1.研究内容

1-1.発表者  竹村 一太 会員 

1-2.テーマ 知的資産を活用した中小製造業の経営革新

1‐2-3 内容  

1)注目を集める知的資産経営

①知的資産経営とは

知的資産とは、従来のバランスシート上に記載されている資産以外の無形の資産であり、企業等における競争力の源泉である、人材、技術、知的財産(特許・ブランド等)、組織力、経営理念、顧客とのネットワークなど、財務諸表に表れてこない目に見えにくい経営資源の総称である。こうした会社の強みである知的資産をしっかりと把握し、それを活用することで業績の向上に結びつけることが「知的資産経営」である。

②知的資産経営の情報発信サイト

 経済産業省が知的資産経営の普及に力を注いでいる。「知的資産経営ポータル」には知的資産経営に関する情報が掲載されている。中小企業232社(201211月現在)の知的資産経営報告書を閲覧することができる。また、中小企業基盤整備機構も知的資産経営のポータルサイトを設置している。「魅力発信レポートweb」では、603社(201211月現在)の知的資産経営報告書(魅力発信レポート)を閲覧することができる。

n                       知的資産経営ポータル(経済産業省)

http://www.meti.go.jp/policy/intellectual_assets/index.html

n                       知的資産経営報告書開示事例(経済産業省)

http://www.jiam.or.jp/CCP013.html

n                       知的資産経営ポータルサイト(中小企業基盤整備機構)

http://www.smrj.go.jp/keiei/chitekishisan/index.html

n                       魅力発信レポートweb(中小企業基盤整備機構)

http://miryoku.smrj.go.jp/

③知的資産経営WEEK2012

 現在(20121031日~1130日)、「知的資産経営WEEK2012」のイベントが開催されている。7年目になる今年は、さまざまな士業会、学会、中小企業基盤整備機構などがイベントを主催・共催する。中小企業診断協会/東京都中小企業診断士協会も、1119日に、東京商工会議所と共催で、「会社の強みを『見える化』し、コーポレートブランドを高める方法」と題したイベントを行う。

n                       知的資産経営WEEK2012

http://www.jiam.or.jp/new5063.html

④知的資産経営学会

 201112月に、知的資産経営学会が設立された。

n                       知的資産経営学会

http://www.jiam.or.jp/new5063.html

2)知的資産経営の目的や効果

①社内のマネジメント

知的資産をまとめるプロセスの中で、あるいは作成した知的資産経営報告書を通じて、経営者の想い、会社の目的、競争力の源泉、自社の進むべき道筋などを社内で共有する。これにより、共通目的に向かって、全社が一丸となり、強みを活かして、経営や業務を進めることができる。また、社内に事業承継者がいる場合には、事業承継の準備になる。

②社外とのコミュニケーション

 社外のステークホルダーに、自社の知的資産を明確にして効果的に伝えることにより、販路開拓/販売促進、資金調達、人材採用などを円滑に進めることができる。

3)知的資産経営のツール

①知的資産経営報告書

知的資産(競争力の源泉)を「見える化」し、経営者の想い、会社の目的、競争力の源泉、自社の進むべき道筋などを明らかにした報告書である。前述の経済産業省や中小企業基盤整備機構の特設サイトで報告書の事例を閲覧することができる。

②経営革新計画

経営革新(新製品の開発または生産、製品の新たな生産または販売の方式の導入など)を行う場合、中小企業新事業活動促進法に基づく経営革新計画の制度の活用も考えられる。 

経営革新計画を作成して都道府県からその承認を取得すると、政府系金融機関による低利融資制度、中小企業信用保険法の特例、東京都による市場開拓助成事業などの資金調達支援策を活用できる(但し、別途、支援機関による審査が必要であり、さらにその審査も、20133月に金融円滑化法が切れる影響から、このところ厳しくなったと言われている)。

経営革新計画は、資金調達実現のハードルは高くなってきているものの、その本来の目的である経営革新の戦略・計画策定には有効な制度である。そして、知的資産を明確にした上で自社の進むべき道筋を描くことにより、経営革新の競争優位性や実現性を高めることができる。

以上

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報告者:小山L

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