ウトウノ頭〜酉谷山
 …奥多摩の山…
  〜うとうのかしら・とりたにやま〜
   (1587.9m) (1718.3m)    



小川谷林道終点〜三又〜ウトウノ頭〜酉谷山
〜三又〜小川谷林道終点

   
 平成22年5月15日(土)
 天気 晴れ
メンバー  単独


小川谷林道終点に立つ道標から酉谷山方面の登山道へ。小川谷側の足元は険しく、一歩間違えば谷底に落ちて滑落死だ。

登山とは常に危険と隣り合わせの遊びだとつくづく思う。 トラバース道で下って行けば、足下に木橋が見える。

この場所が三又であり、大京谷、割谷、酉谷の沢が合流するところ。
〔三又、一つ目の木橋〕
一つ目の木橋を渉ったところで道標にも記す酉谷山の登山道を右側に見送り、左側の滝谷もやはり木橋で越した。

小川谷の右岸にはっきりした踏み跡が視線に映ったが、これが旧小川谷林道で下段歩道と言うらしい。

その下段歩道を視線に留めただけで、すぐ右側の急斜面に取り付いた。 ここを登り切って登路に辿る尾根が四軒小屋尾根。



〔四軒小屋尾根に乗ってすぐにカラマツ林が広がる〕
樹林越しに覗くその尾根を目指して何とかよじ登ったのが40分後。

ブナの細木にビニールを巻いてあったが、もちろん進路を示すもの。 尾根の前後を見ればなるほど踏み跡が筋になって見え、もっと楽に登って来られる道が下にあったらしい。

アセビ類で鬱していた尾根も少し行ったら左側がカラマツ林に変り、眩しげに若葉を仰いだ先で青空が広がっていた。



〔ブナなど雑木林の新緑が美しい〕
カラマツの梢越しに覗く丸みの帯びた高まりが1388m点のようであり、急な登りに差しかかる頃にはブナを主体にした雑木林に変る。

急な登りも尾根が広がってから緩斜面になり、遠目で赤テープが点々と視線に映る。

ひとつひとつの赤テープを直線状に並べて眺めればブナの立木を縫っている道筋を林床に感じるはずだ。



〔四軒小屋尾根のハイライト〕
ブナの林立する夢のような空間が広がった辺りで1388m点を踏み、その後は赤テープに縛られることなく自由自在に歩いて高みに向かった。

今は樹木もみずみずしい緑を陽光にかざしているだけだが、秋には紅葉、黄葉と様々な色彩がたわむれてもっと美しいだろう。




〔葉のもげたバイカオウレン〕
左側にダケカンバ林が広がってから尾根らしくなり、夢心地も醒めて一心不乱で登ることに。

間もなくヒノキ林に入って急登は一層つのり、登り切ってしまえばウトウノ頭に着く。

ひと息入れて山頂を少し下ってからちょっとした岩稜の登り下りを繰り返す。




〔ウトウノ頭、赤ペンキでウトウと記す〕
この間にイワウチワが咲き残っていたが、数えられるほどだった。

次に控える巨岩群は心理的に動揺をもたらす。 三段構えで待ちうけていたようだが、岩稜を直登するのはごく僅かで、巻いて歩くのがほとんどだ。

とにかく赤テープを見逃さないことに尽きる。 これらの岩稜を越して突然現れたモノレール軌道には瞠目。



〔ヤマザクラの下に走るモノレール軌道〕

6年前には無かった代物だが、進行方向がはっきりして、あるいは逆用するメリットも。

この先は以前、シノダケが繁茂して戦々恐々しながら歩いたところである。 今日はスイスイと歩いて長沢背稜の縦走路に交差したのが、ウトウノ頭を出発してから1時間後。

まずは酉谷山に向かって縦走路を行き、厭いたら気分を変えて尾根道へ。

〔長沢背稜の尾根道から熊倉山方面の尾根〕
縦走路でさえ一度しか歩いたことがなく、ましてや尾根道を歩くのは始めてだ。

尾根道では樹林越しながら展望も開け、遠方の白い峰々は谷川岳でも見えているのだろうか。

それよりも興味深いのは酉谷山から熊倉山に延びている尾根。 新鮮な眺めであり、幾つものコブを連ねて道のりも長そう。

〔長沢背稜の尾根道から両神山〕
ここまで登って来たら樹木は裸木であり、今時分の季節を感じるのは穏やかな風が運んで来る春の匂いだけ。

適当なところで尾根歩きを打ち上げてまた縦走路に戻り、もう一度尾根道に移ったのは酉谷山を指している標識から。

20分後に酉谷山に着き、登って来る間に見かけたツツジは蕾がまだ固かった。

〔酉谷山の山頂〕
山頂で昼食を摂ってから三又方面に下る一般道へ。 ところでこの登山道も今日が初体験。

山頂から尾根道を下って縦走路に合わさり、そこを横切ってさらに下った左側に酉谷避難小屋が建っていた。

急斜面をジクザクに下り、その後は傾斜の緩い苔むした石ゴロに沿って直線状に下る。





〔樹木の緑が淡い分、ヤマザクラのピンクが目立つ〕
この辺りのカラマツや雑木は萌黄色や淡い緑で、その中に一際目立つピンク色のヤマザクラが季節の始まりを主張しているような光景だった。

酉谷の源流部に当たるところから沢床を下って行き、やがて沢音が聞こえて来たら旧酉谷小屋跡はじきに着く。

樹木の緑も下って行くにつれて濃くなり、それぞれの木が理に適ったようにたたずむのが美しい。




〔下山道の後半は段々と緑が濃くなる〕
やがて沢から離れて高巻きの登山道に移って行くが、この間が危険と言えば危険。

登山道を踏み外さないように慎重に歩き、下り坂を迎えたら三又までそれほどの時間はかからないはずだ。

小川谷林道までも気を抜かないで足取りをしっかりして歩き、行き同様に25分間で出発点に着いた。             



〔旧酉谷小屋が見えて来た〕
--コースタイム--
  小川谷林道終点 6:25 三又 6:50 四軒小屋尾根出合 7:30〜7:35 
  1388m点 8:00〜8:15 
ウトウノ頭 8:45〜8:50
  長沢背稜縦走路出合 9:50〜9:55 酉谷山 11:10〜11:30
  旧酉谷小屋 12:20 三又 13:00 小川谷林道終点 13:25
  
                               −実動時間− 6時間10分
--参考地図・図書--
 「山と高原地図 奥多摩 昭文社」 「地形図 2.5万 武蔵日原」


    

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