1.研究内容

1-1.テーマ 「ISO9001を使った効率的な購入品の品質管理」

1-2. 発表者 萱沼正次 会員 

1-3.テーマ:ISO9001を使った効率的な購入品の品質管理」

2-2. 内容

1987年に標準化されたISO9000シリーズであるが、その後1994年・2000年そしてこのたび2015年の大改訂が実施された。改訂を通して変化を遂げたISO9001の経営手法としての使用方法を考える。

(1)    ISO9001の歴史

アメリカ軍が調達品の品質のバラつきに対する改善策として、1959年に製品・部品個々の特性を個別に管理するだけでなく、品質マネジメントシステムとして、ものづくりの仕組みを管理することで調達品の品質を管理・維持するためMIL-Q-9858「品質マネジメントプログラム」としてまとめたのが始まりであり、あくまで調達先を管理する目的から発生した。

 MIL規格 : Militaly Standard アメリカ軍の物資調達に使われる規格

(2)    ISO9001世界の認証状況

第三者機関による外部認証の制度を採用しており、現在日本ではJAB(日本適合性認定協会)を機関のトップとし、適合性評価機関と相互認証制度により各企業に対しISO9001の要求事項に適合していることの認証を行っている。

全世界の認証状況をみると、2014年において中国の342,800社を1位にイタリア・ドイツ・日本(45,785社)と続いており、中国企業の認証数がダントツに多い状況である。これは海外輸出時の信頼を得ることを目的に認証取得する企業が多数あることが背景と考えられる。

(3)    ISO9001によるPDCAサイクル

2015年版の改訂により項目の構成が大幅に変わり、下記3つのPDCAサイクルに対応する要求箇条の編成となった。

     組織が製品およびサービスの品質を通して経営目的を自律的に達成するためのPDCA

     品質マネジメントシステム運用のためのPDCA

     製品およびサービス提供のためのPDCA

(4)    2008年版から2015版への変更点

2015年版は構成の変更、事業状況を検討した活動とするための要求箇条の追加等が施されており「組織の目的・戦略の達成に役立つ、組織経営の一環としてのQMS」を意図していることがみてとれる。これは経営手法として使い易くすることでISO9001の有効性を向上させることが目的と考えられる。QMSであるISO9001はあくまで経営の道具であるので経営者以下組織全体で積極的に使われることで初めて有効性を発揮する。調達先を管理する目的から発生したISO9001であるが、組織自らの改善させる手法へ変更しているのである。

(5)    ISO9001を使った品質管理によるメリットと使用時の留意点

取引先を管理したい場合のメリット:

ISO9001の要求事項をチェック項目とした取引先の品質レベル評価・品質に関する仕組みの共有 など

組織自身の管理に使用する場合のメリット:

・経営管理のマニュアルとし自社に足りない仕組みを明確にできる・継続的改善の仕組みが構築できる など

導入時の留意点:

ISO9001QMS)は経営管理の道具であること」「経営以下組織全体で積極的に使うことで有効な結果を得ることが出来る」ことについて経営者の理解を得る。

(6)    今後の動向予想

取引先の品質管理の手法として始まったISO9001であるが2015年版では自社のマネジメントツールへの改訂が行われた。 ISO9001は経営の道具であるのでこの変化はさらに進んでいくものと考えられる


報告者:萱沼会員

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