1.研究内容
1-1.テーマ 「東京都のものづくり企業の動向」
1-2.発表者 神谷 俊彦 会員
1-3.内容
(1)東京都のものづくり補助金獲得企業の姿
H25年度 全国 14431件採択 その内 東京の企業は9.6%にあたる 1387件を占めた。
H26年度 全国 13134件採択 その内 東京の企業は10.7%にあたる 1409件を占めた。
前年度に比べて東京都の比率が高くなったのは、東京都の企業が前年より多く申請した結果と推定している。
H26年度は先日発表されたばかりでまだ分析ができていないため、H25年度のデータで分析を進める。
(2)ものづくり技術で採択された企業の傾向分析
採択企業の55%にあたる775件はものづくり技術で採択されている。
残りはこの年から採用された革新的サービスの項目で採択されている。
今回はものづくり技術で採択された企業を分析して東京都の傾向を確認する。
「中小ものづくり高度化法」=「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」で規定された22分野のうち
「組み込みソフトウエア」「切削加工」「電子部品・デバイス実装」の3技術で約50%をしめている。
(3)特定ものづくり基盤技術の見直しについて
H27年3月 需要側の視点に立ち求められる「用途」ごとに技術の体系を再整理
22分野→11分野にマージされた。
その定義に従うと 「組み込みソフトウエア」「切削加工」「電子部品・デバイス実装」の上記3技術は
「情報処理技術」「精密加工技術」「接合・実装技術」「測定・計測技術」の4技術にあたる。
(4)「組み込みソフトウエア」企業の分析
57件採択されたテーマの内①自社の装置に組み込み競争力を高めるもの 25件
②自社の機器開発向けのもの 15件、③ソフト開発を自社のデータ管理とあわせて新サービスに展開する 10件
本来の趣旨に合致するものはわずかに15件という結果であった。中小企業が本来の趣旨を理解するのは難しいと推定した。
(5)「切削加工」企業の分析
55件採択されたテーマの内①技術や装置を高めてコストダウンや短納期化など現行市場で勝ち抜くもの 32件
②一段と高い精度や難しい技術に挑戦して新市場を開拓しようというもの 12件
③ ②と同じ趣旨であるが非金属の加工分野のもの 11件
この分野では明らかな趣旨違いというものはなかった。東京都にはこの分野の企業が多く存在するということである。
大きな特徴は従来製品化を分業して実現していたものを、設備や技術の導入を図り、外注することなくワンストップで
製品化を実現しようという動きが目についたこと。①の大半はこの目的である。全体の市場が縮小していく中で、
工程を分担していくほど仕事量がなくなったことや、外注先がなくなっていくという現実を反映している。
(6)「電子部品実装」企業の分析
36件採択されたテーマの内①新機能開発・新市場開拓目的 25件、②技術や装置を高めてコストダウンや短納期かなど
現行市場で勝ち抜くもの 8件、③その他
この分野では圧倒的に新機能や新製品開発のテーマが多かった。そういうテーマを作りやすいジャンルかと考える。
新しい半導体製造方法の実現やセンサー開発など意欲的なテーマがみられた。