1.研究内容
1-1.テーマ
1-2.発表者 新井 一成 会員、
1-3.内容
SNSやIoT、人口知能など、大量のデータを集めて分析活用するビジネスが急速に発達している。これらのビジネスの動向を踏まえ、ものづくり企業のデータ活用について考える。
1.
データが経済を支配する時代
・Google, Amazon, Facebook, Apple (GAFA)といった企業は、大量のデータを蓄積している。また、ビッグデータ分析や人口知能、IoTといったシステムは、大量のデータを分析して活用するものである。
20世紀は「原油→精製→製品」というビジネスが経済を支配した「石油の時代」であった。
21世紀は「データ→精製(加工)→サービス/製品」というビジネスが経済を支配する「データの時代」である。
・Google, Amazon, Facebook, Appleはそれぞれデータを大量に利用しているが、そのビジネスモデルは大きく異なっている。GoogleやFacebookは広告ビジネスが中心であるが、Facebookはユーザのつながりを示す「ソーシャルグラフ」のデータを持つことがポイントである。ソーシャルグラフを用いて保険等の信用度評価を行うなどの活用が始まっている。Appleはデータ活用による広告ビジネスから撤退した。
・GAFAが蓄積しているのは、主に個人の属性/行動データである「パーソナルデータ」である。
一方、モノの属性/動作データである「産業データ」は多岐にわたっており、現在までのところ、収集・蓄積は限られているが、今後は活用が注目される。
2.
技術進歩
・データの活用が進んだ背景には以下の技術進歩がある。
ビッグデータ: 大量のリアルタイムデータ+非定型データの分析活用技術
人口知能: 今後の大量データの処理技術として注目される
IoT: 多数のモノから大量のデータを収集して活用するシステム
「データ駆動型社会」のベースになる。
3.
データ活用の課題
・パーソナルデータの活用には次のような課題がある
個人情報保護: EUの一般データ保護規則(GDPR)は非常に強力な保護規定であり、日本企業の対応は遅れている
個人情報の独占・寡占規制: GAFAがデータを独占することに対する規制強化の動きあり
→EUはデータ・ポータビリティにより個人が自分のデータを自由に移動する権利を模索
・パーソナルデータの活用を進めるためには以下の条件が必要
透明性を高める
①アクセス権: (企業が持つ)自分のパーソナルデータにアクセスできる権利
②データ会社を調べる権利: 企業がパーソナルデータを適切に扱っていることを確認できる権利
プライバシー効率、データへのリターンなどの評価により、パーソナルデータが自分にとって効率よく
活用されていることを確認する
(個人の)主体性を高める
③データ修正権: 自分のデータが誤っている場合には訂正できる権利
④データをぼかす権利: 必要な範囲でデータの精度を下げ「ぼかず」権利
⑤データの設定変更の権利: 各データの重みづけを変更して、自分にとって適切な設定を試す権利
⑥データをポートする権利: データ・ポータビリティ
4.
ものづくり企業と産業データの活用
パーソナルデータに比べ、産業データはまだ蓄積・活用が進んでいない。
日本のものづくり企業は蓄積・活用できるデータを多く持っている→日本の強みになりえる
産業用データの活用事例: コマツのKOMTRAX、GEの航空機エンジン
今後の活用に向けた先進的事例として以下がある。
IBUKI株式会社: 金型にセンサーを内蔵し、テストデータを顧客に提供
いすゞ自動車: 保全データにより故障原因、予兆分析
太平洋セメント: RFIDによる構造物診断
ものづくり企業の現場の見える化によるデータ収集が進んでいる。このデータを蓄積して活用する機会が増加。
容易に導入可能な製造現場向けIoT(見える化)の事例:
飯山精機、IVI、iSmart Technologies(旭鉄工)
(※旭鉄工の社長はトヨタの出身-井村氏からの情報)