シーン36 ブラウンの正体(6)
***前回までのあらすじ*****************************************************
お化け退治を依頼されたウイック達は、地下でお化けのもとらしきものを成仏さ
せ、ストーンガーディアンと戦い、地上に上がってくる。
屋敷の中で休息をとっていたが、突然屋敷が幻のように消えてしまう…
そこへ突如としていなくなっていた依頼主のブラウンが姿を現す…、
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ミディ
怪訝な表情をする。そして矢継ぎ早に質問する。
「幻術って、何も使わず、あなたが自分の魔力だけで使った術なの?
ガストン君とって、もしかして、あの本はあなたが作ったものなの?」
ブラウン
「そうですよ。結構名の知れた幻術士でした。グラントの魔術師ギルドで調べれば
出ていると思いますが。」
ウイック>ブラウン
「へぇ、そうなんだ、オレ、知らなかったよ。」
グラントの魔術師見習いのくせに不勉強。
ブラウン
「まぁ、今の状態になって、魔力がさらに強化されました。
精神体なので、マナが使いやすいんです。」
ミディ
「生きているときのって、あなたは一体……?」
竜の宝玉も気になるが、それよりもブラウンのことが気になるらしい。
ブラウン
「まぁ、いわば私は幽霊みたいなものです。
貴方も見たでしょう。あの本を。あの中にはいったのです。私のほとんどが。
ただ、1つ心残りがありまして、その心残りが私を作っているのです。まぁ、
執念というやつですな。
生前も今も、私は心残りを残すことがとても嫌いでして。
今こうして話していられるのも、あなた方に説明しなかったことが心残りだから
です。」
ミディ
「それじゃあ、本の中に入ってしまったのは、ブラウンさんの本体……?
もしかしたら、本の中で何か生活をしているのかも……」
想像を膨らませるミディ。
本の中は気になるが、しかし、入ってみようとは思わない。
ウイック>ミディ
「ねぇねぇ、その本、大樹亭に戻って読んでみようよう♪」
ミディ
「だめよ。あなたも幽霊になりたいの?」
本をしまいこむミディ。
ウイック>ミディ
「だって、オレ、一度も幽霊になったことないもん!
ミディのねえさんだって幽体離脱してみたいと思うよね?」
ミディ
「まあね。一度やってみたい気はするけど……。元に戻れるのならね。」
魔術士として気にはなるらしい。
ウイック>ミディ
「だよね♪ 元に戻れるか心配だったらヒョークのにいさんで実験しておこうか?」
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シア
「……」
物欲しそうに本を見つめていたが、ミディがしまい込んでしまったのでがっか
りする。
ミディ
がっかりとしたシアに気づき首をかしげる。
「どうしたの?」
不思議そうにしている。
シア
「あ、いえ、何でもありません」
寂しそうにミディが本をしまった辺りを見るシア。
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ヒョーク>ブラウン
「何が目的だったんですか?」
放っておいても喋ってくれそうだが、聞いてみる。
ブラウン
「それは・・・」
そう言って、シアの方を見て微笑む。
「だれかに私の努力の結果を渡したかったこと・・・」
徐々にブラウンの姿が薄くなっていく・・・
シア
「そうでしたか」
微笑しながらブラウンを見つめ、言葉を続ける。
「確かに、受け取りました」
ミディ
「努力の結果を?」
何か知っていそうなシアを、ちらりと見る。
シア
「はい」
にこっとミディに言う。
ミディ
「あとで教えてくれる?」
幽霊のような状態になっても伝えたかったことである。
何か凄いことなのだろうと、勝手に期待している。
シア
「ええ、もちろんですよ」
微笑しながらミディに答える。
ブラウン
「それと、あの本を守らせていたストーンガーディアンの処分をしたかっ
たことです。あのまま放っておいたら、犬だけでなく、人間にまで危害
を加えそうでしたから・・・」
ヴァイ>ブラウン
「任しときな、次は必ずぶっ倒してやるぜ!」
ブラウン
