1.研究内容
1−1.発表者   横田 英靖 会員
1−2.テーマ 「エネルギーとものづくり」中小企業診断士の視点で考える
1−2−1.主な内容
・昭和28年以降現在までの生活環境より見た薪、石炭、プロパン、都市ガス、石油エネルギーとの係りを説明。 
・世界的に見てアジア地域の需要が伸びており原油価格も高止まり傾向にあるとともに天然ガスの値上がり傾向。 
・エネルギーは国家存立の基盤であり、技術は我が国の戦略資源である。→エネルギーの奪い合いが始まっている。
  1)技術の活用により、わが国の政策目標を実現するとともに
  2)次世代に向けて、技術開発力の維持向上を図ることが必要。 
・最近の国のエネルギー政策では
  1)内閣府 第3期科学技術計画
    ○第53回総合科学学術会議(H18.3.22)で分野別推進戦略を公表。(5年先くらいまでで何が重要か)
      重点推進分野:ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー
      推進分野:エネルギー、ものづくり技術、社会基盤、フロンティア
  2)経済産業省のエネルギー総合政策
    ○2030年のエネルギー需要展望(H17.2.23)
    ○超長期エネルギー技術ビジョン(H17.10.5)
    ○新・国家エネルギー戦略(H18.5.31)
  3)省エネルギー、新エネルギー政策
    ○「省エネルギー法」の最終改正(H17.8.10)
    ○「バイオマス・ニッポン総合戦略」(H18.3.31)
    ○新エネルギー部会中間報告(H18.5.26)
   上記の中にはベンチャーの育成等にも関連するものがあり診断士として企業へ紹介等活用できる。
・エネルギー政策と中小企業政策との関連
  1)「新・国家エネルギー戦略」は国のエネルギー政策の転換を示したものであり、
    平成19年度以降の中小企業政策への関連も出てくると予想される。→新エネルギーの定義見直しによる対象の変化など。
  2)新エネルギー政策においては、新エネルギーイノベーション計画の下、周辺関連産業や地域ビジネスの育成、
    省エネルギー政策においては、2030年の実用化を目指した、技術開発の相互連携による新たなグループ形成が期待され、
    中小企業政策に反映される可能性もある。
・エネルギー関連中小企業支援策
  1)中小企業・ベンチャー支援事業の事業化支援事業の活用(中小企業基盤整備起工が窓口)
  2)地域新生コンソーシアム研究開発事業の活用(各経済産業局が窓口)
・新エネルギー
  新エネルギーとして、太陽光発電、風力発電、バイオマスエネルギー、燃料電池などの長所、短所含めた説明をされた。
  これらの中で利用される蓄電池が重要な部分を占め開発が大変であること、バイオマスエネルギーは地産地消型のエネルギーであり、
  地域活性化にも貢献できる。収集→エネルギー→利用→残渣処理の地域内でのバランスが取れることが重要。
  バイオマス資源の中で建築廃材などの乾燥系の資源はなくなってきている。主にエネルギー作物が世界的にも賦存量が多い。 
  新エネルギーを活用した新たな地域・社会経済機能では、マイクログリッドの実証実験が開始され始め今後増加する方向にある。
  新エネルギー分野における新事業創出は、政府が長期的な見通しを示すこと、また、周辺関連技術や部材については、中小企業にもモンドが開かれチャンスあり。
・ものづくりとエネルギー
  ものづくり現場における地球環境対策として
  1)不良率低下によるエネルギーロスの削減
  2)高強度材料等の新規材料の採用によるエネルギーの大幅な削減
  3)お金をあまりかけない省エネルギーの推進
  4)規制値クリアーは大前提(コンプライアンスの遵守)
  5)太陽光発電の導入、エコカーの採用等(工場のPR効果もある)
・省エネ診断については、省エネルギーセンターの無料診断の活用なども可能
  http://www.eccj.or.jp/index.thml  
  必要なデータは、正しく、かつ定期的に取り、記録を残して、比較・分析をすることが必要。
  また、現場を巡回し、異常のないことを確認しているか、もし異常に気づいた時は速やかに修理をする。
・改正省エネ法により熱と電気の一体管理による工場、事業場の省エネルギー対策の強化が求められるようになった。
・エネルギー業界の現状と将来
  1)電力料金は自由化の進展に伴い、内外価格差が縮小、今後前面自由化を検討、原子力政策が鍵である
  2)分散型電源の増加と従来の電力系統との調和が課題(電力会社の新エネ発電量の引き取り義務あり)
  3)都市ガス業界は全国212時業者で、大半は中小・公営(民営化の動き)、今後自由化を検討、大手は上流側参入
  4)熱供給事業は88事業者、153地点
  5)石油業界は、今後バイオ燃料や燃料電池等への新規ビジネスを展開、必要に応じアライアンス構築
  6)ESCO(省エネサービス事業)事業への各社参入
・キラリと光る中小企業(報告者の実体験より)の報告をされた。
  1)天然ガス自動車100%の運送会社
  2)地元密着の資源循環サイクルを形成した会社、バイオ関連へも進出
  3)土建業をベースに、太陽光、小型風力、小型水車、移動式雪氷庫、バイオマス等のアイデア商品を大学等と連携して開発(岩手支部の診断士が支援)
  4)島の中で何でも出来ないといけないため、技術・技能力向上に注力、社員の2/3がガス主任技術者攻守を取得している地元ガス会社
  5)OB人材を活用し、ガス関連業務や周辺業務へ人材派遣業を東京都振興公社の支援も得て起業
・新経済成長戦略 
  中間取りまとめの概要、中小企業ものづくり基盤技術の高度化に関する法律案による支援の必要性、支援体系等の政策決定について報告があった。
・最後に中小企業診断士更新要件の変更に伴い実務更新ポイント取得について、城西支会総会資料に基づき説明があった。


報告者:井手上 SL

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