7 情報を集める冒険者達 〜その2〜

前へ 次へ

セルディ>村長
「なるほど・・・。毒の研究ですか・・・。
 ギルドからはどのような毒か、ということは聞いていますか?
 何にしても子供を実験に使うなんて許せませんね。
 同じ話の繰り返しになってしまって申し訳ないのですが、
 病気はどんな状態になるんでしょうか?
 病気にかかった子供たちの命には・・・別状ないのでしょうか?」

村長
「どのような・・・までは教えてくれなかった。所詮、わしもいちギルド会員でし
 かないからのぉ。
 病気かね?皮膚、特に腕に黒い斑点が出て、それとともに高熱が出るんじゃ。
 人に移ることは無かったと思う。大人は全くかからなかったしな。
 間違いなく、やつにチャームをかけられむりやり飲まされたんじゃよ・・・」

セルディ>村長
「そうですか・・・。ありがとうございます。
 黒い斑点と高熱・・・。辛いですね」
 眉を顰める。
(ドラゴン山脈で流行っているという病気では
 赤い斑点が出るってことだったな・・・。
 この薬じゃ予防できないかもしれない)
 ベルトポーチに入れてある薬瓶へ手を伸ばす。

パスティ>村長
「その病気はずっと続いているのですか?
 それとも一過性で、治ったらそれきりなんですか?」
 かかってからその後の子供達が心配でならない。

村長
「直ったら、特に何もないときもあるし、何かあるときもある。
 そのときどきじゃな。」


セルディ>村長
「あの、例えばどのようなことがあったりしたんですか?
 何か後遺症が残ったりとかしてるんでしょうか?」

パスティ>セルディ、村長
「うん、それ、すごく気になる。何かある時もあるの『何か』って?」
セルディに続いて問う。

村長
「後遺症と言うほどでもないが、皮がむけたり、髪の毛が少し抜けたりすることは
あるな。
 ただ、少ししたら治るが・・・」

セルディ>村長
「どの程度かわかりませんけど、大きな後遺症が残らないのは良かったですね」
ホッとしたように胸を撫で下ろし頷く。

パスティ>ケイト
「皮が剥けたり、髪の毛が抜けたりか。
 大事には至ってないけど、そのへんも見ておきますか」

パスティ
「それから、『大人は全くかからなかった』ってことは、
大人もチャームをかけられてその毒とやらを飲まされたんですか?
その人に会わせて下さい」

村長
「大人は全くかからなかったから人には移らないだろう、ということじゃ。
 わかりにくかったな。
 魔術師に何かされたというのはこどもだけじゃよ。」

セルディ
「子供だけ・・・。
 どういう意味があるんだろう・・・」
(毒を使うならば、抵抗力の強いであろう大人を使うんじゃないのか?
 相当に強い魔術師さんなんだし、チャームで大人をおびきよせて
 飲ませても良いんじゃないんだろうか)
一人呟き考え込む。
パスティ>村長
「魔術師の対象が子供だけって言うのが、ポイントですねぇ」
何故、子供なのかを考える。

セルディ
パスティの言葉に頷く。
同じ事を考えているためだ。

パスティ
「人体実験をしたくて、その試験体を探してて、
 大人よりも好奇心を持った子供の方が、手を下すのに楽だから。
 大人よりも純粋で単純だから」

ウイック>パスティ
「オレ、単純なんかじゃないよ!」
 抗議する。

パスティ>ウイック
「あ、いや。ウイックんのこと言っているわけじゃ」
 困ったように頭を掻く。
「ウイックんはある意味もう大人の仲間入りだから。
 一緒に冒険しているし。
 リーダーの役もこなしたし」

ウイック>パスティ
「えへへ〜、やっぱ、そうだよね♪」
 すぐに有頂天になる子供。

パスティ>ウイック
「なるほど。このパターンか……」
 ウイック扱いレベルが1上昇した気がした(笑)

****************************************************************

セルディ
「チャームの魔法を使っているなら
 大人も子供もあまり変わらないと思うけど」
 自分の考えもまとめるために、パスティの意見に口を出す。

ウイック>セルディ&パスティ
「オレもそう思うな♪
 とにかく直接、会いに行けば何か分かるよ」
 お気楽な考え。

パスティ>セルディ、ウイック
「そうですね。魔術師本人に会わないと
 なんとも言えないですね」

セルディ>ウイック、パスティ
「うん・・・。まあそうですね」
 確かに会いに行けばOKではあるのだが。
 自分がチャームにかかったらどうしよう、とちょっと思っている。

パスティ>セルディ
「大人ならチャームの効果時間を過ぎたら怪しい怪しいって言い合うけれど、
 子供なら、効果時間が過ぎて大人に言っても相手にしてくれなくて、
 問題が表面化するまでに時間がかかるかなって」
 やっぱり考えすぎたかな?と思う。

セルディ>パスティ
「うーん。確かにその可能性は否定できないけど・・・。
 大人が言えばすんなり通る話であっても、
 子供が言うと遊びの延長だと思われかねないってのはわかる。
 でも、体調に変化が見られるような薬だったら
 子供だってすぐに大人に訴えかけるんじゃないかな」
 病気のような症状が出ることを考えると、いくら子供であっても黙ってい
ることは無いんじゃないかと推測する。

パスティ
「ここの子供にだけ特別な能力が備わっていて、
 それを見抜いた魔術師がなんらかの理由で接触をはかった。
 その結果が、病気の蔓延に?」

セルディ
「そういう考え方もあるかもしれませんが・・・。
 成長すると無くなる能力ってあるんでしょうか」
 そう言いながらも面白い意見だな、と思う。

パスティ>セルディ
「さ、さぁ。あまり聞かないですね。う〜ん、夢見る能力とか」
 言ってて、恥ずかしくなった。

セルディ>パスティ
「夢見る・・・か。
 将来の夢を見るのは確かに子供にしかできないことだね・・・」
 パスティが赤面しているのには気付かずに呟く。
「子供の将来の夢を奪う・・・ってことかな・・・。
 夢見ることすらできない子供・・・って、
 何か酷くかわいそうだな」
 自分が大きくなったときのことを考えたり希望も持てないような人生は
辛いなーと思う。
「でも違うな。・・・魔術師にメリットが無い」
 
パスティ
「他に、長期的に見て、世界の未来をになう希望(=子供)を潰すことで、
 世界を暗黒の世界に……」
 言っててまた恥ずかしくなってきた。

セルディ
「・・・・・・」
 何だか小説のようだな、と思う。
 でもちょっと面白いと思ってたりもする。

パスティ>セルディ
「な、なに、その視線は……」
 無言でこちらを見るセルディにたじたじになる。

セルディ>パスティ
「え?」
 ついじっと見てしまったことに気付き一瞬きょとんとした顔をする。
「ああ、何でもないよ。
 面白い意見だなーと思って」
 他意は無い。

セルディ>パスティ
「あとでもうちょっと検証してみよう。
 今は・・・みんな食事に夢中っぽいし・・・」
 周りをちょっと見渡すと、口一杯に食べ物を頬張るウイック、
 黙々と食事をとるヴァイ、こそこそと話しながら食事するケイトとユウジ、
 床に座り込んでルミックとじゃれているマイキーが目に入る。

セルディ
「あ、いただきます」
 未だ一口も料理を食べていないことに気付き料理に手をつける。
「美味しいですね〜」
 ユウジが何を思っているのか知らないので、
 パクパクと食べ始める。

パスティ
パスティも話を打ち切って、再び料理に集中する。
「おいし〜い」


(続く)

次へ