1.研究内容
1-1.発表者 小山 武夫 会員
1-2.テーマ 「危機の経営(サムソンの事例)」
1‐2-1 内容
サムソン社(韓国企業)の躍進と今後日本企業が生き残る道について報告された。
1) サムソン社の概要:設立1969年、資本金8,975億ウォン(2009年12月)売上 連結138兆9938億ウォン(約10兆円)
営業利益 連結 11兆5776億円 純利益 連結9兆6490億ウォン 従業員 16万人弱(2009年)
企業総数 64社、
韓国最大の財閥で、韓国GDPの15%を超える。
「デジタル化」の変化に対応し、1990年代の機器による大変革を実施した。
2) 李 健煕会長の危機意識(品質、大企業意識で危機感が無い)により改革を進めていった。
3) 3PI運動を実施するも改革は父として進まなかった。
○ パーソナルイノベーション(意識改革)
○ プロセスイノベーション(全プロセスの改革)
○ プロダクトイノベーション(革新的な製品創造)
進まなかった原因:グループ内の人々の「奢り」、相互不信、個人や集団の利己主義、権威主義や他律日和見、無責任等
韓国企業では個人主義が当たり前で組織で仕事をするということが無かった。
4)IMF危機を転機として改革が大きく進展
サムソンも大リストラを実施:従業員16万人→11.5万人へ、給料30%カット、グループ企業140社→83社へ
上記により社員の危機意識が芽生えパーソナルイノベーションが進んだ。
○ 教育制度の導入:人力開発院、社員研修施設、補助金
○ 「地域専門家」の育成・・・各国に派遣され溶け込み、その地域のニーズなどを商品開発へ活かす情報収集を行う
4) プロセスイノベーション
PDM(Product Data Manegement)を構築し、製品の開発や生産に関するデジタル情報を一元管理が行えるようにな
り、チーム設計やコンカレント設計が可能となり、開発期間の短縮、費用の削減が実施できた。
モノづくりがアナログからデジタルへ変化することにより仕様変更等に柔軟に素早く対応ができ、企画と生産が物理的に
離れていてもモノ作りが可能となった。 日本のものづくりの意味が10分の1に。消費者ニーズや需要に応じ製品の
中身や生産量を変えたり、技術の陳腐化のスピードがどんどん速まってきる。企業が生き残るためには「市場の認識」「製品
設計」「投資の決断」が重要となる。 日本企業は「投資の判断」が苦手である。
5) プロダクトイノベーション
ベンチマーク方式を利用しリバースエンジニアリングを実施、基礎開発への投資は少なく、製品開発が主体。良い技術は
利用すればよいとの考え。
6) 製品価格の決め方
多くの日本企業は 価格=コスト+利益であるがサムソンでは、価格―利益=コストである、
製品の質は消費者が決める。日本メーカーは過剰品質がコスト高になっていないか、自己満足でないか。
サムソンは消費者の要求しか見ていない、1つの製品で20種類くらいのデザインを用意するが、日本企業は4種類程度
7) 日本のものづくり
競争力:裏の競争力→表の競争力へ。顧客から見える競争力に力を入れる。
デジタル化できない領域を守る、
変化に素直に対応する。意思決定はトップがしない、デジションでなくジャッジを行う。
8) 日本企業の生き残りの道
100年培った強靭な基礎体力がある。多様化した市場の要求から企画立案する。このままでは生き残っていけぬの強い意
思。個の独立、見せない、しゃべらない、触らせない。特に新た視鋳物を創造するときには、設計思想についてはもらさ
ないこと。技術をむしりとる場を作れ。必要なのは技術の伝承ではなく、技術の伝達である。出来上がったものを伝えよ
うとしても伝わらない。技術を伝えたいなら、先輩からむしりとって成長させよ。
報告者:井手上SL
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