1.研究内容

1-1.報告者 片岡 英明 会員

1-2.テーマ 本業消失への対応 ~写真フイルムメーカーの場合~

1-3.内 容

  

本業の写真フイルム市場の消失に直面したK社とF社の対応を整理し参考とすることで、今後も発生すると考えられるイノベーションジレンマ等に対する経営戦略やビジネスモデルの転換等について議論した。

 

(1)     写真フイルム市場の衰亡

デジタルカメラの伸展により2000年をピークとして写真フイルム需要は激減し、2010年には1/10以下の市場規模となった。この間K社は営業利益を激減させ、2012年に破綻。F社は営業利益を確保できて存続した。

 

(2)   デジタル写真技術に対するK社・F社の寄与

デジタル写真技術のハード・ソフト共、初期にリードしたのはK社とF社。初期のデジタルカメラ市場では両社とも自国市場でトップシェアであった。写真フイルムメーカーは新興のデジタルカメラにも注力した。

 

(3)   K社の対応

利益(配当)を求める株主や社員の高収益フイルム事業への回帰願望もあり、事業の「選択と集中」を志向した。
実際には「デジタル」と「写真フイルム」の間で方針が揺れ、「集中」できなかった。フイルム市場の消失とデジタルカメラ競争での敗退により、破綻に至った。

 

(4)   F社の対応

圧倒的なリーダー企業であるK社に追いつくことを目標としつつ、追い落としに遭わぬよう旧来から事業の多角化を図っていた。フイルム事業消失に対応した体制改革遂行とともに、自社技術をベースにM&A等も含めて多角化をさらに推進し利益確保を図って存続した。

 

(5)  F社の現場では

1995年ごろ、「デジタル写真はフイルム写真を代替するか」という問いに対して社員の考えは一致していなかった。様々な場面で議論が発生し、対応アイデアが生まれ、いくつかは多角化方針によって開発/製品化ステージに上ることができた。発表者が関わった「チェキ」もその中で生まれ、現在はF社の収益源となっている。

 

(6)  2社の比較、最近の会社との比較等を通じて、経営戦略やビジネスモデルについて全員で議論した。

 



報告者:片岡会員

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