1.研究内容
1−1.発表者 太田 芳雄 会員
1−2.テーマ 「労働環境の変化とものづくり」
1−2−1.主な内容
今回の発表は、日頃中小企業の支援を行っている中で労働問題に関係することがあった中でまとめられたものです。
発表内容は中小企業診断士として知識を持っていれば中小企業へサジェッション出来ることや、知識として知っておけば役に立つ内容およびものづくり環境での課題や対策について報告された。
1)労働環境の現状
・出生率の低下と人口減少については生産性の低下の恐れがある。特に、15歳〜29歳の労働人口総数が減少しているのが問題である。社会の活力低下や年金問題など発生
・高齢者の継続雇用や女性の就業支援等働き手そのものを確保する対策が施行されている。改正高齢者雇用安定法
・就業形態の多様化→日本的経営の変容。非正社員の比率が増大。中でもパート労働者の比率が高く女性は半数近い。
・パートタイム労働者一般労働者との賃金格差は高齢者ほど拡大しており50〜54歳男性での格差は約半分である。
・一部企業では派遣・請負労働者の直接雇用する動きが出てきてている。
・成果主義管理の現状と課題
業績・成果に対する賃金部分の拡大(全体の53.2%、1000人以上では83.4%の導入率である。
人事評価の結果、賃金・賞与への格差が定着化。日本型経営からの乖離(終身雇用、年功序列等)では組織運営の変革がうまくされてなく弊害が出ている。
・労働環境の変化と改革の流れ
規制改革による労働法制の見直し(労働基準法、労働契約法、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、パート労働法
雇用保険法、最低賃金法、雇用対策法)
各種の経済格差の問題化。コーポレートガバナンス・労使関係の変化、コンプライアンスへの取り組み
2)労働問題の実態
・賃金不払残業問題(賃金不払残業の解消のために構ずべき措置等に関する指針:2003.5厚労省)
中小企業の場合は払っていないところが多い(厳密には出来ない、公私が明確になっていない場合が多い)
・過重労働(脳・心臓疾患)問題
発病の1ヶ月前におおむね100時間又は発病前2ヶ月ないし6ヶ月にわたって1ヶ月あたりおおむね60時間を越えて時間外労働についた場合、業務と発病との関連性が強いと判断される。→労災の対象となる。
経営者は労働時間に気をつけることが必要があり、休養や健康診断を受けさせること。
・セクハラ・パワハラ問題
人間関係によって両問題は変わる。お互いのコミュニケーションを良くすることが大切である。
・労働条件不利益変更問題(合理性判断基準)
・パートタイム雇い止め問題(6つの判断要素)
・解雇問題(会社の一方的な意思表示で契約を解除すること)中小企業には多い(経営者の意識の問題)
労働争議等へ発展する可能性もあり社長の好き嫌いでの解雇は慎むべし。整理解雇の要件を遵守し、定められた手続きを(法的手続き)を確認することが大切。
・派遣トラブル
派遣労働者の急増に伴い、派遣をめぐるトラブルが多発。公益通報者保護法等への対応、
労働者派遣法改正(2004年3月1日施行)への対応。
3)ものづくり基盤産業
・川中の産業で金型、金属プレス、粉末冶金、鋳造、ダイカスト、鋳造、熱処理で5兆7千億円規模。
技能伝承はサービス産業などとは違い3〜5年必要で、長期的計画的に実施することが必要。
・ものづくり(産業)に関係の深い法制度が、近年は、人が大切との認識へ変化してきている。
・現状のイメージは、国内市場の縮小、海外企業との競争、原材料高騰、コスト削減要請などより収益悪化→
設備投資削減、研究開発費削減、人事投資削減→生産性低下、技術革新の停滞、人材確保(技能伝承の困難)
という負のサイクルに陥っている。
・健全な取引慣行で共存共栄を図る
不合理な取引事例(重量取引慣行、コストが適正に反映されない取引価格、試作の技術・ノウハウの無断使用など)
については取引先の拡大を図り交渉することや、VA提案制度での利益の折半など交渉力や説明力を持つこと。
・ものづくり定着化の方策等
CSRの展開・企業倫理の徹底(経営力強化の推進)
→モノづくり→人づくり、企業文化・行動規範、ステークホルダー重視経営、広く社会から信頼される存在
→ミドルの復権(現場層のマネジメント、コミュニケーシュオンを生む仕掛けづくり
研究開発リーダーの革新推進力と技術者の潜在能力発揮
改善活動を軸とする「現場力再強化」の推進
労働市場改革の推進
・働き甲斐、気持ちよく働ける環境づくり
コミュニケーションのきっかけ作り、制度、ルール、文化、風土、建物、設備、福利厚生施設、他
安全・衛生・過労・メンタルヘルス
報告者:井手上 SL
2007年度研究会実績に戻る