1.研究内容
1-1.発表者 神谷 俊彦 会員
1-2.テーマ 「メッキと排水・・・ローテク産業から世界を見る」
1-3. 内 容
○メッキ調査のきっかけは?→ JCGの仕事でメッキと排水に関わることになったためで、その成果の一部を発表した。(溶融亜鉛メッキについて、韓国メーカーが日本市場に入りたいという依頼で、調査、研究したもの)
(1)メッキ(鍍金)とは何か?:金属をはじめプラスチックス、セラミックス、ガラス、繊維など様々な物質の表面に、金属、銀、ニッケル、クロムなどの金属を薄く被覆し表面処理すること。
・ものづくりに欠かせない基礎技術であり、トタンとブリキのような材料から最先端製造工程の要でもある。
・目的:防錆性、装飾性、耐摩耗性、電気伝導性、「保護皮膜作用」「犠牲暴食作用」という2つの大きな特徴がある。(どぶ付け)
・利用分野 : 一般鋼材(鋼板、形鋼、平鋼、棒鋼)→ 鉄塔、橋梁(落橋防止装置、検査路等)
(2)金属表面処理の種類:
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電気使用 |
化学反応 |
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違う金属皮膜 |
電解メッキ |
無電解メッキ |
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酸化皮膜 |
陽極酸化皮膜(アルマイト) |
化成処理皮膜 |
・メッキのライバル:研磨/電解研磨、サンドブラスト、塗布/塗装、酸あらい、モリブデンコーティング(噴霧塗装)
(3)溶融亜鉛メッキの歴史
・ 1742年 フランス科学者が発明→19世紀中期 フランス、イギリスで産業として操業開始 →1906年 官営八幡製鉄所で切板の鍍金が行われる→1950年 溶融亜鉛メッキの国際会議開催→1990年代 日本で組織的な動きが始まる→2000年代 この10年は生産量が1200万t程度で横ばいである。
(4)メッキ工場生産プロセス :大きな製鉄会社では、工程に組み込まれている→中小企業はここで勝負している。
(5)メッキ工業の現状 ①元請メーカーに左右される②品質、コスト競争力を鍛えられてきた③円高不況に耐え、工夫を凝らして乗り切ってきたが、リーマンショック後の価格下方硬直、過去最大レベルの円高などかつて無い厳しさ④組立工程の海外移転、アジア製品の品質向上などを克服する必要がある。→生き残り策:ワンストップサービス思考、一貫生産など
○最近の新製品:JFEの新メッキ製品⇒プレス成形性を向上させたJX 灯油の受け皿
○
亜鉛メッキの耐用年数:厚さに直接依存 → 610g/M2当たりの亜鉛メッキした場合、田園地帯50年、海岸35年、都市25年、重工業地帯15年という実験結果である ⇒職人技の世界から数値管理の世界への変革が出来ないか?
(6)廃水処理とは何か?⇒ 廃水→処理→処理水 ⇒汚濁物質
①廃水処理の目標は、工場廃水、家庭廃水、下水等の排水中の汚濁原因を取り除いて、排水規制値以下にすること。
②排水処理工程を構築するには?どんな廃水、処理量は?、どうしたいのか?などの情報入手が必要・・
③物理化学的処理 と 生物学的処理がある。
○物理化学的処理には、凝集沈澱処理、幕分離・濾過処理、吸着処理、イオン交換処理、酸化処理、殺菌処理、照射処理、電気使用処理などがある。
○生物学的処理:好気性処理(活性汚泥法など)、嫌気性処理、好気嫌気併用、微生物利用(光合成細菌等)、動植物利用法、多段階/複合的処理など。
○ 好氣性:低濃度、10~35度C,常温、余剰汚泥発生多い、病原菌は残る・・・
○ 嫌気性:高濃度、35~38度C,中温度、余剰汚泥発生少、病原菌は死滅・・・
(7)排水処理の歴史:足尾鉱山鉱毒事件、水俣病、琵琶湖の富栄養化・・・
⇒1958年:水質保全法、工業排水規制法、1968年:公害対策基本法 1970年 水質汚濁防止法 1980琵琶湖の富栄養化の防止条例 1984年:湖沼水質保全特別措置法 1992年:環境基本法 2004年:JFE水質汚濁防止法違反⇒データ改ざん事件
(8)水ビジネスの未来
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水ビジネスの輸出は、最も有望で重要な項目と位置づけている。日本は濾過膜技術、生物処理、化学処理による水浄化技術、水道メンティナンス技術、世界トップレベルの漏水率など、優れた技術がある。
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欧州水メジャーのような、包括的なサービスを提供できる存在がない。
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海外の国はプラントではなく、安全な水が欲しいので、サービスのビジネスモデルが必要である。システムで売る必要がある。
※一例として、「ジャリッコ」という浄化材は、浄化能力がある。日本でも多く採用されており、用途が広がり新興国の浄化として活用されつつある。
以上
報告者:小山L
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