1.研究内容
1-1.報告者 三浦 達三 会員
1-2.テーマ 「ファクシミリビジネスにおける栄枯盛衰ストーリー(ここから何を学ぶべきか)」
1-3.内容
[報告趣旨]:
・日本のFAXビジネスの牽引役であった電電ファミリ企業におけるFAXビジネスの発展と衰退の歴史を通して、学ぶ
べき事項を考察し、今後、ものづくり中小企業の経営を支援をするためのポイントを抽出し報告する。
2-2-1.ファクシミリビジネス発展の歴史
・ファクシミリは、写真を離れた場所に伝送したい欲求から、1983年に英国で発明された(電話発明の30年前)
・1960~70年代、FAX伝送規格の国際標準化、電話回線のFAX通信への開放により世界的に普及した。
・日本国内では官民一体となった普及活動により、日系企業で盛んにFAXが開発され、国内市場のみならず、世界市場
も日系企業が席巻する成功を収めた。
2-2-2.ファクシミリビジネスの環境変化
・1990年代以降、PCの普及、ネットワークの充実・高速化、高性能レーザープリンタの低価格化などのFAXを取り
巻く環境変化が起こり、どれもFAXビジネスにとっては逆風の変化であった。
・それらの環境変化は、当初からFAXビジネスを牽引してきたFAX専業の電電ファミリ企業を厳しい状況へと追い
込んだ。
2-2-3.ファクシミリビジネス衰退の歴史
・オフィスの電子化が進む中、大型化したOA機器の統合化要求の高まりに対し、1995年デジタル複合機(MFP)が登場し、FAXはMFPの1機能に成り下がり、複合機を製造する複写機メーカが主役となることで、電電ファミリを中心とするFAX専業メーカはFAXと共に存在感を失っていった。 ・
・復権の為、FAX専業メーカで様々なチャレンジが行われたが、どれもヒットせず、主役返り咲きは叶わなかった。
2-2-4.ここから何を学ぶべきか
・利害の一致する組織的、人的ネットワークを構築し、国内外市場に働きかける事の大切さ
・目の前の競争だけに捉われない中長期的視点、世界市場の意識、アフターマーケットを考慮したビジネスモデル構築
2-2-5.診断士として何を支援すべきか
・組織的・人的ネットワーク構築、中長期的視点に基づく事業開発、アフターマーケットを考慮したビジネスモデル
などの提言を行い強力にものづくり中小企業を支援し強くすべき。
2-3.質疑応答、コメント
Q1. CCITTとは国際機関なのか?
A.1.Yes.
国連と協定を結ぶITU(国際電機通信連合)の機関の一つで有線の電気通信に関する技術の標準化を行う機関。
現在はITU-Tに改名されている。
Q2. 診断士として支援すべき内容は、いささか大企業向けではないか?中小企業に海外市場だ、10年先だと言っても無理
がある。
A2. 数は多くないが、世界市場でも十分通用する高くユニークな技術力を持っている中小企業も散見されるのでそういう
企業に対して長期ビジョンを示しながら支援すべきと考える。
報告者:小山L