認知・判断・操作について
路上教習において、周囲の交通の状況が十分認知できず、うまく運転できないケースがあります。どんなにうまく運転操作ができるようになっても、複雑な交通環境にある程度対応できるようにならなければ、卒業検定に合格することはできません。また、免許取得者であっても、度々他車にクラクションを鳴らされてしまったり、ハッとする場面が少なくないような方の場合も、同様の状況が予測されます。
では、それを克服するためには、どのようにすればよいでしょうか?
例えば、サッカーの場合を考えてみましょう。
サッカーというスポーツは、チームワークでゴールを目指すわけですから、常に選手全員がボールを追っかけるわけにはいきません。時には、次の展開を予測し、仲間からのパスを受けやすい位置に移動したり、時には、敵の戦術を成功させないためのディフェンスに徹したり、状況によって選手の行動パターンは多種多様です。
しかし、一朝一夕に試合の展開が読めるようになるわけではありません。初心者の場合には、広いグランドの中で自分のとるべき位置が分からず、右往左往したりするものです。これは、まさに認知・判断がうまくいっていない状況と考えられます。
車の運転も、これに似ています。周囲の交通の状況を正確に捉え、しかも、その後の展開を予測することができなければなりません。実は、運転操作そのものよりも、こうした能力の方がはるかに難しいといえます。では、どのように克服できるでしょうか?
結論から言えば、やはり経験を積むしかありません。認知・判断がうまくいかない方が、1〜2週間のうちにうまくできるようになることは、残念ながら不可能であると考えられます。免許取得にはあまり苦労しなかった方でも、最初の1年くらいは自分が未熟であることを自覚すべきであるほど大変なことなのです。
しかし、がっかりしないでください。慣れるまでの期間を少し短縮できる方法があります。
@ 運転操作に習熟すること
運転操作に意識が必要な状態であると、その分だけ、交通環境の認知への意識が低下してしまいます。したがって、できるだけ早期に運転に慣れてしまうことです。校内教習で目印教習を受けたような方は、実は、まだ運転操作が未熟なままだと考えるべきです。歩くときに足の運びを意識しないのと同じように、車の運転もほとんど無意識でできる必要があります。この点に自信がない場合には、まず、そちらを克服することが先決です。(参考:車両感覚のページ)
A 熟練ドライバーの運転を観察すること
技能教習以外でも、能力を高めることができます。ベテランドライバーの運転を観察するのです。いわゆるイメージトレーニングですね。私の教習経験から言っても、自宅に自家用車がある方とない方とでは、技能の進歩のスピードが違うように感じていました。これは、運転のイメージができやすいかどうかに影響されていると考えられます。要するに、自分が運転していないときであっても、交通環境の認知・判断の練習はできるということです。
目標は、70m先(時速40kmで6秒後の距離)、最低でも50m先の状況を把握することができるようになることです。がんばって!