1.研究内容

1-1.発表者  鈴木勇吉会員

1-2.テーマ ものづくり企業の事業承継 -株式会社K社の取組み-

1-2-1.主な内容 

1.K社の製品と業務

・小型歯車生産用工具金型機械及び部品:射出成形用金型、ロール転造工具、精密加工品、鋳造用金型、プレス用金型、歯切工具、鋳造用金型、CDダイス、検査具、治具など

自社開発製品の紹介:ノブシックギア(青山学院大学との共同研究)など

2.K社の概要4800万円(資本金)、設立昭和419月、相続型承継である。

  当時の最先端技術の放電加工機1号機を導入(350万円)・・・・東京都の設備資金融資を活用

売上5億円、20台の放電加工機あり、従業員30人、本社高砂工場・ショールーム

営業技術センター・八潮工場、新宿事務所   「歯車一筋」という書物を自費出版した本の紹介があった。

3.K社の特徴

・経営理念「人を育む、歯車を育む」として人と歯車を両輪に掲げる。・創業以来一貫したパイオニア精神がある

     ダイアルノギスの特許取得 表彰など:2006年:経済産業省の「戦略的基盤技術高度化支援事業」に認定

2007年:元気なモノ作り中小企業300社に選定される(経済産業省、中小企業庁)

・勇気ある経営大賞受賞(東京商工会議所)などの表彰をもらっている

4.苦労から学ぶ:物的担保の必要性を痛感、工場用地など土地に積極投資:葛飾区高砂の用地取得(本店所在地)、

工場は埼玉県八潮市

5.経営方針

5.1全社員が営業マン5部門(ダイス、金型、成形金型、機械、CD加工)に人員、機械設備の再編成→共通項を「歯車」にした。

社員は製造だけではなく、電話対応から訪問客への対応まですべての営業活動を担当する。

5.2元気のキーワードは?

①事業特化:創業以来、歯車に特化したパイオニア精神、大型歯車分野ではなく小型歯車に特化

②技術と人の融合:高い工作技術と人づくり

③外部との積極的交流:見本市、学会、異業種交流会への参加で情報収集と技術の紹介、

見本市は、成果発表の場、成長の場、世間と業界の接点一流企業、大企業との接点とか投げている。

④インターネットを活用:ホームページは社員が製作、運用している。内容は「会社案内型」から「商品カタログ型」切り替えている。

6.事業承継

     子供の頃から当然と育つ、自分の思いを実現できる、社長59歳、息子が25歳で承継

     悩んだこと:社員からの信頼が難しかった

     就任時は、価格競争激化で売り上げは30%減だった。

6.1成功要因:参謀役が支援してくれている、社外に良い相談相手がいる、取引先の支援

     承継後の取組みは:5Sの徹底とIT化、機械の配置・ラインの見直しで効率化

(二代目のまとめ)

     承継には魅力とスタッフが必要 ・理念の継承と覚悟、柔軟性が必要 ・規模ではなく「質」を追求する ・海外メーカーとの違いは人である ・超前向きに取り組む

7.不景気への対応

・ 景気が悪くなり始めて「人」の大切さがわかる。

     Speed Try :成形品高速試作サービス:試作品は成形品で納期は最短3日間、見積もり時間の短縮(待っている間に見積書作成)

     リストラしない宣言と2年で回復宣言

8.家族的経営 :パイオニア精神 ②歯車を育む、人を育む ③顧客価値の共創 ④社会的責任を全うする

→大学の講師が指導し、21回、5回の小テストと卒業試験、約半数が卒業

→定年者は会社の最大功労者、処遇は従業員に対して最大関心事

(課題)5年前から離職者が多くなった。背景は若者の価値観の変化がある。今後、若者の価値観と共感を与える新しい企業風土作りが課題である。


報告者:殿村サブリーダー

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