もう、ほとんど、見えなくなってきている。
「ええ、お願いしますね。
よし、これでもう、心残りはありません。
では、みなさん、さようなら。ありがとう・・・」
その言葉を残して、ブラウンは、消え去ってしまった。
シア
「お元気で」
ブラウンに別れの挨拶を送る。少しずれた言葉かもしれないが。
ミディ
「あ、ブラウンさんっ!」
残念そうに名前を呼ぶ。
(成仏……とでも言うのかしら。でも本体?は本の中だし……)
抱えた本を見つめる。
ヒョーク
「あ、さようならです」
ペコリと頭を下げる。ほんのちょっと冥福を祈る。
(とりあえず依頼は達成できたみたいですね・・・)
色々理解できなかったことはあるが、問題無さそうなので
満足しているヒョーク。
ウイック>ブラウン
「ばいばい、ブラウンのおじさん、楽しかったよ♪」
にっこり笑って手を振る。
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ヒョーク
「なんの話だったんですか? 僕にも教えてください〜」
シア
「ブラウンさんが努力した結果の話ですよ」
微笑しながら答えるシア。ただ、少し寂しそうにも見える。
ヒョーク
「はぁ・・・ブラウンさんってすごい人だったんですね」
シアの言葉に単純に感心している。
シア
微笑してヒョークに答える。
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ヒョーク
(とりあえずファリスさんを捜さないと・・・)
辺りをキョロキョロと見回すヒョーク。
バタバタしてるヴァイと倒れてるパスティが目に入るが
あまり気にはしていない。
ミディ
なにやらきょろきょろとするヒョークに、首をかしげる。
「どうしたのよ、ヒョーク。」
ヒョーク
「え〜と、ファリスさんが見当たらないので・・・」
口をモゴモゴとさしているあたりあまり真剣に探してないかもしれない。
ミディ
「ああ、そう言えばファリスは?」
ヒョークと同じく、あたりを見渡す。
「確か、風邪を引いて寝ていたはずよね。どこかしら……」
ウイック>ヒョーク
「ファリスのねえさんなら、こっちで寝てるよ〜!」
ヒョーク
「あ、そんなとこに居ましたか」
放って帰ると後々文句を言われそうだからだ。
ウイック>ファリス
「こんなとこで寝てると、凍死しちゃうよ?
いや、餓死の方が先かな?」
寝ている半NPC状態のキャラに対して顔に落書きをしようと、
クリエイト・マジック・インキの詠唱を始める。
ヒョーク
「・・・」
黙って見ている。もちろん邪魔などしない(笑)
ミディ
「ちょ、ちょっと、待ちなさいよ。」
ウイックに声をかけて、ファリスに近づく。
「ファリス、ファリスったら。起きて。」
ヒョーク
「・・・」
ミディが声をかけるのを見てちょっと考えるヒョーク。
「・・・ファリスさん起きた方が良いですよ」
かなり小声。でも一応声はかけた(笑)
ミディ
ヒョークの呟きは、よく聞き取れなかったらしい。
「なにブツブツ言ってるのよ。ほら、起こすの手伝って。」
ヒョークに言う。
ヒョーク
「え〜っと・・・」
あまり乗り気ではないヒョーク。
「ファリスさ〜ん、起きてください」
さっきよりはちょっと大きめの声(笑)
ミディ
「ほらファリス。ヒョークだってああ言ってるのよ。起きてってばぁ」
声をかけながらゆすってみる。
ウイック>ミディ
「そんなことしたら起きちゃうじゃん!」
マジックインキをインク壜に貯めると素早く別の呪文を唱え始める。
GM
ウイックはサイレンスの呪文を成功させる。
ファリスの周囲は音がしなくなる。
ウイック
ウイックはにこにこしながら、ペンにマジックインキをつけて
落書きを始めようとしている。
ミディ
「起こすためにやってるんだから!」
と言う声も、当然かき消された。くちをぱくぱくさせているだけである。
声が聞こえない事実に気づくと、ミディはあたりを見渡し始めた。
もちろん、お湯を探しているのだ。
(お湯さえあれば、いくら書いても大丈夫♪)
ヒョーク
「・・・」
後が恐いので、いちおう現場からは退避するヒョーク(笑)
ミディ
「・・・・・・・?」
口をパクパクさせながらジェスチャーを交えて、何かを訴えている。
さて、ヒョークに通じるのか……?
