1.研究内容

1-1.発表者 殿村 順一 会員       テーマ「建設工事での失敗分析」 

1-2.内容

 

  建設業の外部環境

 建設業の診断の行う場合の参考となるデータは建設業ハンドブックを利用できる。(WEBで入手可)

 仕事の増加に伴い初心者も増加している。→事故が多い

  ・東京オリンピックの決定、国土強靭化基本法成立、東北地方の復興事業、耐震改修促進法が2013/11/25施行、

首都高速道路6,300億円更新計画、リニア中央新幹線計画

    ・労働需給調査の結果→8職(トビ等)の求人倍率2.1%

    ・平成24年の死亡事故 建設業367件/全業種1,093件

  失敗事例

ア)高速道路工事での火傷→路体、路床の改良工事での生石灰安定処理工法実施時に長靴に石灰が入り汗と反応し火傷。

  原因分析:工期遅れからの焦り、石灰の知識不足

  再発防止策:工程遅れへの事前対策とフォロー、未経験工事に対する十分な事前調査の実施

イ)  クレーンの転倒事故、背景は安値受注による安全へのしわ寄せ

原因分析:計画、手順が不明確、アウトリガーの張出不足、安全装置の作動解除、警報無視と自動停止装置の解除 

再発防止策:計画段階でのリスク予測と予防処置、安全な配置計画、アウトリガー張出確認、安全管理者が解除スイッチのキーを抜いて保管

  ウ)  テールアルメ工法の崩壊事故、テールアルメ工法にて施行した擁壁が台風による大雨でテールアルメを含む盛土崩壊

        原因分析:円弧すべり安全基準1.3、飽和土に水道が形成、土石流、排水溝の不備・不十分

    再発防止策:排水溝の設計充実、盛土材料の選定(浸水性材料の選択)、配水池の防水処理

  エ) 笹子トンネル事故、上部の換気設備を構成している天井版が延長110mに亘って崩落

    原因分析:施工段階での接着剤量の不足、接着剤の劣化、ボルトの腐食、ずさんな詳細点検等がいわれている。

    再発防止策;設備の維持管理(打音検査等)

  原因分析の手法(方法論)

ア)  企業風土、企業戦略、目標、達成手段などの良否(時代にふさわしくない理念、文化)→CSR

イ)  M+環境・場所+情報等・・・

ウ)  プロセスのどこで、悪さがあるのか?→バルーチェーン

エ)  組織の機能:労務管理、人事管理、教育訓練、財務管理、品質管理、環境管理、安全管理・・・

  なぜなせ分析(最低5回のなぜなぜ)

ア)  管理技術と固有技術が必要

イ)  プロセスで考える

ウ)  事実を正確につかむ(5W1H

  技術者の役割

ア)  危険予知能(想像力)を高める

イ)  技術標準を技術進歩に合わせて見直す

ウ)  危険源を予知できる感性、洞察力を磨く

エ)  技術者は企業倫理という基本原則を忘れずに行動基準に沿って判断する

オ)  他社事例も含む失敗事例を分析し、真の原因をつかむ能力を高め再発防止をはかる

カ)  情報を公開し、共有する勇気を持つ

以上
報告者:井手上SL

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