josh solo CD "スローモー"


[ライナーノーツ]

「ブル−グラス45」の金看板を背負って出てこられたら多分僕なんかその儘「直立不動」の姿勢を崩す事なんか出来ないだろう。 本来ジョッシュは そんなキャリアの人だ。 だけど、会う人ごとに挨拶がわりに「ヤッホ−」と呼びかけ「---なんでしゅ-」と妖しげな「ジョッシュ語」を操る「ミョ−なおじさん」としての最近のジョッシュ。 そんな彼は世代の壁を軽々と越えるだけのキャラクタ−を身に付けており、その前身を知らない人にも馴親しみやすい存在と言える。 彼について僕の知る幾つかを記してみたい。

 幼少時にクラシック音楽の基礎を学んだ。 (今でも習い覚えたフレ−ズを弾く事がありますよね? しかも下品に!) 芦屋の精道中学から越境して神戸高校に進学したが、同じコ−スを歩んだ人に作家の村上春樹がいる。 ジョッシュの弟の章さんの同級生なので無論後輩だ。芦屋市の交換学生使節の第二回生に選ばれている。  市の選考で選ばれるが当時の審査は今より厳格でした。

彼を語る上で音楽に関係のない話題を書いてしまったが、これって案外ジョッシュを語る際にどんな家庭環境で育ち どんな子だったのかがオボロゲながらも伝わるものだと思う。そして音楽の方の話題だが、長い付き合いの「ラグパパ」は「初対面」で怒られたそうだ。 曰く「英語の歌を日本語で歌うとは何事か!」と。 大好きな英語の歌が冒涜されているように感じて許せなかったんだろうかと僕は思う。

そうなのだ、これだけでも「良家の本来真面目な性格の子弟」のジョッシュの面影が浮かぶ。実際に彼を知る後輩の音楽仲間は「厳しかった」とか「怖かった」とか一様に口にする。だから、最近のジョッシュの若い人たちに接する軽い態度を見るにつけ大抵の人は唖然とするのだ。 この落差! そういえば、僕も関わった震災後に誕生したFM YYでの音楽番組 Live In Night でも、結局「皆勤」は彼だけではなかっただろうか? 真面目な人なんです、ジョッシュは。 オチャラケで「やっほ-」なんて言っても、どこか「素」が見えている正直さ、結局「人が好い」んです。 いつだったか、亡くなられた父上が若狭高浜の出で、お墓もそこにあると伺った時、僕自身慣れ親しんだ若狭の海でジョッシュも泳いだ事があるのかなと思うと彼の事が急に身近な人に思えた。 ジョッシュ、あなたは僕にとって「そこにいる人」です。 どうか、又遊んで下さい。

ジョッシュのライナ−を書く光栄に
岩崎 昌樹


[曲解説] 

@君はベッドで
彼女の投げやりな態度に、虚しく自分を空元気で励ましているような、おもしろい歌詞の付いたこの曲、ジョシュの事を歌っているのでしょうか。
  Aサニーサイドオブザストリート
1930年の「インターナショナル・レビュー」と言うミュージカルで歌われてから、多くのシンガーに歌い継がれてスタンダードになっている名曲。あのオールドタイムレディ、マリア・マルダーもデビット・グリスマンをバックに歌ってますが、ジョシュの歌はカントリー・フレーバーに溢れていて味わいがある。それにしても、歌の合間のなにげないギターの音色がすごい。
B青い瞳のステラ
和田アキ子のバックをしていた事もある、バーボンをらっぱ飲みしながら歌う男、柳ジョージが歌った曲。
C汽車に乗って
ジョシュがオールドタイムスタイルのバンジョーを弾きながら歌う、アメリカン・ホーボーソング。死んだら天国へ行く汽車に乗れるように、汽車の汽笛の音が聞こえてくる場所に埋めて欲しいと言う歌詞は多いが、ジョシュやぼくは天国へ行く汽車に乗れるのでしょうか。
D酒と泪と男と女
河島英五がホモサピエンスの後、1976年に発表した彼の代表作。同じ酒と言う言葉を歌ってもジョシュのように人生を経た大人が歌うと、酒という短い言葉の裏側の人生まで聞こえてくるようで不思議です。
E プカプカ
今は亡き西岡恭蔵が1972年に発表したファーストアルバム「ディランにて」に収録されていた、ジャズシンガー安田南に捧げた曲。このアルバム中ジョシュがライブで一番よく歌っている曲、ジョシュでこの歌を聞きたいとリクエストも多い。
F遊ぼうよ
不気味なSIONが1990年に発表した「夜しか泳げない」の中の曲。ジョシュにしては珍しく不安定な歌い方、オリジナルの感じをだしているのでしょうか。そう言えば、ジョシュは誰にでも“あっそぼ〜!”と気軽に声をかけていますね。僕も真似をしてみましたが、あの軽やかさは真似ができません。
Gワンダフルワールド
リズム&ブルースはサム・クックの1960年のヒット曲がでてきました。ウルフルズも歌っています。ベン・E・キングの「スタンド・バイ・ミー」にも大きな影響を与えたと言われるサム・クックですが、ジョシュにかかれば 軽く歌われてしまいます。
Hどんぐり
ロックンロール・キング、チャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」に乗せてジョシュも快調に歌う楽しい歌。映画「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」の中でも主人公のマーティがパーティでこの曲を演奏しますが、この曲のイントロのギターフレーズに特許を取っていたら 大金持ちになっていたに違いない思うほど あちこちで使われている大名曲。
I横浜ホンキートンク・ブルース
立ち飲み屋で生まれたと言われるこの曲。作者の エディ藩、松田優作、原田芳雄、宇崎竜童、山崎ハコ、他たくさんの人に歌われているが、癖のある人が好んで歌うこの歌。ジョシュはこんなブルージーなバラードが好きなようで、このアルバムもまるでバラード集のような選曲になっています。
J スローモー
ジョシュ自身を歌ったオリジナル。生い立ちや、自分の回りの事をオールドスタイルバンジョーにのせて、ジョシュの可愛い面が見えてくるような、軽快な曲。
K どうにかなるさ
かまやつひろしが歌うこの曲が発表された時、ハンク・ウイリアムスの曲と何処が違うと大騒ぎになったものでしたが、そんな事はおかまいなしに、全曲日本語で歌われた、ジョシュの、このアルバムもおしまいです。

勝木徹芳



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