ヒョーク
「・・・?」
キョトンとするヒョーク。
しかし、ミディの動きが面白いらしくニコニコとしている。
ミディ
「・・・・・・」
どこか不機嫌そうだ。
パスティ
「うん〜?」
うつろな目で、ジェスチャーを見る。
「なにかヒョークさんに伝えたいのかな?」
ミディ
「・・・・」
うんうんと首を縦に振るミディ。
ヒョーク
「はて?」
一応ミディのジェスチャーを思いだし推測してみる。
パスティ
「やっぱりそうみたいだ」
きっとなにか静かにしなければいけないんだと判断し、
わざわざジェスチャーでヒョークさんに伝えたいんだねと
ジェスチャーでかえす。
ヒョーク
「・・・」
パスティまでやり始めたので推測するのを止めて見守ることにした。
やはり面白いらしくニコニコしている。
ミディ
「・・・・・・」
溜息とともにガックリと肩を落とすミディ。
諦めたようだ。
ウイック>ファリス
ヒョークが止めないので聞こえない口笛を吹きながら、落書き開始。
お約束なのか額に大きく『肉』と書く。
「できた!」
作業が終わったのでサイレンスの呪文を解いて叫ぶ。
ヒョーク
「・・・」
あ〜ぁ、と言った顔で遠くから見ている。
ミディ
呪文が解かれた瞬間、ミディは大きく息を吸い込んだ。
別に呼吸が出来ないわけではないのに、不思議なものである。
「ウイックくん! もう、こんな時にそんな呪文を!」
軽くたしなめる。
ウイック>ミディ
「へへぇ。」
笑って誤魔化す。
ミディ
そしてヒョーク達(と言うか主にヒョーク)に向き合う。
「ヒョーク……あなたね、もう少し私の言いたいことを理解してよ。」
無茶な話である。
ヒョーク
「・・・結構頑張ってると思うんですけどね」
ボソボソと呟いてみる。
パスティ
「あ、そういうこと」
伝えたかったことがようやく理解できた。
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ウイック>ALL
「じゃあ、大樹亭に帰ろっか?
報酬もカードのにいさんのとこにあるみたいだし♪」
パスティ
「そだね、一件落着したみたいだし」
一体それに自分がどう役立ったのかは分からないが、と
付け加えながらルミックを抱く。
ヴァイ>ウイック
「そうだ、早くしないと報酬をカードに根こそぎ取られちまう・・・」
(いそいそと支度を始める)
ヒョーク
「・・・そうですね、とりあえずここに居ても仕方なさそうですね」
リーダーの意見に頷く。
シア
「そうしましょう」
ウイックに同意するシア。身仕度を整えビリーを抱きかかえる。
ミディ
「そうね、そうしましょう。
えっと、ヴァイさん。ごめんなさい、ファリスを大樹亭まで連れて行ってく
れる?」
ヴァイ>ミディ
「えぇ〜腹減ってるからやだぁ〜・・・・・・・・・・・・・・・・っての嘘だよ、
わかったわかった・・」
(自分の荷物を背中に背負い、ファリスを前に抱える)
ヴァイ>ウイック
「んしょっと・・・さぁ、帰ろうぜ!リーダー」
ウイック>ALL
「それじゃ、大樹亭にれっつごー!
誰が速いか競走だよ♪」
大樹亭に向かって全速力で走り出す。
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次回予告
いくつかの謎を残しながらも、何とか、冒険を成功させた冒険者達。
疲れた体と空腹のおなかをすかせて大樹亭に帰る。
しかし、そこに待っていたあまりにも酷い事態とは!!!
・・・あとは、大樹亭の日常メーリングリストに参加した方だけの
秘密です。
長い間、おつきあいいただきありがとうございました。
感想等ありましたら、是非ともメールをください。
armdk3@mcn.ne.jp まで!!
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