1.研究内容

1-1.テーマ 印刷メディアの動向と課題」

1-2 発表者 小山武夫 会員 

1-3. 内容

1.印刷産業の動向

  ‐印刷産業はGDPの伸びに比例して成長してきたが、2000年に入りコンピュータの普及により出荷額は減少し、

   1998年の89千億円から2016年は55千億円に減少した。印刷産業はITの進歩に大きな影響を受けたsン行である。

  ‐印刷物の製品は、出版(全体の18)、商業印刷(37)、証券、事務用、包装用(20)、建装材、その他である。

2.出版業界の動向

  ‐出版出荷額は1996年の265百億円をピークに減少が続き、2016年は147百億円で、32年ぶりに書籍が雑誌を

   上回った。雑誌はスマホなどのネットに代替されている。雑誌の広告費は、売上以上の比率で低下している。

  ‐電子書籍は、2014年から急伸し、出版物の13(2016)に達した。電子コミックが70%を占めている。

  ‐出版業界は、今後、生き残りために、コンテンツを充実し「買いたくなる本」を出版していく必要がある。

   出版業界特有な、再販制度と委託販売制度も改革していく必要がある。

3.広告業界の動向

  ‐2016年の広告費は63千億円で5年連続増加している。インターネット広告費は対前年13%増で13千億円である。

  ‐広告は、インターネット広告の伸びにみられるようにデジタル化が進み、ターゲットがマスから個へ変化している。

   消費者が購入判断ができる商品の情報が重要になってきている。

  ‐マスコミ4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)の広告では、テレビが70%を占め、他は減少傾向である。

  ‐プロモーション広告(折込、DM,フリーペーパーなど)でもデジタル広告が伸びている。

  ‐DMは、SNSと連携し、SNSで顧客を引き込み、DMで購買行動を促進する手法が広がっている。

  ‐インターネット広告のように効果測定ができる広告が伸びており、折込広告でも効果測定ができるものが現れた。

4.包装産業の動向

  ‐包装資材は、段ボールが主の紙製品が2兆円、プラスチック製品が17千億円、金属製品が1兆円となっている。

   出荷額は直近5年間が横ばい状態であるが、3資材ともに薄肉化など省資源化に努めており、数量は増加している。

  ‐包装機能は、今後高機能化・高性能化とともに、少子高齢化に対応した、便利性が必要になってくる。

5.印刷方式の動向

  ‐印刷方式は、オフセット印刷(全体の70)が主体であり、次いでグラビア(18)、デジタル(6)などとなっている。

  ‐デジタル印刷だけが伸びており、大ロットから小ロットへ、情報の個別化に対応した印刷方式として、今後も伸長が

期待される。特に包装印刷は、オリジナルパッケージや在庫縮小に効果的なデジタル印刷が活用されており、印刷

企業の80%がデジタル機を所有している。

6.3Dプリンターの動向

  ‐2016年の出荷台数は5,900台で前年比10%低下、使い勝手が悪い、スキルが必要など、万能機でないことがわかり、

   ブームは一段落している。今後も出荷は伸びず、2021年は6,000台と予想している。

  ‐3Dプリンターの問題点は、高い、精度が低い、印刷スピードが遅い、などが失速の原因である。

  ‐一方、メリットとして、開発期間の短縮、開発・製造コストの削減、業務の効率化、製品の品質向上、などが

   期待され、リコー、三菱重工など、多くの企業が活用を検討している。

7.印刷産業の今後

  ‐デジタル化の波を受け、苦境に立たされている印刷産業が今後に生き残るためには、急激な環境変化を正確に

把握し、その対応策を考えていくことである。

  ‐印刷業は、印刷と通信でコミュニケーションプロバイダーへ転換し、メディアの多様化と必要なクロスメディア

   提案力をつけること。

  ‐地方の印刷業は、地域に密着した企業として地域貢献を考えていくこと。

  ‐生産では、今までの規模の効果から、新たな付加価値の提供へ転換していくこと。

  ‐明確なビジョンと新戦略につながる人材育成を推進すること、

                            以上


報告者:小山会員

2017年度研究会実績に戻る