1.研究内容
1-1.発表者 小山 武夫 会員 :
1-2.テーマ 「電力問題を考える~FUKUSIMA原発事故を考える~」
1‐2-3 内容
1.はじめに
福島原発は、「我々は運が良かった」。アメリカをはじめ外国は、最悪の場合を想定し、即刻、関西に避難した
2.福島事故は原子力発電の「パンドラの箱」を開けてしまった
原子力発電に関する7つの疑問、「安全性」「核燃料サイクル」「廃棄物処分」「使用済燃料長期保管」「環境中放射能障害」「発電コスト」「社会心理的影響」「核燃料サイクル」が顕在化した。
(1)
安全性
Ø 技術的な安全性だけでなく、人的、組織的、文化的安全性が必要。
Ø 「想定外」「確率論」「経済性」の落とし穴で事故は起きた。再稼働には、「原子力安全庁」の国民からの信頼が必要
[コメント] 政府の方針を明確にする必要がある
(2) 核燃料サイクル
Ø
核兵器製造のポテンシャルを保持する、という考えも根底にある。
Ø
核燃料サイクルの計画は進んでいない。技術的にも疑問がある
[コメント] 技術者は自信を持っている。国の方針がふらふらしているのが進まない原因である
(3) 廃棄物処分
Ø
使用済核燃料の処分法は、最終的には決まっていない。直接処分が世界の潮流。もんじゅ高速増殖炉の継続に疑問。
[コメント] 技術者は自信を持っている。事故は必ず起こる。それを最小で防ぐ技術が必要である。
(4) 使用済燃料長期保管
Ø
原発内の使用済燃料プールの安全性確保が必要
Ø
六ヶ所村再処理工場は稼働の見込みが薄く、使用済燃料は行き場がない状況
[コメント] 技術者はできると確信している。国の方針がふらふらしているのが進まない原因である
廃棄物処理、使用済燃料長期保管では、「Not in My Backyard]が問題になる
(5) 環境中放射能障害
Ø 福島事故は、チェルノブイリに比し、放射線拡散は10分の1。
Ø 発がんリスクは明確になっていない。発がん性では、放射線量より、生活習慣の方が大きいとの国立がんセンターのデータあり。
[コメント] がんセンターのデータは、国民の安心を得るための実験データで人のデータではない。
Ø 環境中放射能の長期的影響についての回答はない。
[コメント] 国際基準1ミリシーベルトと避難解除基準20ミリシーベルトについての議論なり。国も国際基準を守る方向にある
(6) 発電コスト
Ø
発電事業は、固定費の高いビジネス。
Ø
電気料金は総括原価方式で今後問題になる
(7) 社会心理的影響
Ø
「直ちに影響はない」と社会心理的リスク。長期的には不安という精神的被害。「風評」でも極度の不安になる。
Ø
「原発の徹底的な安全強化」なしでは、「脱原発」「源原発」の議論はできない
[コメント] 情緒的にならず、しっかりしたデータのもとに検証して、結論を出すことが必要。
[コメント] 社会心理的な影響は大きい。その点から、原発はなくすべきである。
(8) 福島事故調査報告書
Ø
政府、国会、民間、東電の比較で、津波を原因としているのが多い
[コメント] 政府報告書に期待したが、期待はずれ
[コメント] 報告書は、最終報告書の形をなしていない
[コメント] この4つの報告書の他に、大前氏が個人的に調査した報告書がある。
この報告書だけが、検証している。
この報告書のまとめを別添の参考資料とした。良い指摘もあるので参考にしてください。
3.国のエネルギー政策
(1)エネルギー政策の見直し
Ø 電力会社の安定供給をどう確保するのか。原発停止に伴う燃料費の高騰が問題。
Ø 各国のエネルギー政策は、原発継続と脱原発に2分されるが、化石燃料が80%を占めている。再生化のエネルギは2%
[コメント] 再生可能エネルギーの予想より比率は低い
(2)原発停止の影響
Ø
原発停止に伴う燃料費のアップは、23年度2.4兆円、24年度3.1兆円に達する。
Ø
原発再稼働を90年以降建設の装置稼働で5%程度、80年以降の建設装置稼働で15%程度である。
(3)化石燃料使用の問題
Ø
使用済核燃料の処分法は、最終的には決まっていない。直接処分が世界の潮流。もんじゅ高速増殖炉の継続に疑問。
[コメント] 技術者は自信を持っている。事故は必ず起こる。それを最小で防ぐ技術が必要である。
(3)化石燃料使用の問題
Ø
化石燃料の枯渇問題は、石炭100年、天然ガス60年、石油45年である。
Ø
CO2増加で地球環境の問題、化石燃料の高騰の問題
Ø
石炭発電は、石炭の安定供給、備蓄設備が効果、発電効率が低い、などの問題点がある
[コメント] 石油の枯渇は、40年前と変わっていない。
(4)自然エネルギー源(太陽光発電)の開発
Ø
太陽光発電は、買取価格が高すぎる、産業の活性化につながるか、などの問題点がある。
太陽光パネルの世界シェアは、2005年の50%から10%に低下。中国にとって代わられる。
Ø
非住宅用は採算性がない、発電事業者は将来の劣化見込みが重要、などから急速な普及を過度に期待できない
[コメント] 技術者は自信を持っている。事故は必ず起こる。それを最小で防ぐ技術が必要である。
(5)自然エネルギー源(風力、地熱)の開発
Ø
風力発電は、洋上風力発電のポテンシャルは高い。発電量の変動が大きい、設備メンテナンスコストが高い、
電力網の安定確保、など問題点は多い。
Ø
地熱発電は、開発に時間がかかり、開発コスト開発リスクが大きい。
[コメント] 自然エネルギーは、環境を多少損なうことを考慮する必要がある。
4.おわりに
Ø 「脱原発」「源原発」については、最終的な結論は出ていない。これまで培ってきた技術をすべて捨ててよいのかという問題も含めて、国は明確な方針のもとにエネルギー産業の育成を図っていかなければならない。
Ø 国民は、「自分たちでやれることはやる」という強い気持ちを持ち、エネルギー問題に対処する必要がある。
「省エネルギーが最大のエネルギー源である」ということを再度考えてみる必要がある。
今年の夏の電力ピークも、10%の節電で乗り切ることができた。今後も、知恵を出し合って省エネに取組むことが必要。
以上
報告者:小山L
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