No.1 企業を目指す」を経営理念とし、
「人と地球のための化学」をテーマとする。
(3)事業多角化として、夜光塗料の「 Fine Chemical」「 Fine Printing」「 Electronics」「 Life Science」の
4分野で事業拡大を図っている。
1963年〜1978年 「夜光塗料と時計」:時計は順調に成長した。
1975年〜1987年 「特殊化と多角化の強化・成長」:時計関係が1981年にピークとなり、多角化が必要になった。
1984年〜1997年 「特殊化と多角化の強化・成長」:時計以外の分野への多角化が軌道に乗ってきた。
1987年〜2002年 「国際化へのシフトと成長」:海外の拠点が順調に成長し、収益に貢献している。
(4)4分野は、海外拠点が中心である。従業員は、本社88名、子会社213名、海外519名の構成である。
@「 Fine Chemical」:N夜光製品は、暗いところで標示が見え、多方面で使われている。
最近は、紙幣などのセキュリティ用途や壁掛けテレビなどに用途が広がっている。生産拠点はポルトガルと中国にある。
A「 Fine Printing」:液晶パネルやスイス時計に用いられる。スイスに営業拠点、香港に合弁会社がある。
B「 Electronics」:化学式センサ(ガス、煙など)で、ガス漏れ警報機などに使われている。
上海に製造拠点、イタリアに営業拠点があり、世界5カ国で販売ネットワークを形成している。
C「 Life Science」:分社化により、新薬代謝研究試験サービスを行っている。
RI(ラジオアイソトープ)のコア技術を用いて、化合物の合成、廃棄物の減容処理などが主業務である。
(5)テーマ別の対策について
@空洞化対策:1981年時計はピークとなり、筑波に工場を新設した直後、売上げが激減し、厳しい状況になった。
(株)NP筑波として、分社化することにより危機を乗り越えた。
A特許戦略:国内C社とヨーロッパの特許係争では、根本が全面勝訴した。
特許で守るという強い態度が必要である。
BM&A戦略:原則はM&Aは行わない。
C開発戦略:売上高の数%を研究開発費に当てている。毎年、研究成果発表会を行いモチベーションを高める工夫をしている。
Dヒューマンネットワーク:海外事業の成功要因は、現地のキーマンがいることである。
中国をはじめ、拠点のあるそれぞれの国でキーマンと親しい交流がある。
このネットワークが海外進出を成功させた。最近中国の進歩はすばらしく、教えられることが多くなってきた。
報告者:小山SL
2002年度研究会実績へ戻る