1.研究内容

1-1.テーマ 「中小企業における森林認証取得」

2-2. 内容

   ものづくり企業の中でも小規模事業者はごく一部の事業者を除き、厳しい局面にあります。小規模企業者の生き残り策の一つとしてダンボール会社の森林認証について実施したコンサル事例を紹介致します。

 

(1)  小規模企業白書(2017年版)

小規模事業者数は全体の85%、従業者数でも24%程度を占めており、地域やものづくり産業分野の下支えをしているが、現状では多くの経営課題を抱えています。白書では現状調査を行っているが、対応について触れてはいません。どのようなアドバイスが必要か等について紹介します。競合する他社と差別化を図り、コスト競争からの回避策は重要な戦略の一つです。事例として森林認証制度及びコンサル事例について紹介致します。

 

(2) SDG’s(持続可能な開発目標)

      国連における開発計画(UNDP)(20159月)では、先進国を含む国際社会全体の目標として2030年を期限とする包括的な目標として、「持続可能な開発目標」(SDG’sSustainable Nation Development  program)が採択されました。我が国でも国、地方自治体、大企業を中心に取組みが始まっています。最近、注目すべきは「SDG’Sオリンピック調達」として2020年の東京オリンピックで、環境保護を主体に重要6分野で調達基準を定めて進行中です。

 

(3) 森林認証制度

世界の森林面積の減少は著しく、貴重な森林の違法伐採などによって地球温暖化、災害発生、生物多様性損失の原因となっています。そこで、適切な森林管理とそこから生産・加工された木材や木製品に独自のマークをつけて、区別する制度が森林認証制度です。森林認証には森林経営者へのFM(Forest Management)認証と製造流通業者むけのFM-COC(Chain of Custody)認証の2種類があります。すでに世界各国(110ケ国以上)に広く普及しており、我が国でも大企業を中心として取得企業が増えつつあります。

 

(4) 認証取得支援事例

中小企業の2社に対して得意先からの要請があった森林認証(FM-COC)取得支援を行いました。基準はFSC-STD-

40-004FSC-STD-50-001であり、1社あたり7回程度のコンサルで認証取得に至りました。管理マニュアル作成、現場

における識別管理、記録の管理、従業員に対する教育訓練等が主なものです。すでに認証取得により、大手顧客企業

からの受注や行政機関からのグリーン調達対応品として売上向上に貢献しています。

 

(5)最近の気になる話題等

製造業の不祥事が頻発しており、日本のものづくりについて信頼の低下や懸念が持たれています。背景にある技術者倫理について説明し、何故発生するのか、どのような対応策があるのか等について話し合いを行いました。また、原発、遺伝子組み換え技術、気候変動など正解のない課題として、技術者はトランス・サイエンスやサイエンス・コミュニケーションのあり方に直面しています。どのような態度で臨むべきか等々について話し合いました。

 


報告者:太田会員

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