1.研究内容
1−1.発表者:  儀間勝彦会員 
1−2.テーマ:自動車会社の競争力向上について
    ・自動車会社が数年間で変化したことや「能力構築競争‐日本の自動車産業はなぜ強いのか(藤本隆宏著:中公論新社刊)」
    の考え方をベースに自動車産業の競争力向上について報告された。
1−2−1 変わったこと、変わらないこと
    ・TOPが交代しコミットメントが明確になった、コミュニケーションが良くなり、ゴールを従業員に明示した、コストへの責任が強くなった。
    ・変わらないのは、夜遅くまで仕事すること、改善などがある。
    ・ものづくり能力はベンチマークとの比較が難しい。
1−2−2ものづくり能力の競争力について
    ・自動車会社のビジョンは、自動車という商品を通して夢と感動を提供するなどである。
    ・規模の経済が極めてきく製造業である。
    ・製品開発とは顧客にアピールする設計情報を創造すること、生産とは設計情報を素材=媒体に転写すること、
     競争力は設計情報の創り方と流し方の上手さである。
    ・生産性とは設計情報の転写における発信の効率を示し、生産リードタイムは、設計情報転写における受信の効率を示す。
    ・製造品質は、設計情報転写における受発信の精度を示し、開発生産性は市場と技術の情報を翻訳して設計情報を創造する際の
     効率を示す。→開発試作回数削減、バーチャル試作、実験シュミレーション
    ・開発スタートから完了までに、未発見問題を最小化、未解決問題の最小化を図る。
    ・設計品質は翻訳の精度を示し、開発プロジェクトにおける問題解決の質的側面で、製品コンセプト、製品仕様、設計案などが、
     狙った顧客の問題を上手に解決している度合い、精度である。
    ・競争力の発揮は、生産、開発現場の地道な活動結果によるもので、模倣を容易に許さない複雑な情報システムであり、これは
     失敗から学び取り改善の徹底から構築されるものである。
    ・中国に対しては深層の競争力すなわち時間を要する躾など、非開示で模倣困難な組織能力で優位性を保つことであり、表層の
     競争力、特にコスト面では極めて不利である。
    ・中小企業は、他社が模倣できないもの造りシステムがあること、すなわち他社より早いスピードで、一個でも対応することなどや、
     競争回避で他者に気付かれない市場規模・ポジションで勝負すること(ニッチ産業)などが大切である。

報告者:殿村

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