1.研究内容
1−1.発表者 高島 義典 会員
1−2.テーマ 「トラック(特装車)業界を取り巻く環境の変化と課題」(各種規制、グローバル化など)
1−2−1.主な内容
トラック(特装車)業界の各種規制、グローバル化・コンプライアンス・品質問題についてデータを基に詳細な説明がなされた。
1.需要の動向は景気動向と規制により大きな影響を受ける
・過去のピークは、’88〜’90年のバブル時、’94〜’96年の過積載規制時、’03年の環境規制時であるが、トラック保有台数は、’98年の180万台をピークに160万台に減少している。’07年以降は排ガス規制による代替需要もなくなり、需要は大きく減少している
・メーカー各社は、得意な分野に特化する、M&A等で規模の拡大を図る、輸出に注力するなどの生き残り策を講じている
2.各種規制とグローバル化
2−1.排ガス対策、燃費対策、環境負荷の削減、車両リサイクルが課題である
・排ガス規制は、’09年からPM0.01g/kWh、NOX0.7g/kWhのガソリン車と同レベルが目標になった。
・排ガスの新長期目標をクリアーするには、尿素SCRシステム等の処理装置の取り付けが必要となり車の重量が増加する。
・燃費の効率化には、車両の軽量化が求められ、排ガス規制と燃費の効率化はトレードオフの関係にある。今後は、架装物の軽量化や省スペース型・小型化の開発を行っていく必要がある
・環境負荷物質の削減では、欧州ELV指令によるリサイクル(リサイクル95%以上が認証条件)と環境負荷物質(SOC)が大きな問題になっている。
・環境負荷物質(鉛、カドニウム、水銀、六価クロム)は、部品に至るまで分析証明書が求められており、莫大な時間とコストがかかることになる。電気、自動車業界はこの規制に積極的に取組んでいるが、建機業界等は、規制が適用されていないため動きが鈍い。車体業界の部品は嫌気と共通したものが多く、規制対応が難しい状況である
・自動車リサイク法では、商用車架装物については法の対象外となっているが、車両は乗用車と同じリサイクルが義務付けられている
2−2.灯火器、リアバンパ(突入防止装置)などの取り付け基準が変更になり、対応が難しい場合もある
・灯火器は、ECE規制との相互認証、取り付け高さや幅方向の規制、幾何学的視認性の確保が、2006年から適用され、設計上の問題が生じている
・リアバンパ(突入防止装置)規制が変更された。安全性を確保するためにこのような各種規制が強化されており、架装物を取り付けるスペースが確保できない。規制を満足させると、作業上で問題が発生している
3.コンプライアンスでは、不正な二次架装の根絶運動を展開している
・燃料タンク等の車検後交換の不正を契機に、車体工業会では不正に関する過去三年間の調査を行った。2003年は二次架装3600件、部品積込2600件が2005年は二次架装120件、部品積込170件と大きく減少した
・車体工業会では、完成車チェックリストの作成、車両の概観・構造等の写真撮影、不正防止相談窓口の活用などの不正根絶運動を展開している
・道路運送者両方の改正で、不正改造に対する罰則の強化、燃料タンクの検査小の記載が義務付けられた
・リコール制度の改革で、2002年度から、リコール命令の導入と違反行為に対する罰則が強化された
4.品質問題では、リコールの件数が増加している
・リコール届出の不具合発生原因は、設計に起因するものが全体の73%(内設計自体が同41%で、そのうち設計基準の甘さが36%)となっている
・品質不良を起こす原因は、商品寿命の短命化(規制対応)、製品の高性能化、IT化の浸透、現場力の低下、賞味者の厳しい目、短期的利益の追求、水平分業の加速など数が多い
5.今後の取り組みは
・需要が減少する環境に対応して、取扱製品の見直し、海外展開、OEM・販売提携など、戦略の見直し
・現場力の復活
・コンプライアンスに関する意識の向上である
2−1.意見交換 吉澤 有介 会員
2−2.テーマ 「大企業と中小企業の技術連携について」
2−2−1.主な内容
下記のテーマについて意見交換を行った
「大企業の製品開発における技術ニーズは増大しているか?」
「大企業の製品開発における外部の技術ニーズは増大しているか?」
「大企業と中小企業との製品開発での連携を促進する方策について?」
・技術、製品開発は業種やテーマにより大きく異なるため、全体を一つに総括することは出来ないが、
「大企業が中小企業との連携により活用できる技術はあり、また活用しなければ日本のものづくりの将来は明るくならない」などの意見があった
報告者:小山 L
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