1.研究内容
1-1.テーマ 「KYのすすめ」
2-2. 内容
ものづくり企業などの中で重要な事項である労働災害の近年の発生状況に鑑み、災害防止活動で有効な手法であるといわれている「危険予知」に着目し、よりよく、危険予知訓練、危険予知活動を行うにはどのような視点が必要なのかを、様々な業界、団体、起業で行われている事例を調査し、考察してみた内容を紹介した。
(1)
KY(危険予知)とは
45年ほど前に、中災防の欧米安全衛生視察団参加者の住友金属工業(現在の新日鐵住金)和歌山製鉄所の担当者が、ベルギーのソルベイ社の危険を自らが危険と感じることを訓練する交通安全教育用のシートを参考に、開発したものが、危険予知訓練の始まり。
(2)
なぜ、KY(危険予知)が必要なのか
事故や労働災害の予防には、自主的で前向きに、ホンネの話し合いを前提としたKYを展開し、問題先取りが必要である。
(3)
KYのねらい
企業体質を、問題(危険)先取り中心に変革し、「経営力・マネジメント力の向上」に資する点である。
(4)
KYの進め方(4ラウンド法)
現状認識(危害事象の列挙)⇒本質追及⇒対策樹立⇒目標設定の四つの手順で進める。重要な点は1ラウンドの危害事象の列挙で、そのためにどのように事例を提示するかである。
(5)
ITプロジェクトのKYの考え方
ITプロジェクトを円滑に進めるためにKYが有効であるという考え方があり、その中で、危険予知能力のレベルを見極めて進めることが肝要であるという考え方。
Ⅰ初期レベル:危険予知が運に左右されることが大きいレベル
Ⅱ反復できるレベル:同じ領域の経験による危険予知ができるレベル
Ⅲ定義できるレベル:定義された管理プロセスに危険予知が含まれているレベル
Ⅳ管理されたレベル:定量的、または定性的情報により危険予知の状況が理解され制御できているレベル
Ⅴ最適化するレベル:各プロセスの潜在的リスクを組織的に、かつ継続的に評価できる文化を持ったレベル
(6)
考えて見ましょう
事例を示し、参加者に危害事象を考えてもらい討議した。これは、事例の出来栄えによってその有効性に差が生じることを感じてもらうために行った。
(7)
創造力・想定力を強化するためのKY進め方のカイゼン
1 職場の状況を表す事例は、一つの危険のみを想定できてしまうものではなく、複数の危険を想定できるものにする。
2 交通のKYのように、危険を意識する人の目線のイラスト・写真・動画が望ましい。
3 職場の状況から危険を想定するための質問を工夫する。
4 現実を正確に認識し、本質的なものとどうでもよいものに層別するという行動を続ける。
5 リーダは、あらゆる角度から事実を認識し、いつもわかりやすい形で、次に取るべき行動を考えるように促す。
6 KYは労働災害の防止だけでなく、効率化や品質の維持・向上といった本来の企業活動そのものにも活用できる。7 マンネリ化・スタッフの異動などによる形骸化が効果を不十分なものにしていないかを意識する。
自由討議で出された意見
・事例としてビジュアルに示せない見えないものを考えるための工夫が必要である。ITの事例や化学プラントの場合
・労働災害は減っていないという認識であるべきである。
・しろうと、外国人への指導・教育 基本の基の字をどのように教えるかが現場の課題になっている。
・工事会社が行っている例で、毎日同じ内容をやっているのが多いが、これでは効果がない。よい例として、元請から3次下請けまでが一緒に現地の状況を見てKY活動を実施し、効果を上げているところもある。
・KY訓練は、経験豊か(実際に目の前で人が死傷した経験)のある高齢者の活用が必要である。
・体験研修として、小さな失敗を体験させる。あるいはヒヤリハットを出させるのも最近の例としてある。