1.研究内容

1-1.発表者 太田 芳雄 会員

1-2.テーマ A社(製造業)診断事例

1-2-1.主な内容                    

 1)太田会員が指導員として実施された製造業A社の診断事例について概要を説明され、メンバーでディスカッションを行なった。

     事例の日程:10間、1日目:準備、班長、副班長決定、質問事項整理、服装などの注意点などの合意

     2日目:経営者ヒアリング、巡視、調査 3日目:調査事項抽出 45日目:工場内調査、ヒアリング

     6日~9日目:報告書作成、取りまとめ、 10日目:午前中リハーサル→午後:プレゼンティーション、質疑応答

・ 指導員太田会員の他メンバー9

2)準備、方法

     3次実習のように、財務、労務管理、生産管理、マーケティイグ、情報などに分担せずに重点項目に絞って纏めた。

     出来るだけテキストや過去の事例を見ないで、纏めるよう指導した。

     事前調査として、財務情報の他、ホームページなどで情報を入手する必要がある。

     社長の将来方針、ビジョンなど、思いを聞く必要がある。

・ 用意した器具、用紙:ワークシート、ストップウオッチ、ルーぺ、コンベックス(水準器付き)、デジカメなど

 3)A社の概要

  ・売上1011億円、約40人規模であった。

     部署は、製造、輸送(配送、入出荷)、営業、事務(総務と購買)があった。

 4)分析手法

     モラールサーベイを実施した。その他、財務分析、作業分析、ワークサンプリング、ストップウオッチ法、(連続観察を実施)、レイアウト検討などを行なった。

5)分析結果

     主要作業:23%、準備作業:66%、非作業(所在不明など):11%、また設備関連69%、非設備関連69%であった。

     作業分析は941サンプル

     40個/ロット(143秒)~50個/ロット1100個/ロット~250個/ロット~300個/ロット~500個/ロット(436秒)

     1日約100種類のロットがある。

     残業は2223時まで実施していることもある。

     強み:11項目、弱み16項目を抽出、弱みに目が行き過ぎないよう留意した。
弱みの具体例:①製造にミドルマネージャーがいない②5Sが出来ていない③製品の取扱が悪い(じか置き、足で踏むなど)④棚割が無い⑤作業標準が無い⑥通路が整備されていないなどがあった。→これらについて改善提案した。

     顧客アンケート(満足度調査)の分析を行なった。DI指数分析を実施した結果、納品時間に80%の不満があった。

     不適合品などの損害分析も実施した。年間約440万円の損害(売値)であった。

     経営課題として、①営業のスキルアップ②生産性向上③情報管理:原価管理、文書管理、ホームページの活用)

④中長期的課題として、理念、ビジョン設定などがあった。

     具体策:工程管理、作業順序、方法、要領、検査方法、機械の整備、標準時間、在庫、技能レベル設定、安全、環境

      騒音対策、平準化、進捗管理、稼働率向上、動線、監督者育成、不具合の改善処置のルール化、ジョブローティーション、多能職化などを提案した。

・工場内外の悪い所を報告書に写真で添付し、判りやすくした。

6)コンサルタントとしての注意事項

     特性要因図と5Sは、日本が誇れるものである。特性要因図の利用やブレーンストーミングは有効である。

     ポカミスの真の原因は「情報」「方法」「人」「もの」「設備」などに分けて考えると良い。

     会社の管理レベル(15段階)が、どのレベルか認識してから診断する方が良い。企業文化を侮らないこと。

     現地、現場、現物を忘れない。気付かせることが大事。批判をしない。ヒアリング不十分で助言、アドバイスをしない。

     弱みとして、特定人物、部署を取り上げない。

6ヵ月後にフォローアップした結果、レイアウト変更、棚割り、5Sの進展、不適合報告書の採用や製造経験者の採用などを実施していた。


報告者:殿村 サブリーダー

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