1.研究内容
1-1.発表者 竹村 一太 会員
1-2.テーマ 「中小・ベンチャー製造業の知的資産経営支援」
1.知的資産経営の背景
①中小・ベンチャー製造業は、経営課題が山積するが、社長の仕事はあまりに多く、問題点を分析し、アドバイスする支援者が
必要である。経営理念やミッションが成文化されていない。既存事業が縮小し、資金調達需要が増大。従業員の動機づけも必要
になってきている。
②中小企業基盤整備機構が知的資産経営支援事業として「中小企業魅力発信発信レポート作成支援事業」を行っている。。
2.知的資産とは
①人的資産(従業員が退職時に持ち出す資産:イノベーション能力、想像力、ノウハウ、経験、モチベーションなど。
・構造資産:データベース、組織の柔軟性、文化、システムなど。
・関係資産:イメージ、顧客ロイヤリティ、顧客満足度、供給業者との関係など。
②知的資産は知的財産より広い概念で、組織力、人材、顧客とのネットワークなど企業の「強み」となる目に見え難い経営資源の
総称である。
3.知的資産経営とは
①知的財産経営は、自社の強み(知的資産)を活用することで、事業の安定や向上につなげている経営。
「自社の知的資産(経営)を“知る”」→「自社の知的資産(経営)を“まとめる”」→「自社の知的資産経営を“伝える”」、「自社の知的資産経営を“深める”」→「社外・社内のステークホルダー」の手順で実施していく経営である。
②「伝える」は、外部コミュニケーションとしての活用できる
③「深める」は、「知的資産を把握する(“見える化”による体系的な整理)」→「知的資産を活用する(効果的な経営戦略の立案と展開)」→「知的資産を開示する(経営幹部・従業員に気づきを与える)」のサイクルで内部マネジメントツールとして活用する。
④知的資産経営(報告書)の効果
・内部マネジメントツールとして、経営者の考えが整理でき、ベクトルが明確化する。
・外部コミュニケーションツールとして各ステークホルダーに対し、信頼性を高めることができる。
⑤知的資産経営に関して次の意見があった。
・このプロセスは企業にとって重要であるが、コンサルタントに頼らず、対象企業が自主的に実施していくことが重要である。
・知的財産として重要な特許の取り扱いなど専門性が高い知的財産について、高度の専門家のアドバイスが必要になる。この点が不足している。
・知的財産という有形資産と知的資産という無形資産の関係から、ホワイトカラーの生産性を高めることに結びつけば大きな意味がある。
4.中小企業魅力発信レポート作成
①経済産業省は、2005年ごろから「知的資産経営」についての取り組みを行っている。
2009年、人材対策事業の一環として「中小企業魅力発信レポート作成支援事業」を予算化、2010年3月からレポートをWeb発信している。
②中小企業魅力発信レポート事業のスキームは、「全国中小企業団体連合会」→「中小企業整備機構」→「帝国データバンク」⇔「作成支援者(専門家)」⇔「企業」。
5.事例:
・「中小企業基盤整備機構の特設サイト「魅力発信レポートWeb」(http//miryoku.smrj.go.jp/)で発信されている機械製造業社の魅力発信レポート(知的資産経営報告書)を題材として、知的資産経営支援について活発なディスカッションを行った。
・「今後、本事業のような知的資産経営支援の取り組みを積極的に行うことが必要である」との意見もあった。
報告者:小山リーダー
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