1.研究内容

1-1.テーマ ものづくり補助金の現状

1-2発表者 嶋田 伸 会員

1-3内容

1)ものづくり補助金の変遷

 今年度でものづくり補助金も5年目を迎えるため、各年度の実施状況を振り返る。

①平成24年度補正ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金

 初年度に実施されたものづくり補助金であり、1次・2次募集があった。

 第1次公募の1次締切はまだ周知されていなかったためか応募者が少なかったが、2次締切は倍増した。

 補助対象事業の類型は、競合他社と差別化しようとする多くの中小企業が抱える問題解決を図るためのものであった。

②平成25年度補正中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新補助金

 ものづくり補助金も2年目に入り、応募者数も増加してきた。

 今年度からは、製造部門だけでなく、商業・サービス部門へも募集を広げることになった。

 さらに、「環境・エネルギー」「健康・医療」「航空・宇宙」の成長分野からの補助金を増額した。

③平成26年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金

 今年度は、「革新的サービス」として、一般型とコンパクト型に分けられ、補助額と要件に違いを出したが、応募者に十分理解されていない面があった。

 また、新類型として「共同設備投資」が設定され、中小企業の連携に対しても補助が強化された。

④平成27年度補正ものづくり・商業・サービス新展開支援補助金

 今年度の特徴は、「高度生産性向上型」としてIoT等・最新モデルを用いた設備投資への補助が設定され、補助上限額も3倍に増額された。

また、今年度の大きな変更ポイントとして、人件費が補助対象経費から除外されたことである。

 専ら試作開発を自社で行おうとする中小企業・小規模事業者にとって、人件費に対する補助は意義のあるものであったが、資料整備に対する負担も大きかったことも事実であった。

より設備投資を重視した内容に変更となり、申請数も過去の1回の公募の中では最も多かったが、採択率は最も低く、応募者にとって厳しいものになった。

⑤平成28年度補正革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金

今年度の特徴は、「第4次産業革命型」が設定され、より先進的な事業への投資が期待されていると思われる。

しかし、IoTとAIやロボットを活用する必要があり、ハードルが高くなったとの意見があった。

また、雇用・賃金拡充への取り組みを条件に、従来型の「一般型」「小規模型」も補助上限額の増額が可能となった。

なお、前年に続いて人件費が補助対象経費から除外された。

 

2)事務局が見た補助金の留意点

  ここでは、事務局からの目線で気が付いた申請者、採択者が留意する点を挙げる。

  ①申請者としての留意点

ものづくり補助金の目的・要件を十分理解して申請する必要があり、採択されれば、自ら補助事業の責任をもって実施しなければならない。

補助事業期間の資金繰りを十分考慮する必要があり、自己資金が必要なこと、補助金は後払いであること、補助金の支払いを受けるまでの期間は事業者により一定ではないことに留意する。

  ②申請時の留意点

   基本的な事項を漏れなく、間違いなく記載し、確認して申請する必要があり、申請書に不備がある場合、素晴らしい補助事業内容であっても不採択になったり、経費区分間違いも不採択や補助金の減額につながる可能性がある。

   審査は、技術面、事業化面、政策面から行われるが、技術面を重視した審査基準にする必要があるとの意見があった。

  ③補助事業実施時の留意点

   補助事業を実施する前に整備資料を確認する必要があり、後に資料が揃わないために減額される場合がある。

また、事業完了後に提出しなければならない実績報告書作成のために補助事業プロセスの記録を必ず取る。

  ④補助事業完了時の留意点

   実績報告書の提出期限を守ることは必須であるが、実績報告書に不備がある場合、修正・再提出もある。

事業完了時までに全ての経費の支払いを済ませることが必要であり、未払い分については減額される。

  ⑤認定支援機関(コンサルタント)へのお願い

補助事業者にものづくり補助金の趣旨・要領を十分理解してもらいたいと思います。

申請時だけでなく、事業終了まで支援することをお願いします。

中小企業庁から通達が出ており、報酬の設定は常識の範囲内で行うことを望みます。

 

以上

 


                                                              
  以上
報告者:嶋田会員

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