1.研究内容

1-1.発表者 新井 一成 会員 

1-2.テーマ:「ものづくり企業の課題 ~電気通信産業を中心に~ 」

1-2-3.  内容

(1)   電気通信産業の現況

     全産業の名目市場規模で約10%を占める。使用規模ではTOP産業である。(平成23年度 情報通信白書)

     国内生産額は近年減少傾向にある。

     成長分野(年平均10%以上の成長)は

コンテンツアプリケーションレイヤー:EC、モバイルコンテンツ、SNSブログ、インターネット広告、システムメンテナンス

プラットホームレイヤー:コンテンツ配信基盤、データセンター、電子マネー、オンライン決済市場、統合セキュリティー、ASP

通信レイヤー:移動データ通信、固定データ通信

     国内の通信機器産業の規模は、以前は世界市場の約10%といわれていたが、新興国市場の成長や国内市場の低迷により

7%までに減少

     携帯電話市場は、加入者は年々増加しているものの、1人当りの売上高は7年間で半減となっている。

     2011年度は通信大手3社ともに、スマートフォンの普及に伴い音声通信収入<データ通信収入となった。

     固定電話市場は、7年間で34%減少、1人当りの通信費も5年で8減少。通信自体が激減している。

(2)   ものづくり企業の抱える問題点

     外部環境:マクロ経済環境(サブプライム問題、リーマンショック、欧州経済危機、円高)、自然災害(東日本大震災、タイ洪水)

産業生態系の変化(スマホ・タブレット景気に沸く部品産業もあれば、経営危機となる部品産業もある)

     競争環境:通信端末での韓国勢の躍進、通信インフラ機器での中国勢の活躍、新興国の生産コスト

       新しいビジネスモデルの出現に国内メーカー対応できず(ベンダーファイナンス、マネージドサービス等)

     内部環境:企業の寿命、経営承継問題、「選択と集中」の失敗、イノベーションノジレンマ、過度の日本市場依存、株価偏重/

     短期利益優先

日本のものづくり中核企業の年齢・・・およそ100年前後であり、今年度の業績の厳しかった電機業界のものづくり

企業にも当てはまる。

  カリスマ的創業者・経営者からの事業承継の優劣、ワンマン経営から合議制経営へ

      「選択と集中」の失敗→本来は「選択による集中」縮小した分以上の成長分野への投資が必要。

(3)   ものづくりの価値の変化→価値は減少したのではなく変質した

     工業製品を製造して販売することの価値が減少?

    価値観の多様化、「顧客価値」

     製品を製造する作業の価値が減少? 

      バリューチェーンノの位置よる付加価値の違い

(4)   ものづくり企業の課題

     価値づくりを考える(外的価値でアピール、内的価値を高める、外的価値、内的価値への投資バランス

     産業生態系の変化に備える

   非常に短期間に主役製品、ビジネスモデルが覆る、複数の顧客に販売していても、最終製品が一種類では危険

   インターネットによる破壊的イノベーションは今も進行中


報告者:井手上SL

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