1.研究内容
1-1.発表者 井村 章夫 会員 テーマ 「鋼索(ケーブル)の技術と工場見聞記」
1-2.内容
1.ケーブルの技術
ケーブルは、複数の針金(線材)を撚ったものを、複数集めストランドとし、さらに撚ったもので、「針金の集合体」である。
繊維芯:材質は麻や合繊が使用されている。
(1)
ケーブルの歴史
近代ワイヤーロー(鋼索)は当初、鉱山機器用として発明され、発展してきた。
14世紀 ドイツで伸線ダイスを用いて針金(鉄線)が製作された。
15世紀 レオナルドダビンチが鉄線を束ねたロープを制作した。
1830年 英国のジョージ・ライト・ビンクスが、撚線ロープを制作した。
1834年 ドイツで鉱山用として鉱山技師アルバートが、撚線のストランドをさらに複数に酔ったロープを発明した。
1840年 英国のアーバギルとスミスが、ワイヤー撚線機を発明した。
1854年 強度向上のケーブルの熱処理が英国特許第1号となった。
1887年 東京製綱が、渋沢栄一、浅野総一郎、増田孝らにより設立された。
1897年 日本で、ワイヤーロープが製造開始された。造船・鉱山用で、製造設備は英国製、線材はスウェーデン製であった。
本邦の鋼索の技術習得は明治20年代から行われたが、大正期までは、英国、ドイツ、米国に後塵を拝していた。
(2)
ケーブルに要求される機能
性能面:強度面→引張強度、疲労強度・・・ロープウェイやクレーンのケーブルは安全確保の観点から疲労強度は極めて重要
防蝕麺→さびにくい
運用面→絡みにくい、柔軟性があり曲げやすい
コスト面:材料が安価
経費が安価(作りやすい)
(3)
ケーブルの張力・変形特性
ケーブルは細線の集合体であり線間の隙間で初期の伸びが発生する。そのためプレテンション(初期の加重)で初期伸びを減らし、載荷での寸法精度を向上させる。
撚りの効果
・墝み性を向上、直線性を保つ(キンク抑制、トルクキャンセル)
多線の効果
・細線化が可能となり、材質{強度}向上、危険分散(一気の破断防止)
(4)
製造工程
線材搬入→検品→熱処理→洗線(塩酸で酸洗)→伸線(線の直径調整)→鍍金(溶融Zn、ZnAl)→ボビン巻取り→撚り線
製綱→プレテンション→出荷検査、出荷
線材ごとのロット生産のため、ロットの切り替え時(役20~30分間隔)のセットアップに人手を要する。
このため完全自動化されたプロセス産業ではない。
(5)
技術課題
・海洋用途での耐腐食性、疲労強度の向上→ケーブル構成の開発(樹脂複合ワイヤーロープの開発)
・強度向上のための素線材質の改善→鉄鋼会社と協力(Si添加、Cr添加)
2.
工場見学
明治20年創業の東京製綱株式会社 土浦工場を見学。
土浦工場は最新の主力工場であり、見込み生産と受注生産で比率は50:50となっている。
ワイヤーロープ、ワイヤ、スチールコード、などの製造、エレベータや建設機械、途上国向の建設会社向けなど注力
(1)工程ごとの説明を該社パンフレットより説明をいただいた。
以上
報告者:井手上SL
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