1.研究内容

1-1.発表者   山本 祐一郎 会員

2-2.テーマ 「2007年問題を契機とした製造業におけるIT操業支援の取り組み」

2-2-1.主な内容

1)2007年問題とは

・平成17(2005)年の日本の人口12,777万人が50年後の平成67(2055)年には8,993万人へ大幅な減少が予測されている。

   ・2007年からの団塊の世代(1947年~1949年の3年間に生まれた世代で労働者数は678万人)が一斉に退職

   ・労働力不足、ノウハウ・技術の伝承などの問題が発生

     具体的には、(1)意欲のある若年・中堅層の確保が難しい、(2)伝承に時間がかかり円滑に進まない、(3)教える方と教わ

る方の年代/レベルの差が開きすぎていて、コミュニケーションが厳しい等がある。

対応策として雇用延長や嘱託として再雇用、中途採用を増やす、伝承すべき技能・ノウハウ等の文書化等、派遣労働者、

アルバイト、非正規社員、請負業者等の活用、外注の活用等が行われている。

 2)高齢者と雇用

   ・団塊世代の退職が後世代への技術・技能へ及ぼす影響度は、全産業でも約半数の企業が多少困難化するとされており従業

員数が多い企業ほど困難化の比率が大きくなっている。

   ・年連階層別の雇用者過剰感は50歳代後半をピークに従業員数の規模に関係なく40歳代以降で増加している。

 3)技能継承の課題(マクロ)

   ・日本製造業の空洞化の原因として2007年問題と経済のグローバル化が課題とされ、中長期的な視点からの人材育成が求め

られている。具体策として、高齢者の活用、若年者の確保・育成、中堅層の役割などが考えられる。

 4)技能継承の課題(ミクロ)対応策

   ・労働力の不足

(質的不足)

     (1)一人前になるまでに310年の期間がかかる、(2)入職後の教育訓練が不足している、(3)求める能力を持った人材が

不足している。 

    (量的不足)

(4)ものづくり企業の魅力の低下(3K職のイメージ)、(5)高校からの製造現場に入職する人の減少、(6)少子化

     (7)採用してもすぐにやめてしまう、(8)もとめる能力を持った人がいても、その他の用件があわず採用困難

   ・中長期的な視点からの人財育成(現場力の維持)

    (人財育成)

     (1)OJTによるマンツーマン指導、(2)技能塾の設置などoff-JTの実施、(3)退職したベテラン技能者を指導者として活用、

     (4)技能のデジタル化・マニュアル化⇒暗黙知の形式知化

    (基盤技術を担う人材の確保) 

     (5)経験者の中途採用、(6)新規学卒者の採用・教育訓練の強化、(7)若年失業者の雇用強化、(8)従業員の職種転換、

     (9)派遣等非正規社員の活用、(10)外注の活用、(11)魅力ある職場つくり、(12)女性雇用の強化

 5)IT活用によるユビキタス操業支援の提供

    ・操業ナビゲーションシステムの実現:品質作業指示、係長メモ、現場日誌などの情報と制御システムと連携し適切なタイ

ミングで必要な指示を提示する

・操業解析支援システムの実現:日々の作業実績やノウハウを簡単にデータ連携し分析可能とすることで、操業のスパイラルアップを促進する。データは従来のテキストに加え画像等を含むマルチメディアをサポートする

・現場作業支援システムの実現:最新PDAやRFID技術を応用した一人遠隔操作、設備・操業点検支援等の提供

・ユビキタス工場基盤技術の開発と適用:騒音対策モバイル音声認識や計測器ワイヤレス化技術及びそれらの複合技術によって

一人作業の支援やIT野鳥化を推進 


報告者:井手上 サブリーダー

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