1.研究内容

1-1.発表者      清野 恒昭 会員

1-2.テーマ 「インドの知的財産制度について」

1-2-1.主な内容

 ※清野会員が「新興国の特許制度」の1つとして「インドの特許制度」について説明があった

1)なぜインドの知的財産制度か

①インドの特許は「新興国のモデルになるべき制度」と言われている。これはイギリスの植民地から独立して、インド独自の

国力を早急に高めるために特許制度を活用したことによる

②インドは、1965年に「発展する権利」を主張し、発展途上国にも経済の発展段階に応じて適用可能な知的財産制度が必要で

あると主張し、1970年に法を定めた

2)インドについて

①人口:103千万人(2001年)、言語は公用語のヒンディー語など17種類、識字率64.5

②産業:IT産業はソフトウエアからバックオフィスサービスまで、

・製薬は世界有数のジェネリック製薬大国、

・医療は優良な病院が多く、海外から年間15万人が治療のため渡航する。臓器移植もできる

3)インドの特許制度

1970年:特許法制定(意匠法は分離)

・製法特許のみで、物質特許は不特許事項、したがって新規化合物の特許は認めない

・製法特許のみのため、ジェネリック薬品業界は花盛りとなる

1999年:WTO加盟のため特許右方を改正

・物質特許の出願、排他的販売権の申請を受理するが審査はしない(実質は製法特許のみ)

 ③2005年:特許法を改正し国際水準になった

 ・新規の組成物、薬物、化学物質、食品などの特許を認める(但し、国家が必要な場合特許取り消しの留保事項がある

 ・コンピュータプログラムは特許として認めない

 ・数学的方法、アルゴリズム、ビジネス方法は認めない

 ④財産的情報の保護

 ・生物資源的、伝統的知識の保護として、先住民の知恵、遺伝的情報、古くから利用されてきた薬草などの情報保護

 ・インドは3000年以上前から「アーユルヴェーダ」という医学書あり、多くの薬草や薬草の処方が紹介されている。

現在3万以上の薬品の処方が完成し、外国語版も作成中である

 ⑤意匠

 ・200年に意匠法を改正、新規制の基準が世界水準になった

 ⑥著作権

 ・1999年改正(1914年制定):著作物の定義をソフトウエアまで広げた

 ・民事上の救済(差し止め、損が買収請求な)と刑事上の罰則(3年以下の懲役、60万円以下の罰金など)の両方がある

⑦営業秘密:世界標準的な秘密は保護の対象になる

 ⑧サイバー法:インドは世界に先駆けてサイバー法が制定された

 ・2004年のパイラシー率は74%、法的な制度は整っているが現実がそれについて言っていない

 ⑨インドは国力向上のために独自の特許を制定し、国策として特許を活用して近代化を達成していったのは興味深い

 


報告者:小山 リーダー

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