グラント中央部(商店街)

ミック 
「よっし、じゃあいくか!
 まずは・・・噴水広場あたりを説明するか。ついてこい!」

「これが噴水広場だ。
 グラントの商工会の中心で、東西を通る主要街道の中継地になってるんだ!
 まるっこいの広場の中央には噴水があって、よく子供達のが遊んでるんだ。ほら、
今日は暑いから、がきどもがわんさかいるだろ?まぁ、「グラントの憩いの場」っ
てやつだな。」

「東西に行き交う行商などはここに馬車をとめて休憩をとるんだ。商工会で許可を
得れば、露店を出すことも許される。だがら、見て見ろ、まわりにいろんな露店が
出ているだろ?
 この市場にはグラント内外の様々な物、そして情報を手に入れるにはもってこい
の場所なんだ。」

「それに、グラントの商店もここが中心、って感じだな。様々な店があるんだ」

「まずはここ、シュレディンガー商会。噴水広場の東側に店だ。東西に行き交う人
々のほとんどが利用するでかい店なんだぜ。乾燥食品から、毛布まで、まぁ、日曜
雑貨のほとんどがここで揃うんだ。主人のシュレーディンガーは、商工会議所の重
鎮なんだが・・・一年のほとんどの期間を行商をして過ごしているらしい。普段は
だみ声で有名な番頭のディックが客の相手をしているんだ。
 主人が常に店にいないから、この店で、シュレーディンガーを見ることのできた
人は、その日一日運がいいというジンクスまであったりすんだぜ。」

「んで、南にある建物が、シュレーディンガーが中心となって運営しているグラン
ト商工会「都市一番の猫」があるところだ。いわゆる、職人ギルドと商人ギルドが
合体したようなもんだな。
 二階に宿泊施設があるが、普段は商人以外の人はあまり出入りしない。だが、こ
の宿泊場、露店の奴らが泊まっているんだ。夜、ここに酒の一本でも持って入れば
東西の様々な情報を集められるんで、なかなか良い所なんだ。おっと、他の奴らに
は内緒だぞ・・・」

「さらに、行くと、今度は城塞都市グラントで一番大きな教会のカレント教会だ。
俺はちょっと苦手だ。
 ミサ等の祭儀を執り行ったり、民衆の人生相談、職業案内等を行っているところ
だ。
 俺達も、結構、使わせてもらうんだが、有料でな・・・。高レベルになればなる
ほど、がっちりもってかれちまうんだ。まったく「ごうよくぼうずのカレント教会
」とはよく言ったもんだぜ。
 この間も冒険で稼いだもんがパーになっちまった。
 ま、しかし、ここの教会があるおかげで、グラントにアンデットとかゴーレムと
かが入れないようになっているんだがね。城壁に「結界」ってなものを張っている
らしいんだが・・・俺にはさっぱりだな。第一、グラントの中でアンデットやゴー
レムをつくっちまえばいいんだしな。この前だって、グラント内の墓場でアンデッ
トが出たし、ゴーレムの実験だってやってるしな。」

「あと、まわりにも小さな店がいくつかあるんだが、重要なやつだけ紹介しとくぜ。
 野暮ったいデザインだけど、とても頑丈な靴を作ってくれる靴屋「小人の靴屋」。
冒険者や、一般の住人には人気だな。長い期間歩かなきゃならない冒険者は、良い
靴を選んでおかないとな。」

「次に、宝石屋カラット。普通に暮らしている人には余り縁がないんだが、俺らに
は重要なところだ。冒険で手に入れた宝石を売ったり、金貨を宝石に替えたりする
ことができるんだ。お宝を金に換えたり、逆に大量の金貨を持ち歩く代わりに高価
な宝石と代えてもらって持ち運びできるようにしたりするから、結構足を運ぶこと
が多いんだ。鑑定、代替ともに有料だけどな。
 ただ、1つ注意がある。あまり汚い恰好だと門前払いをくらうからな。注意しろ
よ。」

「あと、ちょっとここからは遠いが、南の方にダイデル酒店ってのがある。
 ここの市場から酒を手に入れているから、世界各地の酒が手にはいるぜ。異国の
商人から情報を手に入れるときは、そいつの地元の酒をもっていってやれば、泣い
てよろこぶぜ。まぁ、テクニックの1つだな。」

「北の方にもこじんまりとした商店があるんだが・・・そこにも俺達に関係する店
がある。
 風の薫りっていう薬草屋だ。薬草全般を取り扱っている店なんだが、うっかりす
ると通り過ごしそうな場所にあるんだ。あとで自分で行ってみな。シルフが描かれ
ている看板が目印だ。
 主人はバイクスっておっちゃんなんだが、一人娘のメイがかわいくてな。彼女を
目当てに来る冒険者もいるらしいぜ。
 商品としては、定番の”傷薬”が銀貨5枚、”風邪薬”が金貨5枚で買えるんだ
が、冒険者に得に重宝なのが、”虫よけ液”だ(金貨1枚)。一瓶で1時間、虫の
接近を阻んでくれる便利なやつでな。なんでも、虫が嫌いな臭いらしい。人間には
さわやかな臭いなんだがな。ま、女性冒険者にはいいかもしれないな。」

「そして、忘れてならないのが、ここ、占いの館、星の瞬きだ。
 奥まった細い路地を入って行くとある小さな店だ。ここの女主人「暁のフレイヤ
」に恋愛相談に来る嬢ちゃんが多くてな。うまく、女主人に取り入ることができれ
ば、いろいろと話が聞けるのさ。貴族の恋愛事情、とかな。彼女の占いは非常によ
く当たることでも有名なんで、ちょっと恐いがね。
 魔法のアイテムの売買もやっているから、魔法のアイテムを買うなら、ギルドよ
りこっちのほうが良いときもあるぞ。ギルドは、正式価格、ってのがあるらしいん
だが、こっちは、仕入れ値との割合で販売しているから、掘り出し物も結構あるん
だぜ。まぁ、それをより分ける「目」があったらの話だけどな。」

「ん?なんだ?不服そうじゃねぇか。
 なに?もっと武器とか冒険者の店が見たいって?
 何を言ってるんだ。こういうところを知っておかねぇと、冒険者としての生活が
なりたたねぇだろうが。まったく、これだから素人は・・・」

「まぁ、しかし、そちらの希望とあれば、そろそろいくか。
 シルク川の東側は、ちょっと治安が悪いぜ。
 よく懐に気をつけておけよ。
 よし、じゃあ、いくぜ!」


 
グラント北西部(冒険者の店他)