1.研究内容
1-1.報告者 久保 聰 会員
1-2.テーマ 「施設園芸(植物工場など)での野菜生産・販売」
2-2.内容 植物工場の創業を考えて調査を行っており、近々、事業計画の具体化に取り組む予定である。
(1)
植物工場の位置づけ
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人工 |
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生物産業(植物産業、微生物産業) |
無生物産業 |
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山林 |
田畑 |
施設園芸 |
太陽光型 |
人工光型 |
発酵醸造 |
工業 |
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小← |
環境制御性、システム安定性、豆乳資源利用効率 |
→大 |
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大← |
生物多様性、風景、生態系としての複雑性 |
→小 |
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(2)太陽光型と人工光型の特徴
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項 目 |
太陽光型植物工場 |
人工光型植物工場 |
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光源 |
太陽光+補光ランプ |
LED,蛍光灯など |
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夜間電力消費 |
小(ヒートポンプ利用で大) |
大(照明と冷房) |
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土地あたり初期コスト |
小(3~5億円/ha) |
大(3~5億円/1,000㎡) |
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主な栽培作物 |
トマトなどの果菜類、葉物 |
葉物、苗、香菜類、小型根菜類、薬草 |
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主な販売先 |
流通、食品、直販、外食 |
中食、外食、流通、直販 |
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田畑に対する土地生産性 |
10倍~20倍(可能最大値) |
100倍~200倍(実現値) |
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資源利用効率、環境保全性 |
露地栽培に比較して高い |
高い |
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直接雇用 |
20名/ha |
200名/ha |
(3)環境制御機器
・基本機器:換気装置、保温カーテン装置、暖房装置
・中級装置:空気攪拌機、遮光カーテン装置、潅水装置
・上級装置:養液栽培装置、二酸化炭素施用機、気化冷却装置、ヒートポンプ、(補光ランプ装置)
最初は、費用の少ないものからスタートする。その点から、太陽光型が適している。
(4)植物工場の事業化
①事業コンセプト
・育てる(種から苗へ、苗から野菜へ)(人材育成))(省資源型の事業サイクル)
②法人化
・農業法人は、農事組合法人、株式会社または持ち分会社であり、農業を営むもの
・農業生産法人は、農地を利用して農業を行うことができる農事組合法人、株式会社または持ち分会社で、
事業要件、構成員要件、業務執行要件を加えた4つの要件を備えることが必要である。
・事業要件は、売上の過半が①農業、②農業関連事業、③農業と合わせて行う林業であること。
・構成員要件は、①農地を所有または使用収益の権利を提供した個人、②その法人の行う農業に常時(150日以上)従事する者、
③その法人に農作業を委託しているもの、④農業協同組合などの法人や団体、などである。
・業務執行要件は、株式会社社員の過半は、その法人の農業や関連作業に常時従事していることなどである。
③開発力として、基礎研究力、製品開発力、情報収集力が必要である。
④生産力として、製造力、生産技術力、品質保証力が必要である。
⑤販売力として、企画提案力、営業力、顧客サポート力(相談窓口、アフターサービス)が重要である。
(5)今後の環境
①顧客
・「健康になる安全な食品を手ごろな価格で手間をかけずに食べたい」という一般消費者の要望に対応するために、栄養的要素、
嗜好的要素、生体調整機能、安全性、流通特性、加工特性など野菜に求められる要素は多い。
②競合
・2005年度、約200万戸の販売農家(面積30a以上または年間の農産物販売金額5お万円以上)のうち、売上1,000万円以上は、
わずか7%の14万戸。植物工場の参入は、このレベルを狙う必要がある。
(6)今後について
・2015年3月から、所有する農地の有効活用を検討していく予定である。
・植物工場は、調べれば調べるほど、幅広い分野であることが分かってきた。
今後は企業化の焦点を絞れるような調査・検討を行い、近いうちに、具体的な計画に結び付けたい。
小山L