1.研究内容

1-1.テーマ 「初めての人にむけての品質保証」

1-2.発表者 神谷 俊彦会員

1-3.内容

(1)どうした三菱自動車・・事例で考える品質管理

三菱自動車は420日、4車種の燃費試験で不正を行っていたと発表した。

日本のものづくりに大きな衝撃を与えた「三菱自動車のデータ改ざん問題」の経緯をまとめ、その問題点を整理し

これからの対策を考察した。

 

三菱自動車はどのような不正にかかわっていたのか?

 なぜ不正を続けてしまったのか? その根っこにある原因は何か?

そしてなぜ品質管理部門は不正を見逃すどころか、改ざんに関与したのか?

 同時に発覚したスズキ自動車の不正問題は何が原因だったのか?

 ここ数年に発覚した品質管理関連のトラブルとの共通点は何か?

 

 三菱自動車の問題は企業の「品質管理体制への警鐘」ととらえこれからの診断士活動への参考とした。

 

(2)品質管理 いちばん最初に読む本のポイント 

 

昨年10月に出版した「品質管理 いちばん最初に読む本」の内容を解説した。


まずその本を記した背景を説明した。それは(1)でしめした数々のトラブルが「品質管理部門」弱体化を示しているととらえ

品質管理部門に配属されたばかりの新人が感じている問題に対して回答を与えたかったこと。

次に品質管理部門がいかに重要な位置にいるかを示すことで、彼らにエールをあたえたかったことである。

 

本の構成は

1.そもそも「品質」とは何か

「品質が良い」というのはどういうことかを定義しないと品質管理はできない。

2.「品質管理」の基本と仕組み

  品質を管理するとは「仕組み」を作り、総合的な体制を構築することである。

3.「品質保証」のしくみと業務プロセス

  品質保証部門は「会社の顔」であり、外部の人に業務を見せることで信頼を勝ち取っている。

4.QC7つ道具の考え方と使い方

  人間は道具を使う動物である。時代の進化にあわせるために、既存の道具を使いこなし

新たな道具も開発して業務を進めなければならない。

5.品質管理に関する統計的分析手法の活用の仕方

  平均値と偏差値は品質管理の基本用語であるが、最近は社員には教えてきていないのが現実。

  「統計学」は「品質管理」の基礎であり、親しみをもって勉強しなければならない。

6.ISO規格による国際標準の進め方

  日本の品質管理に絶大な影響を与えたISO9000は一つの曲がり角にきている。

  ISO9000の持つ意味をよく理解(メリットもデメリットも)して企業に貢献するのが

  品質管理部門の役割である。

7.品質管理者に求められる資質とスキル

  新人が一番悩んでいるのは「自分は品質管理者にむいているのであろうか?」という点。

  では、品質管理者が持つべき資質とは何か?を考察している。

8.品質管理活動の歴史とさまざまな活動実績

  「デミング賞」はどんな影響を与えたのか?日本が高品質を維持できる理由を考える。

 

以上であるが、「品質管理部門」の実態は簡単に書いただけでも1~8の項目に含まれているが、周囲にはそれがほとんど知られていないことが問題であることを説明した。その中でも最大の問題は経営者層に理解されていないことである。

経営者が知らないために、品質管理部門の発言は軽視され、最後は品質管理問題を起こして企業に決定的なダメージを与えてからやっと対策に目覚めるということを、過去多くの企業が経験してきている。

そのことを肝に銘じて活動することと、企業の間違いや不正は二度と起きないようにしっかり原因を追究して、対策案を関係者とともに作り上げ実行することが重要だと締めている。

 

(3)品質管理  日本の傾向と対策

 

現場が少なくなりつつある日本のものづくり。深刻なトラブルも続発している。減りつつある製造業に代わり、サービス業が増加しているが、産業が違っても高いサービス品質を維持するには、日本企業の品質管理に対する知識ノウハウの蓄積が必ず役に立つ。「どんな企業」にも最低一人は「品質管理担当」をおき常に新しい高品質文化を作り上げる努力をしてほしい!

                                                                以上
報告者:小山L

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