1−1.報告者:大槻 輝征 会員
1)テーマ:中小製造業のしたたかさ・生き方の実態について
空洞化に対する中小製造業の対策は?
調査した中小製造業にはそれに打ち勝つ「したたかさ」があった。
2)内容(地域産業空洞化問題特別委員会報告書の内容紹介と下請け中小企業17社の空洞化の実態調査)
2−1)平成15年3月20日に日本商工会議所から「地域産業空洞化問題特別委員会報告書」が公表された。
(1)産業空洞化の基本認識は、
@中国脅威論を超えた取り組みが必要、
Aものづくりに国境はない、
B海外企業が日本に立地したいと思う競争条件を確保、
C国際競争に打ち勝つ地域の魅力を創出、
D危機感の共有とスピード加速。
(2)地域で取り組む産業空洞化対策は、
@地域も中小企業も「オンリーワン」の発想と行動を(独自技術・新製品の開発、ものづくりの人材確保、経営革新・創業支援など)、
A東アジアとの競争と連携(東アジアとの分業体制など)、
B「魅力ある投資受入国・地域」を目指せ(トップセールスで投資誘致を促進など)、
C商工会議所は地域産業空洞化対策のための「地域・中小企業の総合的なコーディネーター」を目指せ
2−2)大手制御機器の下請け17社の空洞化実態調査
(1)調査対象企業の特徴は、
@下請けの業種は、規模が小さく下請け依存率が高く、依存率90%が6社ある。
A業種は、プレス加工・金型設計6社、切削加工4社、電子組み立て3社、などである。
B経営者は高齢で平均年齢65歳、70歳以上が7社ある。
(2)各会社の売上状態は、増加が2社、横ばいが6社、減少が9社である。各社ともに、
@委託先企業からのコストダウンの要請が厳しくコスト的に対応できない、
Aコストが見合う受注先を探してシフトを積極的に行っている、
B従来の下請け関係がなくなり、コストだけの下請関係になっている、
Cコスト面で空洞化の影響が出ている。
(3)空洞化の影響は大きいが、各社ともに対策を講じ、したたかに生きのびている。
@受注先をシフトできるしたたかさを持っている。
A従業員を大事にし、その育成を図り、独自性を発揮している。
B独自技術など技術の差別化ができる会社は好景気である。
C後継者問題は各社ともに共通の問題である。
D各社ともに技能・ノウハウは蓄積しているが、新しい製品を開発したときの販売体制は不十分である。
いまだ空洞化の影響は進んでいるが、各社ともに生きのびる方策を講じており、中小企業の元気さは失っていないという好印象を得た。
報告者:小山
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