1.研究内容

1-1.発表者 安田 嘉 秀 会員

1-2.テーマ 「ものづくり中小企業の地域連合」    

1-3.内容

  1.      東京商工会議所 ものづくり推進委員会の「中小ものづくり企業の企業間連携に関する実態調査報告書」の紹介があった。

・アンケート576件の集計である。

・ 企業間連携は、印刷業、金属製品、電気機械器具が多い。従業員数では620人が約34%、15人では15%となっている。

・ 現在、過去に取り組んだことがあるは約15%、今後検討したいというのは33%ある。

       組織形態は同業種が約37%、異業種26%、産学18%、協同組合10%である。取り組み内容は研究開発が約29%、情報、

受注、販促が約10%、生産が9%となっている。

       成果は新製品開発が約25%、販路拡大15%、人脈拡大13%、情報獲得11%、受注増加10%などとなっている。

       活動をやめた理由は、成果なしが約26%、目的達成23%、目的意識の相違16%、資金不足10%などとなっている。

       同業種、異業種、産学とも共同研究開発がトップである。

       今後検討したい活動は共同研究開発22%、共同受注17%、共同生産14%、共同販売11%、共同購買10%などである。

  2.      中小企業の企業連携

・背景:受注減少、現状への危機感、ニーズの変化、成長分野への展開

・目的:ニーズの掘り起こしによる新たな取引先の開拓、自社製品の開発、生産、販売へのチャレンジ 

3.連携活動を上手く進める重要ポインとは

①取引連携と知識連携:メンバーにとってメリットにつながる相互の知識、技術を高める取組みが重要

②市場ニーズに対応:情報発信力と営業活動力を高める、ノウハウ、技術、設備を有機的に活用

③連携グループの枠組み構築:事業目的、方向性共有、戦略決定、運営体制決定、リーダーシップ、ブランディング

        問題意識の共有、経営資源の組み合わせ、役割分担の明確化、明確なコンセプト、活動方針の共有、HPやメディアの活用、

ターゲット市場の選定、利益配分、費用の明確化などが重要

4.中小企業の企業連携例

    リビング・デザイン東京(tobi:参加6社で、共同受注、販売、共同情報ネットワーク

        経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」に東京商工会議所と東京都家具工業組合が共同で申請、受理されたプロジェクトで、デザイナーと連携して各社が家具を製作、東京都家具共同組合の一事業部として活動

    アマテラス:参加10社、行政の支援を有効に活用した一貫生産体制による受注体制強化、航空宇宙産業における一貫生産、東京都の支援を有効活用

    磨き屋シンジケート:参加35社、商工会議所主導による地場産業の連携、研磨業を主体とした企業連携グループ、インターネット、電話、faxで受注(窓口は燕商工会議所)

    おおたグループネットワーク:参加9社、若手経営者を中心とした連携、他企業グループとの連携、金属加工を中心として2代目、3代目の次世代による企業連携、個々の経営力向上を目的に活動

    江戸っ子1号プロジェクト、:参加5+4産学官金連携、低コストで深海探査機の製造、運用を目指し事業化へ道筋、201311月、8000mの深海撮影に成功

    京都試作ネット:参加25社、試作に特化したソリューションサービス提供サービスをwebサイトで運営、ものづくりプロセスをワンストップソリューションで提供するネットワーク

    チーム入間:地域の金型、成形、精密加工業者5社の連携、共同受託によるワンストップソリューションの提供

→チーム入間については安田講師が日本VE協会東日本マネジメント部会で訪問した内容の紹介、各社のヒアリングメモの説明があった。

       リーマンショック後の危機管理、問題意識の共有、2009年結成、単独では大手から相手にされないので、5社が協調すればPR、情報収集力も5倍になるとしてスタート

       特徴:経営理念の共有、それぞれの得意技を共有、適当な規模、5社程度が最適

       行動指針:(かきくけこ)感謝、気配り(気づき)、工夫、健康(謙虚)、行動

(参加企業5社の紹介)

    (株)入曽精密:S4611設立、資本金1600万円、売上2.5億円、従業員14

・マイクロハンド、マイクロパーツハンドリングシステム開発等、価格競争はしない、複合サービス→オリジナリティ

    東成エレクトロビーム(株):S52.6設立、資本金8500万円、売上11.0億円、従業員80

・電子ビーム、レザー加工、エンジニアリング事業等、NadCAP取得、KKDから定量技術へ

③(株)狭山金型製作所:S464設立、資本金1000万円、従業員32

・精密成形用金型の設計、製作等、新3Kを目指す(きれい、かっこいい、感動)

④(株)テラダイ:S5112設立、資本金3000万円、従業員98

・アルミダイカスト製品製造、ダイカスト金型設計等、お客様、取引先、地域社会、従業員、企業自身の満足を大事に、ものづくりは人づくり、素足で歩けるダイカスト工場

⑤(株)松下製作所:S367設立、資本金5000万円、従業員58

       精密金型製作、プレス加工,組み立て等、22年前にマレーシア進出、コア技術育成、ネットワーク、同業者との交流、

人材育成

(まとめ)連携の成功のキーワードは

    社長の信念と目標 ②社長のリーダーシップ ③コア技術 ④人の育成 ⑤連携 である。・・・などの説明があった。

 報告者 殿村SL

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